FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:個人投資家を中心とした利益確定売り

前日の米国株式相場が軟調だった流れを引き継ぎ、日経先物も朝方からさえない動きとなった。一時、170円を超えるマイナスとなったものの、その後は下げ渋った。市場では、個人投資家を中心とした利益確定売りが先行したが、下げる局面では依然として押し目買い意欲も強いとの声が聞かれた。一方で、2万7000円を目前に、さらに買い上げる材料を見つけにくい状況である。クリスマス休暇を控えた海外投資家の買いも一服しており、動き難い展開となっている。ただ、日経平均への寄与度が大きいソフトバンクグループがMBOに関する思惑などで急伸したのが相場の支えとなり、日経平均は上昇に転じる場面もあった。結局、前営業日比61円安の2万6756円と小幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:豪ドル/円の動きが波及してやや円売り優勢

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均の下げ幅縮小に支えられ、104.45円までじり高となった。鉄鋼石価格の上昇や上海総合株価指数の持ち直しを好感した豪ドル/円の豪ドル高・円安が波及した面もあった。午後に入ってもこの流れは続き、104.50円付近まで値を上げた。ただ、米追加経済対策の行方や英国とEUの通商交渉を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、104.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に下落した反動から、利益確定などのユーロ買い・ドル売り、1.2100ドルをつける場面があった。しかし、今晩予定されているECB理事会後の記者会見で、ラガルド総裁がユーロ高をけん制するとの警戒感が浮上していることから伸び悩み、1.2095ドル付近でこう着相場となった。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会が開催

シュナーベル理事は、新型コロナウイルスの世界的流行が長引く見通しであることから、ECBは追加措置を講じる可能性が高いと指摘した。具体的には、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の半年ないし1年間の延長が想定されている。

 

トルコでは大統領を侮辱すると最大4年の懲役刑

トルコメディアは先日、60代のドイツ人歯科医がトルコ旅行中にエルドアン大統領を侮辱し、またトルコ国民の敵意を駆り立てたとして罪に問われ、執行猶予付きながら有罪判決を受けたことを報じました。トルコの刑法では大統領を侮辱することは犯罪とされ、最大4年の懲役刑を受ける可能性があるとされている。 ドイツ人の歯科医は空港で手荷物を受け取るとき、新型コロナ感染抑制の衛生規則の遵守を巡り、他の乗客と言い争いになった。そこで歯科医は、トルコとトルコ人を嘲り、蔑ろにするような言葉を吐いたとされている。その場を録画した人が直ぐに当局に訴え、歯科医は当日拘留され、その後に逮捕された。裁判では、大統領侮辱の罪で11カ月と20日間、トルコ国民の敵意を駆り立てたことで5カ月の懲役(または禁錮)刑が言い渡されました。ただ執行猶予が付き、歯科医は直ぐに保釈されたと報じられている。トルコに足を踏み入れた場合は、政治関連、特にエルドアン大統領に関する発言にはかなり気を付ける必要がある 。

 

バイデン氏次男が税務調査対象に:選挙人投票控え波紋

バイデン次期米大統領の次男で実業家のハンター・バイデン氏は9日、自身の税務処理に関し司法当局の調査を受けていることを明らかにした。バイデン氏を正式に大統領に選出する各州の選挙人投票を14日に控えた時期だけに、政界に波紋を広げている。米メディアによると、ハンター氏は声明で『検察当局が8日、私の税務に関し調査を進めていると、法律顧問に連絡してきた』と説明した。『事態を極めて深刻に受け止めているが、しっかり調べれば、私の税務処理が合法的かつ適切だと分かると自信を持っている』と強調した。

 

米労働市場が回復基調にあることが示される結果

米労働省が発表した米国の10月JOLT求人件数は665.2万件と、減少予想に反して9月649.4万件から増加し、7月来で最高となった。弱い米雇用統計の結果に反し、労働市場が引き続き回復基調にあることが示された。失業者に対する1月の求人件数の割合も4月の4.6人に1件の求人件数に比べて、その差は1.7人まで縮小した。クドロー国家経済会議(NEC)委員長やヤルデニリサーチのヤルデニ氏のように労働市場が雇用統計が示すほど悪化していない可能性も示唆された。

 

米国市場では11月消費者物価指数(CPI)が公表

11月CPIは前年比+1.1%、コア指数は同+1.5%とインフレ率は10月実績をやや下回る見通しとなっている。市場予想を下回る場合、FRBの金融緩和観測はやや強まり、ドル売り材料になりやすい。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.4%)
○16:00   10月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比▲6.5%)
        製造業生産高(予想:前月比0.3%)
○16:00   10月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:96.00億ポンドの赤字/1.56億ポンドの赤字)
○16:00   11月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比1.8%)
○16:00   9月トルコ失業率
○16:45   10月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
○17:30   11月スウェーデンCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
        コア指数(予想:前月比横ばい/前年比0.1%)
○18:00   7-9月期南アフリカ経常収支(予想:1980億ランドの黒字)
○21:00   10月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比6.7%)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   11月米CPI(予想:前月比0.1%/前年比1.1%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.6%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:72.5万件/533.5万人)
○11日03:00   米財務省、30年債入札
○11日04:00   11月米月次財政収支(予想:2000億ドルの赤字)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、11日まで)

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