FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:循環物色で相場全体を押し上げる展開

米国株式市場が最高値を更新したほか、バイデン米大統領就任式が無事に通過できたことも投資家心理が改善した。明確な物色傾向があるわけではなく循環物色が続き、相場全体を押し上げる展開になった。日銀の金融政策決定会合の結果が公表されたが、市場の予想通りの内容だったことで反応は限定的だった。市場の関心は、26日から開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)や月末から本格化する企業決算に向かっている。結局、前営業日比233円高の2万8756円と反発して終了した。1月第2週の海外投資家は、2週連続で2614億円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下でドル売りが優勢に

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りに支えられ103.67円付近まで上昇した。日経平均の上げ幅が一時300円を超えたことも、リスク選好の円売りを誘った。しかし、今晩発表される米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、欧州通貨や資源国通貨に対するドル安が波及し103.50円台まで押し戻された。午後は、米長期金利低下を眺めたドル売り・円買いが持ち込まれ、103.33円付近まで下落した。しかし、15時30分から黒田日銀総裁の定例記者会見を前に、下げは一服した。その後は値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、103.35円付近でもみ合う展開になった。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて様子見ムードが広がり、1.21ドル台前半で小動きに終始した。

 

最大の民族大移動の春節迫る:当局は警戒を強める

中国交通運輸省は20日の記者会見で、2月12日の春節(旧正月)を挟む40日間に延べ約17億人が移動するとの予測を明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった前年同期に比べると1割以上増加するが、コロナ前の2019年同期比では4割減少した。感染の再拡大を受けた帰省の自粛要請が一定程度効果を発揮するとみられるが、それでも1年で最大の『民族大移動』に変わりなく、当局は警戒を強めている。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表

ラガルドECB総裁は1月13日に『新型コロナウイルス感染再燃とそれに伴う制限措置にもかかわらず、昨年12月に広報したユーロ圏の経済成長予測は今も妥当だ』との認識を示した。今回の理事会では主要政策金利の据え置きが決定される見込みだが、追加緩和の具体策について議論される見込みである。ラガルド総裁は金融と財政による景気支援は継続する必要があるとの見解を変えていないことから、大規模な金融緩和策を長期間維持する方針は当面維持される見込みである。

 

南ア中銀の政策金利は据え置き予想

昨日発表された12月消費者物価指数(CPI)は前年比で3.1%となり、市場の予想通りの結果になった。年間を通すと3.3%になり、これは2004年以来16年ぶりの低水準だった。南アフリカ準備銀行(SARB)のCPIターゲット(3-6%)に収まっていることもあり、本日の金融政策委員会(MPC)では政策金利を3.50%に据え置かれることが予想される。 低い結果となったCPIだが、食品価格は前年比で7.3%上がり、食用油や砂糖などの日用品やガソリンなども上昇している。今後のインフレ指標の高まりを予想する声があり、当面はSARBが利下げを躊躇するのではないかとの声がある。

 

トルコ中銀の政策金利発表までは動き難い展開

日本時間20時のトルコ中央銀行の政策金利発表までは動き難い展開である。政策金利は、インフレは高止まっているものの、エルドアン大統領が高金利を否定する考えを示したこともあり、大方の予想通り『17%で据え置き』となる可能性が高い。ただ、可能性は低いが、もし小幅でも金利を変更するようなことがあれば、ここ最近の13円後半から14円前半のレンジから上放れする可能性が高い。注目は声明で示される今後の金融政策スタンスである。前回述べた『物価が安定するまで金融引き締めスタンスを断固として維持する』に何らかの変化があるかが1つのポイントになる。

 

バイデン政権は金融規制強化への揺り戻し:米金融市場のリスク

トランプ政権は金融サービスの消費者保護『消費者金融保護局』(CFPB)の権限を弱めると共に銀行に高リスク取引を禁じる『ボルカー・ルール』の一部を緩和する等、いずれもオバマ政権が金融危機への反省から『金融規制改革法(ドッド・フランク法)』による規制・監督体制を逆行させる規制緩和へと舵を切った。だが、民主党バイデン政権となって規制強化へ揺り戻しが起きそうだ。規制強化派の代表が米証券取引委員会(SEC)委員長に指名された米金融大手ゴールドマンサックス出身の元米商品先物取引委員会(CFTC)委員長ゲーリー・ゲンスラー氏である。CFTC委員長時代にウォール街の権益に切り込みデリバティブ(金融派生商品)規制を主導した。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:45   1月仏企業景況感指数(予想:92)
○17:30   12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比▲0.3%)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:00   11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.5%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:17.00%で据え置き)
○21:00   12月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.30%)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   12月米住宅着工件数(予想:156.0万件、前月比0.8%)
○22:30   12月米建設許可件数(予想:160.4万件、前月比▲1.8%)
○22:30   1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:11.5)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:91.0万件/540.0万人)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:3.50%で据え置き)
○24:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲15.0)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○欧州連合(EU)首脳会議(オンライン)

 

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