FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株安と米中貿易摩擦激化への警戒感から売り

前日のNYダウが420ドル安の大幅3日続落やトランプ大統領の鉄鋼・アルミ輸入制限方針による『米中貿易摩擦』激化への警戒感から景気敏感株への売りが膨らみ一時600円超に下げ幅を広げた。結局、前日比542円安の2万1181円と大幅3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:黒田日銀総裁の初心聴取時の発言受け円買い

ドル/円は、午後に日経平均株価が下げ渋ったことで106.10円台付近まで下値を切り上げる場面も見られたが、戻りの鈍さを確認すると再びドル売りが優勢になり、106円台割れとなった。一部では黒田日銀総裁の初心聴取時の発言が『2019年度頃に出口を検討していることは間違いない』との見解を示したことも材料視され、一時105.75円まで下押しが進んだ。ユーロ/ドルは、1.2280ドルを挟んで方向感の乏しい展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

来週から全人代開催:成長率は前年と同じ6.5%前後の予想

中国の全国人民代表大会(全人代)が5日から北京で開幕する。今年の政策目標を設定するとともに、金融リスクや大気汚染、過剰生産能力の抑制に向けた計画の詰めを行うなど中国経済にとって重要な場となる。期間は約2週間となる。今年の全人代は、有識者が中国経済見通しへの懸念を強めつつある中で開催される。17年の成長率は市場予想を上回り、エコノミストの間では18年の成長率見通しを引き上げる動きもある。市場では今年の成長率目標について、昨年と同じ6.5%前後に設定されるとの見方が優勢となっている。

 

高関税で中国との貿易紛争懸念は過剰反応か

トランプ大統領が、鉄鋼やアルミ業界首脳との会合で来週にも高関税を課す方針を示したことが伝わり、米国の保護主義懸念・中国との貿易紛争が警戒されて米国株が大幅安となった。ただ、中国との貿易紛争に発展すると考えるのは時期尚早である。アメリカ合衆国商務省国際貿易局(ITA)によれば、2017年9月時点の米国の主な鉄鋼輸入国で上位10の国が輸入量の78%を占めていた。国別で最も輸入が多かったのは韓国(10%)で、これにメキシコ(9%)、ロシア(9%)と続く。日本は5%で、中国は11番目とは言え、既に米国にとって主要な鉄鋼輸入国ではない状況となっている。

 

米新車販売台数は2ヵ月ぶりの減少

米調査会社オートデータがまとめた2月の米新車販売台数は前年同月比2.4%減の130万2128台だった。減少は2ヵ月ぶりとなった。市場予想の▲4.1%減は上回った。季節調整値を年率換算した販売台数は1708万台と2.1%減少だったが、市場予想1680万台は上回った。

 

パウエルFRB議長の上院証言はタカ派姿勢後退

パウエルFRB議長は3月1日に上院銀行委員会で議会証言を実施した。議長は、労働市場の一部で依然たるみが存在する可能性を指摘し、『決定的な賃金上昇を示す強い証拠はみられない』と、前日に見せたタカ派姿勢を緩和させた。また、経済も現状で『過熱している兆候はない』としたほか、インフレ起こさずに労働市場がさらに改善することは可能だと述べた。パウエル議長は2月27日に行われた下院の議会証言で昨年12月以降経済が一段と強まったとの見解を明らかにし、2018年の利上げが3回以上になる可能性を示唆した。証言を受けて、米長期金利は上昇、金利の上昇を警戒した株式市場は下落した。このため、市場ではパウエル議長が2日目の証言で果たしてタカ派姿勢を維持するかどうかに注目が集まった。

 

欧米イベント

○16:00   1月独小売売上高指数(予想:前月比0.7%)
○16:00   1月独輸入物価指数(予想:前月比0.4%/前年比0.7%)
○17:10   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   2月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○19:00   1月ユーロ圏PPI(予想:前月比0.4%/前年比1.6%)
○19:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○22:30   12月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
10-12月期カナダGDP(予想:前期比年率2.0%)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:99.5)

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