FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:新規材料の乏しく午後から下げ幅拡大

東京市場休場だった12日のNYダウが400ドル超続伸し投資家心理が改善して値がさ株に買いが先行し、前週2000円近く下げた反動による値ごろ買いやボラティリティ低下による買いに上げ幅を広げた。午後になると、新規材料に乏しく先週の株式相場の乱高下で損失を被った投資家の買い手控えや戻り待ちの売りに押され引けにかけて下げ幅を広げた。結局、137円安の2万1244円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い

ドル/円は、一時300円近く上昇した日経平均株価が170円超安まで一転下落し、リスク回避のドル売り・円買いが活発化した。市場では『春節を控えてアジア系ファンドの円買い・日経平均売りが観測された』との指摘もあり、108.21円まで下げ足を速めた。ユーロ/ドルは、ドル/円の下落や米長期金利の低下などを支えに1.2319ドルまで上げた。

 

豪州金融業界のスキャンダルが豪ドルの重しに

豪州シドニー市場の株価指数は下落した。不正が発覚した銀行業界の販売手法に関する政府主導の調査が始まったことを受け、金融株が下落を主導している。銀行業界を調査する政府の特別調査委員会『王立委員会』は、1年間の調査開始にあたって特にもうかる商品である住宅ローンの販売手法を詳しく調べると表明した。金利の不正操作やマネーロンダリング容疑などのスキャンダルが銀行業界を揺るがしている。豪銀各行は過去最高益を記録した数年間の後で収益の縮小に直面しているが、王立委員会の最終勧告は刑事訴追または民事訴追や規制強化につながる可能性がある。

 

VIX指数(恐怖指数)インバースの破壊力(ETF,ETN投資)

NEXT NOTE S&P500 VIXインバース(2049)の値段が一晩でマイナス96%になったことである。具体的には2月5日の終値が29500円であったのが、2月6日には値段がつかず、売買不能となった。2月7日にようやくついたと思ったら値段は1145円となり、その差額は▲28255円(マイナス96%)となった。しかも早期償還と言って、商品としての設定も打ち切りになってしまう。要するに戻り待ちも出来ずに、損失確定となってしまう。これと似た商品の運用リターンは平均して昨年1年間で180%に上がったこともあり、ゴルディロックス相場では有益な投資と見られていた。

 

WTI原油の買いポジションの減少と売りポジション増加

株式や商品など市場全般に下落調整となり、ヘッジファンドによるWTI原油価格上昇を見込む買越残高は、昨年8月以降で最大の落ち込みを示した。これにより、原油需要は拡大する供給を吸収するには十分ではないとの懸念が強まり、原油価格が週間ベースとしては2016年以降で最大の下落を示すきっかけとなった。原油先物価格は週間で6ドルあまり下げ、今年に入って初めて1バレル当たり60ドルを割り込んだ。米商品先物取引委員会(CFTC)によれば、ヘッジファンドによるWTIの先物とオプションの買越残高は、6日終了週に4.7%減少し47万2792枚となった。買いポジションが4.1%減少する一方、売りポジションは4週連続で増えた。ポジションの総計はここ3ヶ月で最大の落ち込みを示した。

 

海外投資資金が日本国債に向かう可能性も

ソシエテ・ジェネラルのレポートでは、『金利市場の弱気相場が始まった。クレジット市場も巻き込まれ、いずれは新興市場も同様に圧迫されるはずだ』とのリポートを顧客に配布した。『市場ではレジームシフトが起きている。つまり利回りがさらに上昇することを意味する』と説明している。さらに、金利正常化の動きで出遅れている中央銀行に支えられている短期の債券やインフレ連動債、日本国債で『ディフェンシブ』なポジションを取るよう推奨している。リスク回避に転じることで当面の利益を犠牲にするとしても、長期的には価値があるだろうと指摘している。

 

欧米イベント

○17:15   1月スイス生産者輸入価格
○18:30   1月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.6%/前年比2.9%)
小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.7%/前年比4.0%)
○18:30   1月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.3%)
○22:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○ブラジル(カーニバル)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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