FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:自立反発狙いの買い優勢

寄り付きの日経平均は小幅安となったものの、その後は直ぐに切り返しプラス圏に浮上した。市場からは『米株先物がプラス圏に浮上したことが支援材料となった。月末はポジションを取りにくい投資家も多かったが、2月に入りマーケットの波乱も落ち着いたことで、警戒感が和らいでいる』との声が聞かれた。また、前週の2営業日で1000円近く下げた反動から自立反発を狙った買いが優勢になった。さらに、本格化する国内企業決算で、好業績が確認された銘柄に資金が向かったことも相場を押し上げた。結局、前営業日比427円高の2万8091円と3営業日ぶりに反発した。

 

東京外国為替市場:104円台後半で利食い売りと押し目買い

ドル/円は、29日の海外時間に約2ヵ月ぶりの高値104.94円をつけた反動から、利食い売りなどに押されて104.60円付近へ下落した。仲値付近で国内輸出企業によるドル売り・円買いも観測された。ただ、下値では値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、104.70円台へ値を切り返した。国内メディアが『政府は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長を2日に決める方針を固めた』と報じたものの、市場は既に織り込んでいため、ドル/円相場への影響は限定的だった。午後は、104.70円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.21ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米市場では銀ETFへの資金流入が過去最大

米市場で銀のETFに資金が流入している。銀を対象とする代表的なETFである『iシェアーズ・シルバー・トラスト』の資金流入額は1月29日、8億6771万ドル(約907億円)に達した。2013年1月16日の5億7323万ドルを上回り、データがさかのぼれる06年4月以降で最大となった。銀を巡っては、米国の投稿型オンライン掲示板『レディット』で買いをあおる書き込みがあったのをきっかけに先物やETFの価格が急騰した。SNAでつながった個人投資家を中心に銀ETFへの買いが集まったとみられている。

 

トルコのインフレ率に注目が集まる

トルコ中銀は今年末のインフレ予想を9.4%、2022年末を7%とした。12月消費者物価指数(CPI)は前年比14%を超えており、中銀のインフレとの戦いは暫く厳しい状況が続く。年末年始にかけては食料品価格の上昇も取り沙汰されていたなかで、1月CPIが前回から大きく上振れするようであれば、早期の追加利上げが視野に入ってもおかしくはない。また、中銀総裁は生産者物価の上昇圧力の強さも懸念しており、12月は前年比25%超まで伸び率を拡大したトルコ生産者物価指数(PPI)の結果も気になるところである。

2月3日に1月トルコCPI(前回 前月比+1.25%、前年同月比+14.6%)が公表される。

 

南ア中銀の利上げ観測がランドの下支え

1月21日の金融政策決定会合では、南アフリカ準備銀行(中央銀行)が金利据え置きを決定しているが、声明文では4-6月期、7-9月期に25bpの利上げを示唆しており、ランドの上昇につながっている。また、新型コロナウイルス新規感染者数の減少も安心感につながっておりランド買いの下支えになっている。

 

米国ではメキシコ産アルコール消毒液が問題化

アメリカ食品医薬品局(FDA)は先日、メキシコから輸入された手指用の消毒剤に安全性における懸念があると警告した。問題となっているのはメキシコ産のアルコール(エタノール)消毒液である。FDAによるとこの消毒液からメタノールが検出された。メタノール(メチルアルコール)はエタノール(エチルアルコール)と違って有毒で、本来は燃料として使われる工業用のアルコールである。吸入や誤飲をしてしまうと吐き気やめまい、意識障害を起こす恐れがあり、失明や死亡の危険性もあるとされている。
 FDAが今回分析したサンプルの半分以上にメタノールが含まれていたとされ、製品の安全性を確認できるようになるまで、メキシコから輸入された全てのアルコール消毒液を『import alert』に設定した。現時点でメキシコ側からはこうしたアルコール消毒液についての報道は伝わっていないが、国内で使用されている物にも同程度の危険性があるとすれば今後問題は広がっていく可能性がある。

 

米ネット証券のロビンフッドが取引制限に踏み切った理由

ロビンフッドによると、取引を制限した本当の理由は資金繰りだった。28日付けのブログで『証券会社はクリアリングハウス(取引を決済する清算期間)への預託金など、多くの金融上の要件がある』と説明した。米国では取引が決済されるのは注文の2日後である。金額は『相場変動に応じて変わる』。相場が荒れ、売買高が急増すると求められる預託金も増える。個人の投機的な売買が膨らみ、必要な預託金を確保できなかったのが取引を制限した理由のようだ。そのため、ロビンフッドは28日、欧米金融機関から急きょ5億ドル規模を借り入れた。さらに29日、投資ファンドなど対象に10億ドル超の緊急増資に踏み切ったと伝わった。資金繰りを確保し、取引制限を解除した。

 

米国市場では1月ISM製造業景況指数が公表

前回12月実績は60.7で全18業種中、16業種が活動拡大を報告した。衣料や家具、木工製品、金属製品が堅調推移した。生産が64.8と、2011年1月以来の高水準だった。また、新規受注は67.9で、2004年1月以来の高水準だった。1月については、新規受注は好調との見方が多く、受注残もやや高い水準を維持する可能性があることから、60レベルを維持する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独小売売上高指数(予想:前月比▲2.0%/前年比4.7%)
○16:00   1月トルコ製造業PMI
○16:30   12月スイス小売売上高
○17:30   1月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:56.8)
○17:50   1月仏製造業PMI改定値(予想:51.5)
○17:55   1月独製造業PMI改定値(予想:57.0)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:54.7)
○18:30   1月英製造業PMI改定値(予想:52.9)
○18:30   12月英消費者信用残高(予想:▲11億ポンド)
○18:30   12月英マネーサプライM4
○19:00   12月ユーロ圏失業率(予想:8.3%)
○23:45   1月米製造業PMI改定値(予想:59.1)
○24:00   12月米建設支出(予想:前月比0.8%)
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:60.0)
○2日02:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○2日03:00   1月ブラジル貿易収支(予想:20.47億ドルの赤字)
○2日04:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○メキシコ(憲法記念日)、休場

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ