FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:配当権利付き最終売買日で底堅い展開

前週末の米国株式市場の上昇を受けて朝方で始まった後、伸び悩む場面もあった、取引時間中を通じてプラス圏で推移した。配当権利付き最終売買日ということもあり、配当権利取りの動きや再投資への思惑が出やすかった。結局、前営業日比307円高の2万3511円と続伸して終了した。海外投資家の9月第3週(14日~18日)では、5275億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。

 

東京外国為替市場:月末絡みのドル売りで若干の円高地合い

ドル/円は、本邦輸出勢などから月末に絡むドル売り・円買いフローが通常より多く持ち込まれ、105.32円まで下落した。米国でギンズバーグ連邦最高裁判事の後任人事を巡り、与野党の対立が激化するとの懸念が燻っていることもドルの重石となった。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.30円を挟んでもみ合いとなった。29日の米大統領候補による第1回テレビ討論会を前に、様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南ア国内の問題は依然として深刻なまま

南アの国内の電力負荷制限は、9月時点ですでに昨年(1352ギガワット)以上の数値(1383ギガワット)を記録していることなどをみても、南ア国内の問題は依然として深刻なままである。今までは低金利による堅調な株価がランド/円を支えていたが、もし先週のような株安に再び直面した場合は、ランド/円は最安値をトライする方向へ進む可能性も出てきている。また、幾度となく発表の延期を繰り返した4-6月期の失業率が29日に発表される予定である。市場では1-3月期の30.1%から35%程度に上昇すると予測されている。若年層に限ってはすでに50%程度の失業率を記録しているが、若年層の数値も注目される。また30日には8月の消費者物価指数(CPI)と貿易収支も発表される予定である。

 

トルコの近隣諸国で地政学リスク高まりリラの重石

トルコの近隣諸国であるアルメニアとアゼルバイジャンが27日、長年の係争地・ナゴルノカラバフを巡り軍事衝突したことが報じられた。トルコはアゼルバイジャンと強い友好関係を築いている一方、国境を接するアルメニアとは歴史的な問題を抱えている。今回もアゼルバイジャン支持に回ることは確実であり、南コーカサス地方の地域紛争を更に悪化させることもあり得る。新たな地政学リスクの高まりが通貨リラの重石となる。

一方で、東地中海を巡る領有権争いでは、これまで軍高官レベルで話し合いを続けてきたトルコとギリシャが『外交協議を近い将来に再開する』とし、軍事衝突という最悪な事態は避けられる見込みとなった。もっとも、キプロスが欧州連合(EU)に対してトルコ制裁を頑なに訴え続けており、週末に開催予定のEU首脳会議への警戒感は拭いきれない。

 

トランプ大統領が最高裁人事を急ぐ理由

トランプ大統領は、亡くなったギンズバーグ最高裁判事(リベラル派)の後任に、保守派の女性を指名する意向を示している。2016年の米大統領選挙では、スカリア最高裁判事の急逝を受けて、保守派の判事を指名することを公約にしていた。今年も11月の米大統領選挙に向けて、最高裁判事9名中、6名の保守派判事を誕生させることで、再選の可能性を高めようとしている。トランプ大統領が最高裁人事を急いでいる理由は、大統領選が僅差となり、2000年の『ブッシュ対ゴア』の選挙におけるフロリダ再集計のように、最終的な当落判断が最高裁に持ち込まれる可能性があることで、保守派6名対リベラル派3名にしたいという思惑がある。

 

米大統領選のテレビ討論会始まる

11月3日に米大統領選挙が残り1ヵ月ほどに迫る中、29日にトランプ大統領と民主党バイデン候補が初のテレビ討論会に臨む。テレビ討論会は合計3回予定されており、2回目は10月15日、3解明は22日に行われる予定となっている。また、10月7日には副大統領候補の討論会も開かれる予定となっている。

3つの討論会はすべて米東部時間の21時に始まり、90分間中断なく続く予定となっている。

第1回討論会は、両候補の経歴、連邦最高裁、新型コロナウイルス、経済、人種や暴力、選挙の公平の6つのテーマに関して15分間、6回に分けて行われる予定となっている。

なお、第1回目の司会を務めるウォーレン氏は保守系ニュースチャンネルのFOXの司会者にも関わらず、トランプ氏に批判的な人物だと言われている。

 

米8月耐久財受注速報値予想下回るも設備投資は順調

米商務省が発表した8月耐久財受注速報値は前月比+0.4%となった。伸びは7月+11.7%から鈍化し予想+1.5%も下回りマイナスとなった4月来で最小。自動車や軍事関連機材の受注が減少した。変動の激しい輸送用機を除いた8月耐久財受注速報値は前月比+0.4%。伸びは7月+3.2%から予想以上に鈍化。やはり4月来で最小。ただ、国内総生産(GDP)の算出に用いられる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)出荷は前月比+1.5%と、伸びは7月+2.8%から鈍化したものの予想+0.8%を上回った。また、設備投資の先行指標となるコア資本財の受注は+1.8%。7月+2.8%から鈍化も予想+1.0%を上回った。

 

欧米市場イベント

○18:30   8月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比2.1%)
○18:45   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00   8月メキシコ貿易収支(予想:40.50億ドルの黒字)
○20:00   8月メキシコ失業率(季節調整前、予想:5.8%)
○22:45   ラガルドECB総裁、議会証言
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○29日03:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ