FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国での大きな政策転換はなさそうだとの楽観的な見方

米大統領選挙について強い不透明感があるものの、前日の米国株式市場が大きく上昇したことを受けて、朝方から上値を追う展開となった。上院選で民主党の過半数獲得が厳しい情勢となっていることから、議会でこう着状態が続き大きな政策転換はなさそうだとの楽観的な見方が高まった。結局、前営業日比410円高の2万4105円と3日続伸して終了した。一方、信用評価損率は10月30日申し込み時点でマイナス15.4%と、前の週(マイナス12.62%)からマイナス幅が2.78ポイント悪化した。悪化は3週連続となる。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強い中じわりと円高

ドル/円は、米長期金利の低下で、日米金利差縮小を意識したドル売り・円買いが優勢となり104.22円付近まで下落した。午後は、米大統領選の最終結果を見極めようという市場参加者が多く、104.30円付近でこう着相場となった。トランプ大統領が激戦州の集計方法に対して、法的闘争を辞さない構えを示していることも、様子見ムードに拍車をかけている。ユーロ/ドルは、オフショア市場での元高・ドル安が波及し、1.1740ドル付近へじり高となった。

 

米大統領選でバイデン氏勝利なら南ア経済にとっては良い

南ア国内ではバイデン氏が勝利した場合の方が、南ア経済にとっては良いとの意見が多数を占めている。トランプ政権時ではアフリカに対する投資や貿易が縮小していたことで、バイデン政権はランド買いの一因との声も出ている。

 

積極的にトルコリラを買い進め鵜のも難しい状況

注目された米大統領選挙では民主党候補のバイデン前副大統領が政権奪還に近づいているが、開票作業は続いており、選挙結果が確定するまでは時間がかかりそうである。次期米政権が決定するまで暫くは、米側のトルコへの対応も緩くなる。しかしながら、トルコを取り巻く懸念材料『実質金利マイナス、外貨準備高枯渇、新型コロナによる経済ダメージ、ナゴルノ紛争に絡むロシアとの溝の広がり、仏・ギリシャとの関係泥沼化、サウジなどのトルコ製品ボイコット』は多く、積極的にトルコ投資・リラ買いを進めるのも難しい状況である。

 

米上院選では共和党が多数うを維持する見通し

米大統領選と同時に実施された上院選では、共和党が多数派を維持する見通しとなっている。メーン州で、共和党現職のスーザン・コリンズ氏が、民主党のサラ・ギディオン氏に予想外に勝利したほか、勝敗が決まっていない他の複数州でも共和党現職が民主党候補をリードしている。上院では現在、定数100議席のうち共和党が53議席で過半数を占める。大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利すれば、カマラ・ハリス氏が副大統領として上院議長を兼ねることから、民主党が上院の過半を握るには今回の改選で共和党から3議席を奪う必要がある。バイデン氏がトランプ氏に敗北すれば、4議席が必要になる。

 

市場では米大統領はどちらでもいい状態でリスク選好

昨日トランプ米大統領が『勝利宣言のようなもの』を行ったと思いきや、本日東京時間朝方には、逆にバイデン候補が『とりあえずの勝利宣言』を表明した。政権移行サイトのウェブ上でも公開する動きとなっている。市場では『何とか4日中に白黒ついて欲しい』との希望的観測はあったが、その願いも消えている。現状では『今月中には』とか『年内には』といった希望的観測に変わりつつある。ただ、市場では、米国株が大幅続伸するなど、『上院で共和党が過半数を維持する可能性が高まった』ことのほうに注目が集まった。『バイデン米政権が誕生しても、上院で増税をある程度阻止できる』といった『いいとこ取り』の解釈に変わっている。結局は、市場では『大統領はどちらでもいい』との、究極の無責任な動きとなっている。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合最終日

前回のFOMC後に公表された声明では、インフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となることを目指すとの見解が表明された。雇用の最大化も目標としている。今回は政策金利の現状維持が予想されているが、この2大目標を達成するために、必要に応じて追加緩和策が検討される見込みとなっている。ハト派姿勢が協調された場合、ドル買い意欲を弱める要因となりやすい。

 

欧米市場イベント

○15:45   10月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲14.5)
○16:00   9月独製造業新規受注(予想:前月比2.0%/前年同月比▲1.2%)
○16:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8450億ポンドに引き上げ)
○16:00   MPC議事要旨
○16:00   英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○17:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、記者会見
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:30   10月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:55.0)
○19:00   9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲1.0%/前年比2.8%)
○19:00   欧州連合(EU)、経済見通し発表
○20:40   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21:30   10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比5.6%)
○22:30   7-9月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比▲11.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:73.2万件/720.0万人)
○23:15   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○24:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○6日00:10   シュナーベルECB専務理事、講演
○6日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○6日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

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