FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:緊急事態宣言の検討が重石

前年暮れの地合いを引き継ぐ形で上値を追って始まった。しかし、前年末の急騰に対する警戒感が残っているほか、緊急事態宣言の検討が重石となった。大きく下げる場面があったが、押し目買いで下げ渋り、新年相場は前場を通して乱高下する波乱の幕開けとなった。警戒感が一気に広がった格好だが、米ジョージア州の米上院選の結果や緊急事態宣言の内容を見極めたいとのムードとなった。結局、前営業日比185円安の2万7258円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:緊急事態宣言の発令思惑からリスク回避の円買い

ドル/円は、国内メディアが『菅首相が週内にも緊急事態宣言を発令する方向で調整に入った』と報じた。この報道を嫌気して日経平均株価が急速に下げ幅を拡大すると、ドル/円はリスク回避の円買いが強まり、102.97円まで下落した。ポンド/ドルのポンド高・ドル安が波及した面もあった。午後に入っても、ドル/円の軟調地合いは続き、102.94円付近まで値を下げた。ただ、12月17日につけた102.88円が下値の重要なサポートとして意識されると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、103.00円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.22ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

緊急事態宣言発令でGDPを0.7%程度押し下げの可能性

菅首相が4日の年頭記者会見で、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて1都3県に対して緊急事態宣言を発令すること検討していると明らかにした。SMBC日興証券は4日付のリポートで『仮に首都圏で1ヵ月間、緊急事態宣言が発令された場合の影響を試算すると、2021年の国内総生産(GDP)が年間で3.8兆円程度減少し、GDPを0.70%程度押し下げる結果となった』と指摘した。2020年の緊急事態宣言後の景気の下振れの5分の1程度のインパクトとしつつ、『企業収益への影響は、上場企業の営業利益が5%程度減少する結果となった』と試算を明らかにした。

 

ビットコインの上昇勢いが加速

暗号資産(仮想通貨)のビットコインが2日の取引で初めて3万ドルの大台を突破した。主流の決済手段になるとみるトレーダーや投資家が増加している。2020年は年間で300%超上昇した。約2週間前に2万ドルを突破してから50%超上げた。ビットコインは誕生から10年程度だが、2020年はインフレヘッジや短期で利益を上げる手段のほか、主流の決済手段になるとの期待から大口投資家の需要が拡大した。

 

トルコのCPIとPPIのインフレ動向に注目

12月消費者物価指数(CPI、前年同月比)の市場予想は14.2%と前月14.03%から上昇が見込まれている。トルコ中銀は先月24日の会合で2会合連続の政策金利引き上げを決定しているため、市場もインフレ悪化にある程度の免疫ができている。そのため、結果が予想の範囲内に留まればリラの上値余地は再び広がりやすい。ただ、2019年8月以来の15%台に近づくようであれば、失望売りに繋がる可能性はある。 また、CPIと同時に発表される12月生産者物価指数(PPI、前年同月比)の結果にも目を向ける必要がある。PPIはCPI伸び率が抑えられていた昨年夏頃から既に上昇傾向に入っており、11月は23%超えと19年6月以来の水準を記録した。CPIの先行指標ともされており、PPIに頭打ち感がでるかが今後のポイントになる。

 

南アが予防的な利下げを実行するならランドの上値を抑える

南アランドの上値を抑えているのは、南ア発のウイルスの変異種問題である。国内で規制をしているだけではなく、海外からも南アからの航空便の入国停止に動いているが、人から物への影響も出る可能性があり、南ア経済にとっては深刻な問題となりそうである。一部では今月21日に行われる南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)で、予防的な利下げを実行するのではないかという声が出ている。11月までは消費者物価指数や国内総生産が市場予想よりも好結果だったことで、南アの利下げ観測が消えていたことを考えると大きく雰囲気が変わってきているともいえる。

 

メキシコでも1月後半からワクチン接種開始

ロペスオブラドール大統領は昨日の定例記者会見で今後の新型コロナワクチンの取得状況を発表した。ファイザー社のワクチンはすでに5万本が到着しており、1月4日にはさらに53000本、今月末には計140万本以上が手に入るとされている。医療従事者がワクチンを接種した後、高齢者の接種が1月後半には開始される可能性があるとされており、深刻な感染拡大に歯止めがかけられるかどうかに注目される。

 

欧米イベント

○16:00   12月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00   12月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.90%/前年比14.20%)
○17:30   12月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:54.3)
○17:50   12月仏製造業PMI改定値(予想:51.1)
○17:55   12月独製造業PMI改定値(予想:58.6)
○18:00   12月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:55.5)
○18:30   12月英製造業PMI改定値(予想:57.3)
○18:30   11月英消費者信用残高(予想:▲13億ポンド)
○18:30   11月英マネーサプライM4
○23:45   12月米製造業PMI改定値(予想:56.3)
○24:00   11月米建設支出(予想:前月比1.1%)
○24:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○24:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○5日02:15   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○ニュージーランド(新年翌日の振替休日)、ロシア(新年休暇)、休場

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