★日経平均株価:円高進行一服で底堅い展開が継続
22日の米国株式市場は反発したものの、東京市場は連休中の米国市場の軟調な動きを消化する展開となった。ただ、外国為替市場ではドル/円が105円台での推移となるなど、円高進行が一服した。そのため、日経平均は大きく崩れることなく推移し、市場では底堅いとの声も聞かれた。結局、前営業日比13円安の2万3346円と小幅反落して終了した。
★東京外国為替市場:上値は重いが105円台を維持
ドル/円は、4連休明けとなる国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、105.20円付近まで上昇した。欧州景気の先行きを警戒したユーロ安・ドル高が波及した面もあった。しかし、今晩の米国株価動向やFRB当局者の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、米国で追加経済対策を巡り、与野党の協議が難航していることから、利食い売りなどに105.05円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.10円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、夕方に発表される独やユーロ圏の9月購買担当者景気指数(PMI)速報値を控えて様子見ムードが広がり、1.16ドル台後半で小動きに終始した。
★トルコとギリシャの協議が外交レベルでの会談に進展
トルコへの制裁が協議される予定だった欧州連合(EU)首脳会議だが、開催が24-25日から来月1-2日に延期されることになった。ミシェルEU大統領の警備担当者の1人が新型コロナウイルスに感染したことが延期理由とされている。1週間程度の延長ではあるが、トルコにとって状況を少しでも改善することができるかもしれない。というのも、東地中海の領有権を巡り対立しているトルコとギリシャが、これまでの軍高官レベルの技術的協議から外交レベルでの会談に進展する見込みとなった。急速な歩み寄りは期待でないが、EUの反トルコ姿勢を少しでも緩めるきっかけとなる可能性は出てきた。
★欧州の感染拡大及び規制強化は南アにも大きな痛手を受ける
この2週間でフランスは12万4千人以上、英国は4万7千人以上、スペインは8万7千人以上の新型コロナウィルス感染者を記録している。英国の科学者はこのままの状況だと10月中旬には、英国だけで1日で4万9千人の感染者を記録すると警告している。欧州の感染拡大及び規制強化は、南アの観光業や輸出企業に大きな痛手を受けることで対岸の火事ではいられない。また、フィンセン文書の影響もあり、多くのファンド勢が11月決算前に株の利食い売りも散見される可能性も高った場合は、株安が新興国通貨にとってはマイナスになる。
『フィンセン(FinCEN)』とは、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク(Financial Crimes Enforcement Network)を意味する。マネーロンダリング(資金洗浄)などの米ドル建ての不審な取引については、アメリカ国外でのものであってもフィンセンへの報告が義務付けられている。
『不審行為報告書(SAR:Suspicious Activity Reports)』とは、このような不審な取引を記録した文書を指す。金融機関は顧客が不審な動きをしていた場合にSARを作成して、米財務省に報告する。
★フィンセン文書の影響は米系ファンドの株売りにつながる可能性も
フィンセン文書は欧州系の金融機関の問題が昨日は取り上げられ、HSBCの株価は25年ぶりとなる水準まで下落した。ただし米JPモルガンも米連邦捜査局(FBI)の『10大重要指名手配犯』の1人に送金をしていたことも判明していることで問題は根深い。今後この文書がパナマ文書やパラダイス文書のように闇に葬られ、市場のトピックにならなくなる可能性は否定できないが、米系ファンドの多くが決算を迎える11月末までは利益確定の株売りが上値を抑える可能性もあるかもしれない。
★米連邦最高裁の後任人事を巡り米景気先行き不透明感が強まる
米連邦最高裁ルース・ギンズバーグ判事の死去に伴う後任人事を巡る米与野党攻防の激化が追加経済対策の協議停滞へと波及し米景気先行き不透明感を強めている。
トランプ大統領は25日にも後任候補を指名するが、共和党上院トップのマコネル院内総務などは保守系判事の指名に拘泥している一方で11月3日の大統領選前の指名には民主党中心に反対が多く、判事の人事を巡る与野党攻防が激化すると懸念される。
そのとばっちりを受けるのが追加経済対策の与野党協議であり、市場はすでに1.5-2.0兆ドルの追加財政支出を織り込んでいただけに、失業給付上乗せ延長や追加現金給付が承認されず、零細事業や州政府への追加財政支援がないまま議会が9月末に休会すれば、従来、20%成長が予想された米10-12月期GDP成長率が10%に減速しかねない。
★米国市場ではマークイット9月生傍証購買担当者景気指数(PMI)
8月実績は53.1と2ヵ月連続で景況拡大と悪化の節目を上回っており、製造業の景況感は回復基調にある。新型コロナウイルスの感染流行は終息していないものの、経済活動は一定水準を維持しており、雇用情勢は改善しつつあることから、9あg津は8月実績に近い数値になると予想される。
★欧米市場イベント
○15:00 10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲1.0)
○16:15 9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.5)
○16:15 9月仏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○16:30 9月独製造業PMI速報値(予想:52.5)
○16:30 9月独サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○17:00 9月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:51.9)
○17:00 9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:50.5)
○17:30 9月英製造業PMI速報値(予想:54.0)
○17:30 9月英サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○19:00 デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00 MBA住宅ローン申請指数
○22:00 7月米住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○22:00 メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:45 9月米製造業PMI速報値(予想:53.5)
○22:45 9月米サービス部門PMI速報値(予想:54.7)
○22:45 9月米総合PMI速報値
○23:00 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、下院特別小委員会で新型コロナウイルスについて証言
○23:30 EIA週間在庫統計
○24:00 エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○24日01:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○24日02:00 米財務省、5年債入札
○24日02:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○24日02:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24日03:00 クオールズFRB副議長、講演
○24日04:00 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
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