FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米追加経済対策を巡る期待感から買い優勢

前日の米国株式相場が堅調だった流れを引き継ぎ、日経平均も朝方から上昇した。幅広い業種で買いが先行し底堅い展開が続いた。午後からも、アジア株やNYダウ先物がしっかりした動きとなったほか、米国の追加経済対策を巡る早期決着への期待感が支援材料となった。結局、前営業日比350円高の2万6817円と4日ぶりに大幅反発して終了した。12月4日申し込み時点の信用評価損益率はマイナス12.37%と前の週のマイナス12.35%からマイナス幅が0.02%悪化した。悪化は2週ぶりとなった。日経平均株価は上昇しているが、信用取引評価損利率は悪化傾向。

 

東京外国為替市場:英・EU通商協議の見極めで様子見ムード

ドル/円は、日経先物やアジア主要株価の動向を睨みながら、104.15円を挟んでもみ合いとなった。市場の関心は本日に予定されているフォンデアライエン欧州委員長とジョンソン英首相の通商協議に集中しており、内容を見極めたいとの雰囲気から積極的な売り買いは手控えられた。午後に入っても、104.10円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。日経平均は後場に一段高となったが、米追加経済対策を巡る協議に大きな進展が見られていないため、リスク選好の円売りは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国11月CPI成長率が11年ぶりにマイナス:豚価格の低下が影響

香港経済日報は、中国の国家統計局が9日発表した2020年11月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%低下し、2009年10月以来11年1カ月ぶりのマイナスとなった。これについて統計局の董莉娟・シニア統計師は、豚肉価格の下落で食品価格が10月の同2.2%上昇から2%低下に転じ、CPIを0.44ポイント押し下げたことが主因との見方を示した。と伝えた。

 

英EUの9日の対面会談に望み

英国とEUは離脱移行期間終了が約3週間後い迫る中、自由貿易協定(FTA)の合意に向け交渉を続けているが、8日も打開は見られず、英国のジョンソン首相は双方が『合意なき』離脱を受け入れざるを得ないとの見方を示した。EUバルニエ主席交渉官もEU閣僚会合で、FTAで合意できないまま年末に移行期間が終了する公算が高まっていると警告した。ジョンソン首相は9日にブリュッセルを訪問し、欧州委員会のフォンデアライエン委員長と直接会って、交渉を続ける。

 

ドイツはクリスマス前にコロナ制限措置の強化も

ドイツのシュパーン保健相は、新型コロナウイルスの感染抑制に向けて、行動制限などの措置を強化する可能性があると述べた。11月初めから導入している部分的なロックダウン(都市封鎖)や対人距離確保に関するルールは、感染の拡大ペースを鈍化させたが、拡大を止めるまでには至っていないとした。メルケル首相も7日、『冬を乗り切るには現在の対策では十分でない』と与党議員らに説明。制限措置の強化が必要との考えを示していた。保健相は、地元の放送局に対して『本当に効果が出るような、短期的かつ包括的なアプローチが、より望ましいのではないか』と指摘した。別の放送局は、ブランデンブルク州のウォイドケ首相の発言として、連邦政府と地方は今週、感染拡大を抑制するための制限措置強化について議論すると伝えた。

 

エルドアントルコ大統領がマクロンフランス大統領に噛みつくわけ

エルドアン・トルコ大統領は4日、『マクロン大統領はフランスのお荷物』だと発言し、『フランスは危険な時期にあり、一刻も早くマクロンが引き起こすトラブルから解放されることを願っている』と述べた。今週10-11日に開催される欧州連合(EU)首脳会議ではトルコに制裁を科すかどうかが話し合われるが、その前としてはいささか不適切な発言である。というのもマクロン仏大統領は対トルコ制裁に一番積極的だと言ってもよいからである。また、エルドアン大統領はマクロン大統領への批判と同時に仏製品のボイコットも呼び掛けている。仲の悪さは、トルコ大統領選を見据えた意味では、エルドアン大統領にとって都合が良いこともある。今、選挙に不利とされるエルドアン大統領が行おうとしていることは、民衆にとっての敵を外部に作り、その敵に向かって戦いを挑むことで人々に寄り添う姿勢を見せ、そして勝つことで強い大統領を印象づけることである。今後もトルコ大統領選に向けて、エルドアン大統領のマクロン攻撃は続く可能性が高い。

 

南ア市場では11月消費者物価指数(CPI)に注目

南アの7-9月期国内総生産(GDP)は、前期比年率+66.1%と市場予想の+52.6%と大きく市場予想を上回る結果となりランド買いが強まった。しかし、10-12月期は、一部地域で再開したロックダウンの影響などで、GDPが再び落ち込む可能性がある。本日注目されるのは11月の消費者物価指数(CPI)の発表である。10月は3.3%まで上昇し、南ア準備銀行(SARB)への利下げ圧力が後退した。2カ月連続で強い結果となった場合は、ランドの買い地合いが強いなか7円台をうかがう可能性もある。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独貿易収支(予想:185億ユーロの黒字)
○16:00   10月独経常収支(予想:210億ユーロの黒字)
○17:00   11月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比3.2%)
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.7%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   11月メキシコCPI(予想:前月比0.15%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○24:00   10月米卸売売上高(予想:前月比0.8%)
○24:00   10月米卸売在庫(予想:前月比0.9%)
○10日00:30   EIA週間在庫統計
○10日03:00   米財務省、10年債入札
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.00%で据え置き)
○ジョンソン英首相、フォンデアライエン欧州委員長と会談(ブリュッセル)

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