FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の大幅高の反動による売り優勢

米国株式では、最高値を更新する場面もあったが、経済再開の道筋や国民への現金給付を引き上げる案の行方を巡る懸念から不安定な値動きになった。共和党上院トップのマコネル院内総務が現金給付を1人当たり600ドルから2000ドルに引き上げる案の採決を先送りし、今週審議を行う方針を示した。日本株は米国株安を行けされる一方、前日の大幅高の反動もあって軟調に始まった。一時200円を超す下げ幅を記録したものの、その後は下げ渋る展開となり安値圏でのもみ合いに終始した。結局、前営業日比123円安の2万7444円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア時間でユーロ買い・ドル売り優勢

ドル/円は、ユーロ/ドルのドル安が波及、103.28円まで値を下げた。月末で仲値にかけて国内輸出企業のドル売り・円買いが通常より多く観測されたことも、ドル/円の押し下げ要因となった。午後は、新規手掛かり材料に乏しく、103.30円を挟んで小動きとなった。米追加経済対策に織り込まれた元気給付額に関する法案が、上院で可決されるかどうかを見極めたいとの雰囲気から、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、年末に絡むユーロ買い・ドル売りフローが持ち込まれて1.22ドル台半ばから1.2294ドル付近まで上昇し、およそ2年8ヵ月ぶりの高値をつけた。

 

英・EUの合意内容では英国が勝利

英国民は、2016年6月、国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決断した。英国は、2020年1月にEUからの離脱し、離脱後の自由貿易協定(FTA)を協議していたが、12月24日のクリスマス・イブに合意に到達し、合意なきEU離脱(ブレグジット)への恐怖は取り除かれた。合意内容では、英国の勝利が28、EUの勝利は11、妥協分野は26となっている模様で、ジョンソン英首相の勝利となるらしい。今後は、国境通過時の税関・動植物検疫・規格適合検査が開始され、英国とEU間で異なる規制への対応が必要になり、規制で『大幅な相違』がある場合には合意内容の『再調整』が可能と留保されている。

 

ヘッジファンドの今年の平均リターンは7.3%

ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、1-11月の業界平均リターンは7.3%で、S&P500種の上昇率(14%)を下回った。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う今年3月の市場の混乱でも資産を維持したこともあり、全体として評価できるとの声が多い。リターンの高さで目立ったロング・ショート型としては、10月末までで41.2%に達したリバーパーク・アドバイザーズの3億9100万ドルのファンドや、11月末までで21.2%だったウェリントン・マネジメントの13億7000万ドルのファンドなどが挙げられる。

 

南アには多くの富裕層が住んでいる

南アフリカと聞きくと、衛生的な問題や治安的な問題を指摘し、多くの富裕層が南アから脱出しているという話もあるが、実は南アにはまだ多くの富裕層が住んでいる。
純資産が100万(米)ドルを超える富裕層が南アには3万5000人も住んでいるとされている。また1000万ドル以上の資産保有者が1800人、1億ドル以上は86人もいる。また、富裕層の多さは世界で30位で、他のアフリカ諸国の2倍以上の数値で、ギリシャ、ポルトガル、トルコよりも上位に位置している。南アがこの状況を維持しているのは、南アの天気、ビーチ、風景などが魅力的なことが一つである。また他の世界の新興国市場よりも証券取引所や金融システムなどが発達していることも富裕層が離れない要因とされている。他にも世界クラスのショッピングセンター、高級食料品なども南アには存在することも理由とされている。

 

トルコと英国のFTAは新たな関係性ではない

英トルコのFTA締結は、英国がトルコにとって2番目に大きい輸出相手国でもあることから、特にトルコの輸出産業界は胸をなでおろした。しかし、過大な期待は禁物かもしれない。というのも、トルコはもともと欧州連合(EU)と関税同盟を結んでおり、ブレグジットが無ければ英国とわざわざFTA協議をする必要はなかった。今回の通商協定はもちろんトルコ経済にとってマイナスではないものの、新たな関係性でもなく、貿易規模の拡大が約束されてもいない。 一方、北大西洋条約機構(NATO)加盟国どうしでありながら、その中核国である英国と(ロシアに接近している)トルコは微妙な関係にあると言える。仮想敵国ロシアからトルコが地対空ミサイルを購入した件に関し、当然ながら英国は決してトルコに対し良い顔はしない。米国がトルコに制裁を発動したように、今後は英国が何等かの圧力をトルコにかけてくる可能性は否定できない。もしそうなれば、両国の経済関係にも少なからず悪影響を及ぼす可能性が残る。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○17:00   12月スイスKOF景気先行指数(予想:100.5)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○23:45   12月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:57.0)
○24:00   11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比横ばい/前年比21.0%)
○31日00:30   EIA週間在庫統計
○31日01:00   7-9月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比▲3.4%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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