FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:北朝鮮情勢の報道を受け利益確定売り

前場は、前日の米国株高を好感したほか、経済産業省が生産の基調判断を22年ぶりに『持ち直している』に引き上げたことを好感した買いが入った。後場は北朝鮮情勢の報道を受けて1ドル=113円割れの円高を嫌気した先物への売りに加え堅調だったIPO銘柄への個人投資家の年末控えの利益確定売りが膨らみ下げ幅を広げた。結局、前日比127円安の2万2783円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避のドル安強まる

ドル/円は、米CNNの『北朝鮮がミサイル発射の準備か、初期の兆候を確認』との報道を受けて、リスク回避的な円買いが優勢になった。全般ドル売りが進んだ流れに沿ったほか、日経平均株価が170円超下落したことで一時112.76円まで下げ足を速めた。ユーロ/ドルは、午前からドル安の流れが継続し、一時1.1933ドルまで上値を伸ばした。

 

来年の中国経済の減速傾向には注意

資源国通貨は、中国経済との関係が強い。直近では中国経済の減速傾向が見えており、一部の報道では、2018年の中国GDPが、6.50%に減速するとの見通しも出ている。中国のPMIは、現在は景気の分水嶺となる『50』を上回っており、堅調維持となっている。しかし、工業生産、小売売上や資産投資など減速が強まっており、2018年の中国経済の減速傾向が、資源国通貨相場を圧迫するか注意が必要となる。

 

来年は米トランプ大統領の正念場

市場は米トランプ大統領に翻弄される展開となったが、来年も『ロシア・ゲート問題』の行方やイスラエル問題など、トランプ大統領の発言や行動で荒れる相場展開となりそうだ。トランプ政権の目玉となっていた税制改革法案が12月に議会を通過したが、これで目玉となる経済政策や方策は当面なく、一定の打ち止め感が出てくる可能性がある。米国では、中間選挙の年となり、一部では下院50%で民主党が議席を確保するとの指摘もあり、米国民が共和党から離れていく可能性がある。これ自体の為替に対する影響に関しては不透明であるが、アノマリーでは中間選挙の年は円高となりやすいことは警戒しておきたい。

 

米国市場では12月のシカゴ購買部協会・製造業景況指数(PMI)が公表

米国ではクリスマス休暇前に米議会で減税を含めた税制改革法案が米上下院で可決された。世界経済の回復や持高持続などもあり、景況マインドへのプラス効果が注目される。同じ12月製造業関連指数では、フィラデルフィア連銀、ダラス連銀などの調査指数で底堅さが見られた。しかし、シカゴPMIは9月以降、ハリケーン復興需要期待や自動車販売の復調などで大きく上昇してきた。その分だけ12月指標に関しては、反動原則のリスクも警戒される。

 

欧米イベント

○18:00   12月欧州中央銀行(ECB)月報
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:24万件)
○23:45   12月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:62.0)
○29日01:00   EIA週間在庫統計
○29日03:00   米財務省、7年債(280億ドル)入札

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