FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:世界景気の影響を受けやすい銘柄中心に下落

英国で確認された新型コロナウイルスの異変種感染が引き続き警戒され、朝方から軟調なスタートとなった。英国などで新型コロナウイルスの変異種の感染が拡大する中、景気の先行き不透明感から投資家のリスク許容度が低下した。そのため、日本株にも売りが波及した。NYダウ先物や主要なアジア株価指数がそろって下落したことも投資家心理を低下させた。世界景気の影響を受けやすい海運、鉱業、鉄鋼などの銘柄を中心に幅広い銘柄が下げた。結局、前営業日比278円安の2万6436円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避のドル買いで底堅く推移

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、103.45円付近へ値を上げた。英国で新型コロナウイルス変異種の感染拡大が続いており、これを嫌気したポンド/ドルのポンド安・ドル高が波及した面もあった。ただ、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、米FRBの金融緩和政策が長期化するとの観測からドル売りも見られ、103.40円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均やアジア主要株価の動向を睨みながら103.40円台を中心とした狭いレンジでのもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、新型コロナウイルス変異種がイタリアやデンマークで確認され、欧州での感染拡大を警戒したユーロ売り・ドル買いが優勢になり1.2215ドル近辺に下落した。

 

英国では駆け込み脱出で変異種の拡散懸念

英政府が20日にロックダウン(都市封鎖)に踏み切る前夜、ロンドンの主要駅では地方に向かう長距離列車に乗る客で大混雑となった。クリスマス休暇直前の政府の方針転換を受け、大勢が駆け込みで脱出を急いだ格好である。感染急増を招いている新型コロナウイルスの変異種の拡散に懸念も広がっている。
ジョンソン首相は19日夕方の緊急記者会見で、ロンドンなどを20日午前0時01分から封鎖すると発表した。同席したウィッティー首席医務官は『この地域で旅行を計画中の人は、荷を解き、家にいてほしい』と呼び掛けていた。駆け込み脱出を受け、ハンコック保健相は『非常に無責任な行動だ』と非難した。シャップス運輸相は駅に警察官を増員し、監視を強化すると表明した。

 

南アでも変異種ウイルスの観測もランドは底堅い展開

本来であれば英国で多数報告されている変異種ウイルスが南アでも観測されていることを考えると、南アランドを買う地合いではない。しかしながら、今月の為替市場は年末を控えた特殊要因でもあるのか、かなり強いリスク選好になっている。昨日はランドだけでなく欧州通貨も買うようなニュース等は非常に少ないにもかかわらず、買い戻しの勢いは強く、この流れに逆らうのは難しい。ランド/円も同様にいつ梯子を外されるか分からない不安もあるが、当面はトレンド追随が賢明となりそうだ。なおアフリカ民族会議(ANC)は1月8日に予定されていたANC109周年式典を、ウイルスの感染対策として全て中止をすると発表している。

 

24日のトルコ中銀の利上げ期待がリラの下支え

英国で新型コロナウイルス変異種の感染が拡大し、トルコは英国との渡航を一時停止した。トルコにとって英国からの観光客数は国別で5番目の多さであり、低迷が続くトルコ観光セクターにとっては更なる打撃となることが嫌気されている。ただ、24日トルコ中銀金融政策決定会合への利上げ期待は高いままである。24日の利上げ幅については市場予想の中心値は1.5%とされているが、一部では2-2.5%の引き上げを見込むアナリストもいる。いずれにせよ利上げがほぼ確実視されるなかで、会合までに警戒すべきはエルドアン・トルコ大統領の金利に対する発言である。このところ大統領は金利については言葉少なめですが、先月の中銀による大幅利上げ後には引き締めスタンスをけん制している。

 

日本とトルコの経済関係強化が期待

日本国内のポンプ大手会社が、トルコに拠点をおくポンプメーカー『バンサン社』を買収すると発表した。為替市場へのインパクトは今のところ限られているが、先日も日立製作所が家電製品の海外事業をトルコ家電大手に売却などの報道もあり、今後も日本とトルコの経済関係強化が期待される。

 

米財政出動の規模は4兆ドル

米国の上下両院は21日、9000億ドル(約93兆円)の新型コロナウイルス対策を採決し、超党派の賛成多数で可決する見通しである。経済対策の発動は、3月初旬の第1弾(83億ドル)以降、今回で4回目となる。合計の財政出動の規模は4兆ドルと国内総生産(GDP)比で20%前後となり、世界平均(6%程度)と比べ突出する。米国は日欧に比べて労使の雇用ルールが緩く、レイオフ(一時帰休)などで大量失業が発生しやすい。失業者は現時点でも1000万人を超えており、景気回復まで公的マネーで手厚く支える必要がある。

 

米国市場では7-9月国内総生産(GDP)確定値が公表

改定値は、前期比年率比+33.1%で速報値と同水準だった。速報値から設備投資は情報修正されたが、個人消費は下方修正された。確定値については、一部項目情報修正される可能性があることから、改定値と同水準か、若干の上方修正が予想される。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲9.0)
○16:00   7-9月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比15.5%/前年比▲9.6%)
○16:00   7-9月期英経常収支(予想:116億ポンドの赤字)
○18:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、議会証言
○22:30   7-9月期米GDP確定値(予想:前期比年率33.1%)
○22:30   7-9月期米個人消費(確定値、予想:前期比40.6%)
○22:30   7-9月期米コアPCE(確定値、予想:前期比3.5%)
○24:00   12月米消費者信頼感指数(予想:97.0)
○24:00   11月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.2%/年率換算670万件)
○24:00   12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:10)

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