FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:戻り待ちの売りで上値の重い展開

前日の米国株高を受けて寄り付きは3桁の上昇となった。ただ、高く始まった後は短期的な過熱感を意識した売りも出て、伸び悩む展開となった。良好な外部環境を好感しつつも上値は重く、じわじわと上げ幅を縮めた。しかし、2万3200円を割り込むかというところでは、盛り返す動きも見られた。日経平均とは対照的に、マザーズ指数は寄った後も上げ幅を広げる強い動きを見せている。結局、前営業日比109円高の2万3247円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:106.05円を挟んだもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、106.13円付近まで上昇した。ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル高が波及した面もあった。ただ、前日の海外市場でつけた106.15円が上値目処として意識されると、上げは一服した。その後は、ペロシ米下院議長が新型コロナウイルスの対策について『民主党とホワイトハウスとの間には、引き続き深刻な認識の違いがある』との見解を示したことがドル売りを誘い、106.05円前後でもみ合った。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.05円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、前日に伝わったレーンECB専務理事のユーロ高けん制発言を手掛かりとしたユーロ売りが一服、1.1905ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。

 

中国の外交攻勢は目立った成果上がらず

中国は欧州との関係を改善して米国の影響力に対抗するため、外交攻勢を強めているが、これまでのところ目立った成果は上げられずにいる。王毅外相は2週間にわたる欧州訪問の最終行程に入った1日、ドイツを訪問した。だが、より友好な関係にある国々からも、懐疑的な反応が示されている。外交政策専門家によると、米国では大統領選の結果がどうあれ中国に対して友好的な政権が生まれる公算が小さい中、中国は米欧による対中共同戦線の構築を先回って阻止しようと躍起になっている。

 

大型ハリケーンのメキシコ経済への影響も限定的

大型ハリケーン『ローラ』のメキシコ湾上陸により、同湾周辺の石油施設の従業員が一時的に避難していたが、徐々に業務に復帰し、国内最大となるヒューストン港は通常の状態に戻ってきている。国内生産の17%を占める同湾での生産ストップがメキシコ経済の打撃になるとの懸念が浮上していたが、どうやらそこまでのダメージにはならない模様である。

 

トルコとギリシャで偶発的な軍事衝突リスク高まる

東地中海のエネルギー資源探査を巡るトルコとギリシャの緊張が高まるなか、トルコは探査期間の延長を発表した。一方、ギリシャがトルコ近海の島に軍隊を上陸させたとも伝わり、それに対してチャウショール・トルコ外務相は『限度を超えた武装化がなされれば、損失を被るのはギリシャ』と強い口調で反発している。互いに歩み寄る姿勢を見せる様子はなく、偶発的な軍事衝突への懸念は強まるばかりであり、今後も地域動向には注視する必要がある。ギリシャを支持するフランスのトルコに対する強硬姿勢も気になるところである。

 

米国製造業はV字回復基調も救済策途絶え鈍化の可能性も

民間マークイットが発表した8月製造業PMI改定値は53.1と、予想外に速報値53.6から下方修正も2019年1月来で最高を記録した。輸出が4年間で最大に拡大し新規受注の強い伸びにつながったことが全体指数を押し上げた。 また、全米の製造業活動を判断する上で注目される米供給管理協会(ISM)が発表した8月ISM製造業景況指数は56.0と、7月54.2から予想以上に上昇し2018年11月来の高水準となった。3月から5月にかけて50割れとなり活動が縮小したのち、3カ月連続で50を回復し、活動が拡大した。重要項目である新規受注は67.6と、7月の61.5からさらに上昇し、2004年1月来で最高を記録した。ただ、8月の強い製造業の結果も、政府の追加パンデミック救済策が途絶えたため、勢いが再び鈍化してしまう可能性も除外できない。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○15:00   7月独小売売上高指数(予想:前月比0.5%/前年比4.1%)
○18:00   7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比▲3.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   8月ADP全米雇用報告(予想:95.0万人)
○21:30   4-6月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比6.5%)
○22:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ラムスデンBOE副総裁、ブリハ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00   7月米製造業新規受注(予想:前月比6.0%)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:30   ブロードベントBOE副総裁、ホールデンMPC委員、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○3日01:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、討議に参加
○3日02:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○3日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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