FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定売りと円高を嫌気した売り優勢

前場は足元で買いが継続していた反動から利益確定売りに押される展開となった。外国為替市場で円高が進むと、輸出関連株中心の売りに加え、23日に17年4-12月期決算発表で利益予想を据え置いた安川電機の一段安などで、先物主導で徐々に下げ幅を拡大した。結局、前日比183円安の2万3940円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:総じてドル安継続

ドル/円は、109円台後半に下落した。世界的な株価や商品市況の堅調を受けたリスク選好の地合いに加え、米保護主義に対する警戒からドルがほぼ全面安となる中、4ヶ月ぶりに110円台を割り込んだ。円ショートが多いことから、その巻き戻し圧力がドルの重しとなっている。ただ、市場では『110.00円割れ水準では本邦長期資金などからドル買いが観測された』との指摘もあり、その後は一旦下げ渋る展開となった。ユーロ/ドルは、一時1.2335ドルと2014年12gつ18日以来の高値を付けた。買い一巡後はドル/円が下げ渋った影響から伸び悩む場面も見られたものの、総じて底堅い展開となった。

 

日本政府は早期にデフレ脱却宣言の可能性も

日本政府が23日に示した経済財政に関する中長期試算では、消費者物価上昇率の見通しを下方修正し、2%に達する時期を平静33年度に後ずれさせた。しかし、他の経済指標は改善しており、政府内からは上昇率が2%に達しなくてもデフレ脱却の判断は可能だとの声が上がる。安倍首相にとっては3選を目指す9月の自民党総裁選の追い風になるだけに、早期に脱却を宣言するのではとの観測も出始めている。

政府がデフレ脱却宣言をすれば、日銀の出口戦略への思惑も高まり円買い・ドル売りを支援することになりやすい。

 

欧州市場では1月ユーロ圏製造業PMI

参考となる12月実績は60.6となり、2ヶ月連続で60を上回った。ユーロ圏経済の持続的な成長が期待されていることから、製造業活動は拡大している。1月については12月実績をやや下回る見通しだが、3ヶ月連続で60を上回った場合、金融緩和の早期縮小への思惑が広がり、ユーロ買い材料になりやすい。

 

イタリア『五つ星運動』は主張を後退:3月の総選挙の選挙綱領

3月4日のイタリア総選挙に向けて、各種世論調査で支持率トップを走る反体制派政党『五つ星運動』は22日、20項目から成る選挙綱領を発表した。ユーロ圏離脱の是非を問う国民投票は盛り込まれなかった。『五つ星運動』はかつては国民投票を強硬に訴えていたが、最近では穏健派に配慮する形でその主張を後退させている。金融市場では、国民投票が行われればユーロの打撃になりかねないとして警戒感が強い。

 

選挙で『五つ星運動』が大勝すると、再びユーロ圏離脱の是非を問う国民投票の話が浮上する可能性は残る。

 

 

いよいよ動き出した米国の貿易制限

選挙中からトランプ大統領は税制改革を柱とした経済政策の一環として諸外国との不公正な競争に断固たる措置も辞さないとしてきたが、本格的な貿易制限に踏み切った。海外からの輸入された太陽電池パネルと家庭用大型洗濯機への関税賦課を決定した。アジア諸国、特に中国や韓国に照準をあてた貿易戦争を開始した。米通商代表部(USTR)は22日、米国が海外で製造されたソーラー設備に最大30%の関税を課すと発表した。海外から輸入された洗濯機に最大50%の関税を課す。ただ、ソーラー設備に対する関税率は、米国貿易委員会(ITC)が昨年10月に勧告した35%より低く設定された。いずれ日本にも矛先が向かう可能性が高く、為替市場にも影響を与えそうだ。

 

米国は例年1-3月は寒波の影響で減速傾向となりやすい

米経済は、失業率が過去最低水準に迫り、良好が想定されている。今週末の10-12月期のGDPも強い内容が想定されているが、例年1―3月は、寒波の影響が米経済を一時的に押し下げるケースが多い。今年1月も米国の東半分では強烈な寒波に襲われ各地で気温が過去最低を更新した。ボストンでは7日連続で最高気温がカ氏20度(セ氏マイナス6.7度)に届かず、100年ぶりの記録に並んだほか、NYの各空港も最低気温の記録を更新した。特に直近発表された地方経済指標は市場予想を下回っている。

・1月NY連銀製造業景況指数:結果+17.7、予想+18.0、前回+18.0

・1月ミシガン大学消費者信頼感指数:結果94.4、予想97.00、前回95.9

・1月リッチモンド連銀製造業指数:結果+14、前回+20

既に弱い数字が出始めていることには注意が必要となる。特に雇用に関しては悪天候から悪化する可能性も残る。

 

欧米イベント

○17:00   12月南アフリカCPI(予想:前月比0.5%/前年比4.7%)
○17:00   1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:58.6)
○17:00   1月仏サービス部門PMI速報値(予想:58.9)
○17:30   1月独製造業PMI速報値(予想:63.0)
○17:30   1月独サービス部門PMI速報値(予想:55.5)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:60.3)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:56.4)
○18:30   12月英雇用統計
○18:30   9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.3%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:00   11月米住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○24:00   12月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.9%/年率換算570万件)
○25日00:30   EIA週間在庫統計
○25日03:00   米財務省、5年債(340億ドル)入札
○25日06:00~   ゼネラル・エレクトリック(GE)第4四半期決算
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、26日まで)
○北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第6回会合(カナダ・モントリオール、29日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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