FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米大統領選挙の開票状況で一喜一憂でも堅調推移

前日の米国株高やNYダウ先物での堅調な動きを手掛かりに大幅続伸してスタートし、一時502円高となったものの、その後はNYダウ先物が失速したことを受けて伸び悩んだ。米大統領選挙の開票状況で一喜一憂する展開となった。結局、前営業日比399円高の2万3695円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米大統領選の開票結果をながめながらやや円売り優勢

ユーロ/ドルは、NYダウ先物が一時の400ドル超安から280ドル超高まで急反発するにつれて、1.1603ドルを底値に1.1680ドル台まで下値を切り上げた。なお、米大統領選は激戦区のオハイオ州やフロリダ州でトランプ米大統領が勝利をおさめ、市場ではトランプ氏の再選が濃厚とのムードが広がっている。米大統領はツイッターで『今晩声明を発表する』『彼らは選挙を盗もうとしており、それを許さない』と述べたほか、バイデン候補は『我々は選挙に勝利する軌道に乗っていると信じている』などの声明を発表している。 

 

ドル/円は、米大統領選の開票が進む中で、フロリダなどの激戦州でトランプ氏が予想外に善戦していることが伝わると、リスク回避目的で人民元や欧州通貨に対してドルは急激にに買い戻された。ドル/円はこの流れが波及して上値を試す展開となり、104円半ばから一時105.34円付近まで上昇した。午後は、人民元が対ドルで下げ止まったことや米長期金利急低下をながめ、104.75円付近へ下落した。しかし、米大統領選の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の大幅高やNYダウ先物の底堅い動きをながめ、105.00円付近へ値を持ち直した。

 

欧州のコロナ感染拡大は南アの自動車産業への影響も

南ア国内の問題では、欧州のロックダウン再開が南ア自動車産業に与える影響が懸念されている。11月2日に南ア自動車製造用者協会の発表した新車台数は前年比で-25.4%となった。南アの自動車製造業は南ア国内の製造業生産高の27.6%も占め、しかも自動車輸出の4分の3が欧州であるため、南アにとってはネガティブな要因として中期的に響く可能性がある。

 

トルコは依然として高い物価水準がリラの重石

10月トルコ消費者物価指数(CPI、前年同月比)は11.89%と市場予想にほぼ沿った結果だったが、依然として高い物価水準を維持している。また、同月生産者物価指数(前年同月比)が18.2%と前回14.33%を大きく上回り、昨年8月以来の水準まで上昇し、今後の更なるインフレ悪化を示唆した。

また、米大統領や議会選挙の開票を眺めながら神経質な動きとなる。もし民主党のバイデン元副大統領が新大統領となれば、(バイデン氏が過去に強くエルドアン大統領を非難していることから)より厳しいトルコ制裁が課される懸念が高まり、リラ・ネガティブと捉える市場参観者も多い。

 

米議会の『ねじれ』が政治的混迷を深める

株式市場はある程度バイデン氏の勝利を織り込んでいると言われているが、一番懸念されるのはねじれである。特に下院は民主党の優位は変わらないことで、上院がどうなるかによる。バイデン氏が大統領選挙に勝利し、上院が共和党が勝つ、その逆にトランプ氏が勝利し、上院は民主党というのが一番混迷を深める可能性が高い。また、今回の米大統領選挙ほど結果が判明するのに時間を要し、その結果を敗者が素直に受け入れにくい選挙はない。郵便投票の必着日も州によって異なる。一番遅いワシントン州では今月23日まで有効となる。激戦州のノースカロライナ州やペンシルバニア州ですら6日着も有効とされている。政治的な空白を呼ぶ場合には、堅調な動きを続けている株式市場に水を差す可能性が高まる。どちらかの候補が敗北を認めるまでは、神経質な値動きが続く。

 

米国雇用の失業率は低下したものの大幅な雇用喪失のまま

米国の失業率は、2020年1月は3.6%、2月は1969年以来の低水準3.5%まで低下していたが、3月には4.4%へ上昇し、4月は新型コロナウイルス感染を受けて14.7%まで上昇した。その後、5月13.3%、6月11.1%、7月10.2%、8月8.4%、9月7.9%と低下傾向にある。非農業部門雇用者数は、4月に新型コロナウイルス感染拡大を受けて、▲2078.7万人を記録したが、5月以降は改善傾向にある。しかしながら、2020年の非農業部門雇用者数は、▲1027.8万人と大幅な雇用喪失のままとなっている。

 

欧米市場イベント

○17:45   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:50   10月仏サービス部門PMI改定値(予想:46.5)
○17:55   10月独サービス部門PMI改定値(予想:48.9)
○18:00   10月ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:46.2)
○18:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:30   10月英サービス部門PMI改定値(予想:52.3)
○19:00   9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比▲2.4%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   10月ADP全米雇用報告(予想:65.0万人)
○22:30   9月カナダ貿易収支(予想:26.0億カナダドルの赤字)
○22:30   9月米貿易収支(予想:638億ドルの赤字)
○23:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○23:45   10月米サービス部門PMI改定値(予想:56.0)
○23:45   10月米総合PMI改定値
○24:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:57.5)
○24:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○5日00:30   EIA週間在庫統計
○欧州連合(EU)財務相理事会
○英中銀金融政策委員会(MPC、5日まで)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○米国がパリ協定から離脱
○ロシア(民族統一の日)、休場

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