FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米長期金利を嫌気した売り優勢

前日の米国株市場では、米長期金利の上昇を嫌気し主要3指数がそろって下落、日本株でも米国株安を警戒し軟調な相場展開となった。市場では、これまでの日経平均は短期急騰でスピード違反気味だったので、この先数週間は調整入りしてもおかしくない』との声も出ていた。週末・月末とあって機関投資家からの持ち高調整の売りも出て、後場に下げ幅を広げる展開となった。結局、前営業日比1,202円安の2万8966円と大幅反落して終了した。2月第3週では、海外投資家は3週ぶりに382億円の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:ドルは米長期金利の動向に振れる展開

ドル/円は、高値警戒感から利食い売りなどに押される展開となり、105.85円付近まで下落した。米長期金利が1.45%台まで低下したことや日経平均株価の大幅安も、ドル売り・円買いにつながった。しかし、前日につけた105.84円が下値目処として意識されると下げは一服した。午後は、米長期金利が一時1.50%付近まで持ち直すと、ドルは買い戻されて106.25円付近まで値を切り返した。ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル高が波及した面もあった。しかし、内外の株価が下落していることから、上値ではドル売り・円買いも見られ、106.20円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、週末・月末を控えたユーロ売り・ドル買いが入り、1.21ドル台後半から1.21ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

トルコの外貨準備高は以前として枯渇気味

トルコ中銀が昨日発表した19日時点の外貨準備高(グロス、金保有高を除く)は、538.6億ドルと前週比0.27%増、年初来でも2%増となった。ただ1年前と比べると依然として26%減であり、15円台でリラ下落のきっかけの1つとされた『(為替介入で外貨準備高を枯渇させた)アルバイラク前財務相に対する責任追及を巡る与野党対立』に再び焦点が当たる可能性がある。

 

メキシコの格付けについて:格付け会社ムーディーズ最新レポート

格付け会社ムーディーズがメキシコの格付けについて最新レポートを発表している。それによると、経済指標に関しては当初予想していたよりも悪化のペースは遅いものの、格付けのリスクは依然として残っているとのことである。独占禁止や自由競争の原則に反するのではと危惧されている電力産業法改正法案については、『将来の投資に影響を与える可能性がある』と警告しており、将来の格下げ材料とならないかどうか懸念が残る。

 

米長期金利の上昇をFRB要人は容認

債券市場参加者からは、昨日の米債券市場を評して『disaster』とか『meltdown』といった言葉が聞こえてきてくる。米10年債利回りは欧州時間から上昇していたわけだが、暴騰したのは7年債入札が『不調という結果だった」後に、一気に1.6085%という水準まで跳ね上がった。その後は利食いの債券買い戻しから1.4699%まで上げ幅を縮めたものの、引けにかけては再び1.5598%まで上昇して惨状となったNY市場を終えることになった。昨日は、ブラード米セントルイス連銀総裁やジョージ米カンザスシティ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁が、口を揃えてこの米長期金利の上昇に対して『問題なし』との見解を示した。そもそも期待インフレ率の上昇を目指しているFRBにとっては、ブラード総裁が言及しているように、むしろ『歓迎する動き』となっている。

 

昨日の米国経済指標結果:概ね改善方向の結果

米商務省が発表した10-12月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率+4.1%と、速報値+4.0%から上方修正されたが予想+4.2%を下回った。過去最大の伸びを示した7-9月期の+33.4%からは鈍化した。同期個人消費改定値は前期比年率+2.4%と、予想外に速報値+2.5%から下方修正された。前期の過去最大+41%からは鈍化した。
1月耐久財受注速報値は前月比+3.4%となった。伸びは12月+1.2%から鈍化予想に反し拡大した。変動の激しい輸送用機除く1月耐久財受注速報値は前月比+1.4%となった。伸びは12月+1.7%から鈍化も予想を上回った。GDPの算出に用いられる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の出荷速報値は前月比+2.1%。伸びは12月+1.0%から鈍化予想に反し拡大し10月来で最大となった。
労働省が同時刻に発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比11.1万件減の73万件と、前回84.1万件から予想以上に減少した。11月末来で最小となった。失業保険継続受給者数も441.9万人と、前回452万人から予想以上に減少しパンデミックが開始した3月中旬来で最小となった。

 

米国市場では1月コア価格指数が公表

12月時点で個人消費はやや低調だったことや、経済活動が制限されていたことから、コアPCE価格指数は前年比+1.5%にとどまった。1月については、ウイルス感染を抑制する制限措置の影響があることから、上昇率は12月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   1月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比9.50%)
○16:00   1月トルコ貿易収支(予想:31.0億ドルの赤字)
○16:00   1月独輸入物価指数(予想:前月比1.0%/前年比▲2.2%)
○16:45   1月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   1月仏消費支出(予想:前月比▲4.0%)
○16:45   2月仏CPI速報値(予想:前月比▲0.3%/前年比0.3%)
○16:45   10-12月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比▲1.3%)
○17:00   10-12月期スイスGDP(予想:前期比横ばい/前年比▲2.0%)
○17:00   2月スイスKOF景気先行指数(予想:96.6)
○17:30   10-12月期スウェーデンGDP(予想:前期比0.5%)
○17:30   シュナーベルECB専務理事、講演
○18:00   2月ノルウェー失業率(予想:4.3%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00   1月南アフリカ貿易収支(予想:210億ランドの黒字)
○21:00   10-12月期インドGDP(予想:前年同期比0.6%)
○21:00   1月メキシコ貿易収支(予想:6億ドルの赤字)
○21:30   ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30   1月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比1.9%)
○22:30   1月カナダ原料価格指数
○22:30   1月米個人消費支出(PCE、予想:前月比2.5%)
       1月米個人所得(予想:前月比9.5%)
       1月米PCEデフレーター(予想:前年比1.4%)
       1月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.4%
○23:45   2月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:61.0)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:76.5)
○欧州連合(EU)首脳会議(テレビ会議、最終日)
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(テレビ会議、27日まで)

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