FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ先物やアジア主要株価下落拡大で売り優勢に

日経平均株価は、3桁下落スタートから節目の3万円を割り込み、利益確定売りが強く下げ幅を拡大した。ハイテクを中心にグロース株が弱く、前場の安いところでは300円超下げる場面もあった。売り一巡後は値を戻したが、3万円台に乗せたところでは戻り売りに押され、前引けでは3万円を下回った。米グロース株の軟調な流れが波及し、日本では値がさの先駆株が売られて指数は軟化する一方、出遅れ銘柄を買い直す動きが活発化した。NYダウ先物が軟調に推移したほか、上海総合指数や香港ハンセン指数などアジア株も大きく下げたことが重石となり、安値引けとなった。結局、前営業日比484円安の2万9671円で終了した。

 

東京外国為替市場:105円半ばで方向感に乏しい展開

ドル/円は、本邦輸入勢などから月末に絡むドル買い・円売りにフローが持ち込まれ、105.50円付近までじり高となった。英国でロックダウン(都市閉鎖)措置の段階的な緩和計画が発表され、経済正常化を期待したポンド/円の急激なポンド高・円安が波及した面もあった。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、105円台半ばで方向感に乏しい値動きとなった。今晩の米国株動向やFRB当局者の講演を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、高値警戒感から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り1.2145ドル近くへ押し戻された。

 

BofAセキュリティーズのレポートでは買いは自社株買いのみ

BofAセキュリティーズの23日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は15~19日の1週間に米国株を6億6500万ドル買い越し、4週連続の買い越しとなった。この週は米長期kンりの上昇を受けて主力ハイテク株が弱く、S&P500指数が0.71%安で3週ぶりに下げて終了した時だった。主体別動向では、ヘッジファンドが5億8300万ドルの売り越しで、2週連続の売り越しになった。機関投資家は2億7500万ドルの小幅売り越しで、3週ぶりに売り越しに転じた。個人投資家も4億1000万ドルの売り越しで、3週連続の売り越しになった。企業の自社株買いは19億3200万ドルで、3週連続で10億ドル超となった。

傾向としては自社株買い以外の3主体が全て売り越しとなり、リフレトレードに一服感が出る中で積極的な買い手の乏しさが示された。個別株の売りが響き、上場投資信託(ETF)の買い越しを相殺してネットで売り越しとなった。

同リポートは、バンクオブアメリカ・メリルリンチから投資銀行部門の名称が変わったBofAセキュリティーズの顧客を対象としたもの。様々な投資主体の動向を比較的早く知ることができるため重宝されている。

 

トルコでは前財務相への非難の声高まる

トルコでは、アルバイラク前財務相が昨年行った大規模なリラ買い・外貨売り介入について、リラ安を止めることもできず外貨準備高を大幅に減らしただけとの非難の声が高まっている。それに対しエルドアン大統領は昨日、娘婿であるアルバイラク氏を擁護する姿勢を示した。市場では明らかな失策とされた為替介入を大統領が容認したとも捉えられ、リラ相場の重しになったとの声もある。

 

南アの失業率は最悪の結果:若年層の失業率は6割強

南アの失業率は、市場では若干の改善が期待されていたが、2008年から四半期ベースでの発表が行われて以来では最悪の結果(32.5%)となった。詳細では求職を諦めた労働者が43.1%から42.6%へと改善したことは、前回よりもロックダウンが緩和されたことが挙げられる。若年層の失業率は61.3%まで上昇し、昨年4-6月期の59%を上回る大幅な悪化となった。若年層の失業者の増加は治安悪化にもつながることで非常に大きな問題である。本来ならもう少し市場が反応しても良いのでだろうが、ここ最近は経済指標での反応は限定的である。しかし、このファンダメンタルズの悪さはいずれ大きくランド市場にも効いてくると思われる。

 

メキシコ北部を襲った寒波も収束:燃料不足も徐々に解消

寒波の影響でメキシコへの天然ガス供給が制限されたため、メキシコ製造業への影響が引き続き懸念されており、相場の重石となった。しかし、足もとではメキシコペソの売り材料とされていた燃料不足は徐々に解消される見込みである。米テキサス州やメキシコ北部を襲った寒波が収まったことで、テキサス州のアボット知事は先週末に天然ガスの輸出制限措置を撤回した。パイプラインを通したメキシコへの液化天然ガス(LNG)供給も再開された。こうした状況からメキシコの主要産業である自動車生産工場でも次第に操業が再開すると見られ、今回の寒波による影響も一時的なものにとどまると予想される。

 

パウエル米FRB議長発言で出口戦略実施への警戒感後退

1.9兆ドルにのぼるバイデン米政権の新型コロナウイルス救済法案成立期待や、ウイルスワクチンの普及による経済回復期待で、米10年債利回りは年初の0.91%から昨日は1.39%まで上昇している。ここ最近の米長期金利の上昇ペースが非常に急なこともあり、これまで以上にFRB議長の講演内容が注目されていた。そのパウエル議長は上院銀行委員会での証言でFRBの目標達成や著しい進展には時間がかかるとの考えを繰り返した。また、最近のインフレ上昇も『一時的』との見方を再表明した。速やかな金融緩和策の出口戦略実施への警戒感が後退した。

 

イーロン・マスク氏の資産急減:本人のツイートも要因か

米株式市場23日早朝の時間外取引で、電気自動車メーカーのテスラの株価が急落し、昨年12月にS&P500種株価指数に採用された当時の水準を下回った。時間外取引でテスラは一時9%安の650ドルを付けた。22日も8.6%安とほぼ同様の大幅下落で、1月25日の取引時間中の最高値から今月22日終値までの下げは21%に達した。22日の下げでテスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は152億ドル(約1兆6000億円)の資産を失ったことになり、世界一の富豪から陥落した。この下落は、マスク氏が仮想通貨ビットコインとイーサリアムの価格は『高いように見える』とツイートしたことも影響した。テスラはビットコインに15億ドル投資したことを明らかにしたが、ビットコインは23日の取引で2日続落し、5万ドルを割り込んだ。

 

欧米市場イベント

○16:00   10-12月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比0.1%/前年同期比▲3.9%)
○16:00   10-12月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲2.9%)
○16:45   2月仏企業景況感指数(予想:92)
○未定   10-12月期香港GDP確定値(予想:前期比0.2%/前年同期比▲3.0%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、ブリハMPC委員、ハスケルMPC委員、講演
○24:00   1月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.1%/85.5万件)
○24:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米下院金融サービス委員会で証言
○25日00:30   EIA週間在庫統計
○25日00:30   ブレイナードFRB理事、講演
○25日03:00   米財務省、5年債入札
○25日03:00   クラリダFRB副議長、講演

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