FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:感染者拡大で景気悪化懸念から売り優勢

ドル/円相場が昨日の場中の水準からやや円高に振れていることが重石となったほか、値がさ株の一角が軟調に推移し、日経平均は軟調なスタートになった。米ジョージア州の上院決選投票を見極めたいとの思惑から上値の重い展開が続いた。東京都の新規感染者が1500人超の過去最高と伝わり感染拡大による景気悪化を懸念した売りに押され、前日比124円安の2万7034円と再び下げ幅を広げて4日続落して終了した。信用評価損率は12月30日申し込み時点でマイナス12.4%と、前の週のマイナス13.76%から2週ぶりに縮小した。

 

東京外国為替市場:ドルが主要通貨に対して流れ引き継ぐ

ドル/円は、前日の海外市場でドルが主要通貨に対して全面安となった流れを引き継ぎ、一時102.60円付近まで下落して昨年3月以来の安値をつけた。しかし、本邦輸入勢などがドル買い・円売りに動き、102.70円付近へ値を戻した。その後、米ジョージア州で行われている上院決選投票の開票速報で、民主党の候補者が優勢となっていることが判明した。これを受けて米長期金利が上昇すると、ドルは買い戻されて102.87円付近まで上昇した。午後は、米上院2議席を巡る決選投票の結果を見極めたいとの雰囲気から積極的な売り買いは手控えられ、102.80円前後で小動きとなった。ユーロ/ドルは、1.2290ドル台を中心とした狭いレンジ内の取引となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南アは新規感染者拡大で臨時評議会を召集:南アランドの重石

ラマポーザ南ア大統領は、4日のウイルスの新規感染者数が1万2601件まで上昇し、死者数も3万人を超えたことで、南ア時間の6日午前9時に全国コロナウイルス評議会を召集すると発表した。昨年末に規制を第1段階から第3段階に引き上げた南アだが、評議会の会議は規制の見直し期限とされる15日まで開催予定はなかった。市場では臨時の会議で更なる規制強化が話され、通常なら会議後数日以内に大統領が最新情報を発表することで、週末から規制が強化されるのではないかという予測が多く出ている。
 一部では南ア準備銀行(SARB)が1月後半の金融政策委員会(MPC)で予防的な再利下げをするのではという予測もあり、引き続きランド円は上値が重く推移しそうである。

 

2021年の世界『10台リスク』でトルコはランクアップ

複数のメディアが報じているが、米調査会社ユーラシア・グループが発表した2021年の世界『10大リスク』では、トルコが第7位に入った。昨年は10位だったので残念なランクアップになった。昨年後半に危機を回避することができたトルコだが、21年も脆弱性は目立つとされている。春以降は景気下落の圧力に見舞われる可能性があるとしている。また他の専門家の予想、『今年は、トルコがこれまで断ってきた国際通貨基金(IMF)の融資支援が必要となる』可能性もある。

 

トルコの実際のインフレ率は公表の倍以上の可能性も

トルコの調査会社が明らかにした12月の調査によれば、対象者の1割強だけが、トルコ統計局が発表した14%台の11月消費者物価指数(CPI、前年同月比)を信じているということである。対象の2割弱が年間物価上昇率は20%から30%だと感じ、なんと約半数がインフレ率は30%を超えていると答えた。トルコ国内では、エルドアン大統領の息がかかった統計局のデータをそのまま受け取らない人々が多い。そのトルコ統計局は4日、12月CPI(前年同月比)が14.6%まで上昇したことを明らかにした。野菜などの食品や飲料水などの値上がりが物価全体の伸び率アップに繋がったとされている。予想を上回る物価上昇率だったが、トルコの学者らによる独立機関の調査によれば実際のインフレはより一層悪化しており、12月CPIは36%を超えたともしている。

 

メキシコの景気改善がストップ:見通しも暗いまま

1月5日に発表された12月メキシコ製造業購買部担当者景気指数(PMI)は42.4と前月の43.7から低下した。4月に過去最低を記録して以降、7カ月連続で続いていた改善がストップした。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、需要抑制や人員削減、鉱工業生産の一段の落ち込みなどが起因されており、引き続き見通しは暗いままとなっている。

 

製造業と住宅市場が米景気回復を支える可能性

米供給管理協会(ISM)が発表した12月ISM製造業景況指数は60.7と11月57.5から低下予想に反して上昇し2018年8月以降2年半ぶり高水準を記録した。活動の拡大と縮小の境目となる50を7カ月連続で上回った。民間マークイットが発表した12月製造業PMI改定値も2014年9月来で最高を記録するなど、製造業は順調な伸びを見せている。重要な項目である新規受注は67.9と11月の65.1から上昇した。やはり7カ月連続で50を上回り活動の拡大を示した。また、雇用も51.5と11月に48.4と活動縮小に落ち込んだのち、再び50以上に回復。受注残は59.1と2年半ぶり高水準、また、生産は64.8と2011年1月以降10年ぶり高水準となった。顧客在庫は37.9と36.3から上昇も、8月以降40を割り込んだままで依然低すぎる領域にあり将来の生産に繋がる可能性が指摘されている。
新型コロナウイルス第3波の影響や追加財政策の実施の遅れが影響し米国経済をけん引する消費のペースが鈍化、雇用市場にも影響が出る中、唯一製造業と住宅市場が順調で回復を支える可能性が高い。

 

バイデン次期大統領を認定出来るか:ペンス米副大統領の踏み絵

ペンス米副大統領は6日開催される議会の上下両院合同本会議で、昨年11月の大統領選の選挙人投票について形式的な集計を行い、バイデン次期大統領を公式に認定する。
大統領選での敗北を認めていないトランプ大統領は5日、民主党のバイデン氏の勝利認定を阻止するようペンス副大統領への圧力を強めたが、ペンス氏の側近らによると、6日の両院合同本会議では各州で既に認定されている選挙結果を読み上げ、上院議長としての儀礼的な役割を全うする見通しだ。トランプ大統領は『副大統領には不正に選ばれた選挙人を拒否する権限がある』とツイッターに投稿し、自身に忠実なペンス副大統領が儀礼的な役割以上の行動に出る可能性を示唆した。トランプ氏は前夜にも『ペンス氏が私の期待に沿えないのであれば、彼のことをこれまでのようには好きでなくなる』と述べていた。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表

米連邦準備理事会(FRB)は、12月15-16日に開催したFOMCの議事要旨を公表される。追加緩和は見送られたが、ハト派姿勢の長期化を確認できれば改めてドル売り基調になりやすい。

 

欧米市場イベント

○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.4%/前年比0.2%)
○16:45   12月仏消費者信頼感指数(予想:91)
○17:50   12月仏サービス部門PMI改定値(予想:49.2)
○17:55   12月独サービス部門PMI改定値(予想:47.7)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:47.3)
○18:30   12月英サービス部門PMI改定値(予想:49.9)
○19:00   11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比▲2.2%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   12月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.6%/前年比▲0.2%)
○22:15   12月ADP全米雇用報告(予想:8.8万人)
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:45   12月米サービス部門PMI改定値(予想:55.2)
○23:45   12月米総合PMI改定値
○24:00   11月米製造業新規受注(予想:前月比0.7%)
○7日00:30   EIA週間在庫統計
○7日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月15日-16日分)
○米連邦議会が大統領選結果を承認
○ロシア(新年休暇)、スウェーデン(主顕祭)、ポーランド(三博士の日)、休場

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