FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:週末のSQ控え方向感を欠く展開

前日の米国株式市場の上昇を好感して買い優勢で始まったものの、中盤から方向感を欠く動きとなり、相場全体は伸び悩んだ。NYダウ先物が軟調に推移したことが重石となった。値がさのグロース株が復権したかのような相場つきになったが、週末のメジャーSQ算出を控えているため、積極的にポジションを取ろうとする動きは見られず、前場中盤からは見送りムードが支配した。結局、前営業日比8円高の2万9036円とわずかに続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:全般様子見ムード強く108円台後半での小動き

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、108.85円付近はじり高となった。原油先物価格の下落を眺めた資源国通貨に対するドル高が波及した面もあった。午後もこの流れは続き、108.91円付近まで上昇した。ただ、NY時間に予定されている2月米消費者物価指数(CPI)や米10年債入札を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、108.90円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、欧米金利差拡大を意識したユーロ売り・ドル買い基調が続き、1.1870ドル付近へ値を下げた。

 

ギリシャは5月にも海外観光客を受け入れ

ヨーロッパでも屈指の観光地、ギリシャは、入国時に新型コロナウイルスのワクチンの接種証明か、PCR検査の陰性証明を提示することなどを条件に、ことし5月にも世界中から観光客の受け入れを始める方針を示した。ギリシャのセオハリス観光相は9日、インターネット上で開かれた観光産業の国際的な展示会にギリシャから参加し、ことし5月14日にも世界中から観光客の受け入れを始める方針を発表した。観光客は入国の際、新型ウイルスのワクチン接種を受けた証明か、PCR検査の陰性証明などが必要となり、現在行われている入国後の隔離措置は免除される。また、今後国内の観光業で働く人たちのワクチン接種を優先させる考えも示した。

 

OECDは21年の世界の実質経済成長率を予測

経済協力開発機構(OECD)は9日、2021年の世界の実質経済成長率が5.6%になるとの予測を発表した。新型コロナウイルスのワクチンの普及や米国の追加経済対策の効果を見込み、20年12月時点の予測から1.4ポイント上方修正した。感染の抑制が進むことで『世界経済は21年中ごろまでにはコロナ前を上回る水準に戻る』との見通しを示した。国別にみると、米国の21年の成長率予測は6.5%で、前回見通し(3.2%)から3.3ポイントの大幅な上方改定とした。中国は前回見通しと比べ0.2ポイントの下方修正としたが、引き続き7.8%の高成長を見込む。一方、日本の予測は前回から0.4ポイント上方修正したものの、2.7%どまり。主要先進国の中で最も低い水準となった。

 

OECDはトルコの成長率見通しを約2倍引きあげる

OECD(経済協力開発機構)は9日に世界経済の成長率見通しを発表し、2021年のトルコ成長見通しを前回予測2.9%から5.9%と約2倍引き上げた。財政刺激策、製造業や建設業の回復などが支えとなり、トルコの経済活動はパンデミック前の水準まで上回ったとOECDは述べている。ただし、商品価格の上昇によりトルコのインフレ上振れには注意が必要とされた。いずれにせよ、今年のトルコの経済成長は世界全体の成長率見通し5.6%を上回るとされたことで、大きな流れとしてはリラの支援材料となる。 なお、トルコ政府は9日、レイオフ禁止の大統領令を17日から2カ月延長すると発表した。経済回復の見通しが高まり、新型コロナウイルスの感染を抑制するための行動制限策も3月になり緩和されているが、労働市場の改善にはまだまだ時間がかかりそうである。本日発表の12月トルコ失業率も前回12.9%から悪化するとの予想である。

 

南アは着実に回復基調にある

ウイルスのパンデミック後のGDPは、前年比で4-6月期は-17.1%、7-9月期-6.0%となっていたが、昨日発表された10-12月期GDPは前年同期比で-4.1%となり、着実回復基調にはある。(なお、2020年の通年では-7%となった)本日は、1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数が発表されるが、GDPの後だけに市場の反応が限られると予想される。

 

米国市場では2月消費者物価コア指数を公表

1月の実績は前年比+1.4%で被服費や医療費が上昇した。2月については、エネルギー価格の上昇が他の分野に影響を及ぼす可能性があるものの、被服費と医療費の上昇率は鈍化すると予想されており、全体のインフレ率は1月実績を下回る可能性がある。

 

欧米市場のイベント

○16:00   12月トルコ失業率(予想:13.5%)
○16:00   2月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比3.0%)
○16:45   1月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
○19:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:42)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   2月米CPI(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.4%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○11日00:30   EIA週間在庫統計
○11日03:00   米財務省、10年債入札
○11日04:00   2月米月次財政収支(予想:2650億ドルの赤字)

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