FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株が強まった流れを受け買い優勢

日経平均株価は、前日の米国株式市場が上昇し、ナスダックは3営業日ぶりに反発したことを受け、前日までに利益確定売りに押された値がさ株中心に買い戻しが活発化した。市場では、『米長期金利の上昇が警戒されていたが、米国株式市場でNYダウは最高値を更新するなど、想定以上に米国株が強かった流れを受け、東京市場でも買い戻す動きが活発化した。当面は金融相場が続き、中長期的にも株高が続くとの期待が高まっている。』との見方がある。結局、前営業日比496円高の3万0168円と大幅反発して終了した。信用評価損率は19日申し込み時点でマイナス9.69%と、前の週(マイナス8.01%)からマイナス幅がマイナス幅が1.68ポイント悪化した。悪化は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、106.14円付近までじり高となった。日経平均株価の大幅反発もリスク選好の円売りを誘った。しかし、17日につけた約半年ぶりの高値106.22円が意識されると上げは一服した。その後は短期筋による利食い売りも見られ、106.05円を挟んでもみ合いとなった。午後は、ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル安が波及、106円台割り込んで105.85円付近へ軟化した。国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いも観測された。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇一服を眺めたユーロ買い・ドル売りが入り、1.2182ドル付近まで値を上げた。

 

資源相場の上昇持続を睨む展開:調整反落には注意

国際商品市場では、原油や銅などの資源相場が上昇している。為替相場では対ドル、対円で、資源国通貨の下限切り上がりトレンドが支援される。資源高の背景としては、米英欧などでのコロナワクチン接種拡大と世界景気の回復期待、米国での追加経済対策、米国でのテキサス州での寒波被害と石油施設の打撃(原油生産減少)などがある。ただし、目先は3月4日に石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成する『OPECプラス』の会合を控え、減産維持か、増産議論が出てくるかが焦点になってきた。すでにロシアは生産拡大に意欲を示しているほか、米ウォールストリート・ジャーナル紙は18日、『サウジアラビアは向こう数カ月に原油生産量を増やす計画』、『最近の大幅な減産からの方向転換となり、価格回復に自信を深めている様子がうかがえる』と報じた。先行き実際に増産が本格化したり、米国での寒波が一服となれば、原油相場は短期的に調整下落となる。資源国通貨も調整反落となるリスクには注意を要する。

 

トルコ中銀が準備預金制度の改正と支払う金利の引き上げを決定

トルコ中銀は昨日、準備預金制度の改正を発表した。リラ預金の準備率を200ベーシスポイント引き上げ、必要準備預金に対し中銀が支払う金利(レミュナレーション金利)の引き上げも決定した。その後エルドアン大統領の『インフレ低下、為替安定、そして利下げをする』という発言の『利下げ』部分に反応してリラの頭が重くなり、ムーディーズがトルコ成長率見通しを引き上げたとのニュースにも反応は鈍いままだった。エルドアン大統領が昨日、2週間以内に経済改革について発表すると述べており、その内容にも注目が集まる。

 

南アの予算発表を好感したランド買い

市場が注目していたムボウェニ南ア財務相による予算発表で、2022年からの法人税引き下げや、2025-26年にはGDP比の88.9%で政府債務を安定させること、昨年の財政赤字はGDP比14%と予測より低かったことなどを発表し、年初来高値となる7.35円まで上昇した。一昨日の悪い失業率でもランド/円の下げ幅は限られ、昨日の予算案は思った以上に買いで反応した。市場の流れはやはりランド買い選好になっている。本来であれば、本日発表される南ア1月卸売物価指数(PPI)も注目となるところだが、ここ最近は南アの経済指標への市場の反応が非常に鈍くなっている。PPIでもおそらく市場は大きく動くのは難しいと予想される。

 

投資家が強く米国景気回復を織り込む:米債券利回りのスティープ化

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は半期に一度の上下議会証言において、経済には依然スラックが存続するとし、インフレや最大雇用の目標を達成するまで、大規模な金融緩和策を当面維持する慎重な見解を改めて表明した。インフレ目標達成には3年以上要する可能性も警告している。一方で、投資家は強い回復に期待を強めている。民主党上院のシューマー院内総務は3月中旬に一連の失業者支援策が失効するまでに1.9兆ドル規模の追加経済対策を成立させる意向を示したほか、ワクチン接種ペースの加速が背景となる。米国債相場は下落基調に転じている。10年債利回りはパンデミック前1年ぶり高水準で推移している。利回り曲線も一段とスティープ化(短期と長期の金利差拡大)。2年債と30年債の利回り格差は2015年11月来で最大となった。2年債と10年債の利回り格差は4年ぶり最大。2019年後半に一時逆イールドに落ち込んだ際には、米国経済が深刻なリセッションに陥ると警戒された。長期債が短期債の利回りを上回る順イールドは通常景気拡大時に見られる。投資家が将来のインフレや金利上昇を織り込んでいる証拠となるほか、FRBの政策の立ち遅れへの警告も見られる。

 

米国市場では10-12月期国内総生産改定値

速報値は前期比年率+4.0%だった。個人消費の伸びが鈍化したことから、成長率は7-9月期を大幅に下回った。改定値で個人消費が上方修正される可能性は低いものの、設備投資と住宅投資は上方修正される可能性があることから、改定値は速報値をやや上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   3月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲14.3)
○16:45   2月仏消費者信頼感指数(予想:92)
○18:00   1月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比12.5%)
○18:30   1月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
○19:00   2月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:92.0)
○19:00   2月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.8)
○19:45   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、ウェビナーに参加
○21:00   1月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.37%)
○21:00   10-12月期メキシコ国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比3.1%/前年同期比▲4.5%)
○22:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○22:30   1月米耐久財受注額(予想:前月比1.1%/輸送用機器を除く前月比0.7%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:83.8万件/446.7万人)
○22:30   10-12月期米GDP改定値(予想:前期比年率4.2%)
           個人消費(改定値、予想:前期比2.5%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比1.4%)
○24:00   1月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比横ばい/前年比なし)
○24:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○24:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○26日00:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○26日01:10   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○26日03:00   米財務省、7年債入札
○26日05:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○欧州連合(EU)首脳会議(テレビ会議、26日まで)

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