FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:企業業績の回復期待相場で買い

日経平均は2万9000円を超え、約30年半ぶりの高値を付けた。世界で景気回復への確信度が高まっており、企業業績の回復が相場を裏打ちする『業績相場』に移行するとの期待が強まり始めている。短期目線で売買するCTAやマクロ系のヘッジファンドなどが先物を買い入れて相場の動きに追随したほか、『個別株で売り方の投資家の買い戻しも入っていた』ことで上昇に弾みがついた。結局、前営業日比609円高の2万9388円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:105円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅続伸に支えられ、105.55円付近へ上昇した。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、5日に発表された1月米雇用統計が期待外れの内容だったこともあり、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、105.50円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、105.50円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.2040ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南ア発の変異種にはワクチンの効果が薄いという記事

南アのロックダウン規制水準は据え置かれましたが、規制は大きく緩和された。その内容は、夜間外出禁止時間が23時から翌4時までに短縮されたこと、アルコールの販売が許可されたこと、教会での集会が条件付きで認められたこと、ビーチが解放されたことなどである。アルコールの販売停止解除は、南ア・ハイネケンが人員を削減するなど多くの醸造会社が苦境を訴えていたことに対処したものと言える。先週はこれらの規制緩和がランド買い要因となった。しかし、6日のファイナンシャル・タイムズ紙に、南ア発の変異株がアストロゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンには効果が薄いという記事が掲載された。この結果を受けて南アとの貿易や入出国を一時的に停止する国や企業が出てくることが予想され、南ア経済およびランドにとっては重い課題として残る。

 

市場ではトルコ中銀への信認度は高まっている

3日発表の1月トルコ消費者物価指数(CPI、前年比)が14.9%まで上昇したことを受け、アーバル中銀総裁は先週、予想以上にインフレが上昇する兆候があれば速やかな利上げを含め市場に先回りして動くと述べた。トルコ最高の権力者であるエルドアン大統領が高金利に反対しているにもかかわらず、アーバル総裁はインフレ対策に向けた断固たる姿勢を就任後から示し続けている。また、エルバン財務相も物価安定が最重要課題と述べていることで市場の金融当局への信認度は高まっており、それがリラ相場の支えとなっている。

 

米・トルコ関係の不透明感がリアの重石

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は先週のトルコ政府高官との電話会談で、露製地対空ミサイルに対する懸念を表明した。しかしながらトルコ側が米側の意向に譲歩するとも思われず、米による対トルコ制裁の原因となった問題の解決はかなり難しい。また、米国でバイデン新政権が誕生したばかりなのにもかかわらず、ソイル・トルコ内相が『2016年のクーデター未遂事件の背後には米国が存在していた』とわざわざ指摘したことも、米側の不信感を高めることになる。

 

米スーパーボウルでのアノマリー分析:AFC所属チーム勝利で株価動向

ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の王座決定戦となる第55回スーパーボウルが7日にフロリダ州で行われ、ナショナル・カンファレンス(NFC)のバッカニアーズがアメリカン・カンファレンス(AFC)のチーフスを31対9で破り、18季ぶり2度目の制覇を果たした。株式市場ではスーパーボウル・アノマリーが知られる。NFC所属のチームが勝てば米国株は年間で上昇し、AFC所属のチームが勝てば逆に下落するというものである。ただ、2020年はAFCのカンザスティ・チーフスが勝利したものの、S&P500 指数は年間で16.25%上昇した。AFCのチームが前年まで2年連続で勝利したものの、S&P500指数は2年連続で大幅に上昇しており、アノマリーとは逆の展開だった。2020年までは5年連続でアノマリーは外れた。



米民主党と共和党は経済対策で対決姿勢が強まることを警戒

バイデン政権の新型コロナウイルス救済法案(1.9兆ドル)に関して、米民主党上院トップのシューマー院内総務が、6180億ドルの経済対策を提案している共和党との協議で合意できなければ、財政調整制度を通じて民主党のみの過半数で成立させる、と述べており、共和党との対決姿勢が強まることが警戒される。米下院は、予算決議案を可決し、共和党の支持なしにコロナ対策法案の承認が可能となっている。

 

欧米市場イベント

○15:45   1月スイス失業率(季節調整前、予想:3.7%)
○16:00   12月独鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年同月比▲0.8%)
○9日00:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○9日01:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○9日01:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○9日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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