FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:終日方向感のない展開が続いた

前日の米国株安を受けて売られて始まったが、欧米長期金利の上昇を受けて収益拡大期待から金融株が変われたほか、商社など低PBRの割安株に買いが入りプラス圏を回復した。しかし、再びマイナス圏に沈むなど上値も限られるなど、方向感のない展開となった。結局、前日比23円高の2万2891円と小反発で終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は113円付近で売り買いの攻防

ドル/円は、113円付近で売り買いの攻防が続いている。日経平均株価がプラス圏を維持しているほか欧米株式先物上昇基調で推移しており、欧米市場での株高を見込んだリスク選好の円売りが観測されている。ただ、113円付近では利益確定のドル売りが強まっており、売り買い交錯している。米上院が税制改革法案を可決したことが伝わると一時113.07円まで値を上げた。ユーロ/ドルは、終日1.1845ドル付近でのもみ合いとなっており、欧州勢待ちの様相となっている。

 

20-21日に日銀金融政策委員会が開催:出口戦略への警戒感も燻る

日銀は11月に黒田日銀総裁が『金利を下げ過ぎると金融仲介機能に悪影響を与え、かえって金融緩和効果が減衰する』というリバーサル・レートに言及した。その直後から来年にかけての長短金利操作の弾力化や、株式ETFの買入れ減額などの出口戦略に警戒感がくすぶっている。21日にかけては緩和微修正の地ならしの警戒感がある。ただ、市場では11月の黒田日銀総裁の発言については、『あくまで追加緩和の強化思惑をけん制したもの』という見方が強い。記者会見では、改めて緩和堅持が強くアピールされる可能性もある。その場合は日本株の年末高期待もある。

 

21日スペイン・カタルーニャ州議会選:一層の混乱の可能性も

スペインのラホイ首相は、独立宣言後に同州での政治混乱の収拾のため、議会選挙実施に踏み切った。しかし、21日の州議会選では明確な勝者が生まれない公算が大きく、混乱は一層深まる様相となっている。世論調査によると、定数135議席のカタルーニャ州議会で独立を支持する3党が合計でわずかながら過半数を確保する見通しだが、独立政権を発足できる情勢ではない。7つの世論調査中央値ではスペイン残留支持派に対する独立派のリードは3ポイントでしかなく、第一党の座は残留はのシウダダノスが確保する見込みとなっている。

 

米国市場では11月の中古住宅販売件数が公表

先行指標となる中古住宅販売制約指数は10月のハリケーンの被害復興のため、8ヶ月ぶりの大幅上昇へと改善した。住宅ローン金意の低下や雇用の改善などが、米国の住宅市場の下支え要因となっている。11月の住宅着工件数の一戸建てが急増し、約10年ぶりの高水準に改善した。また、11月については、9月以降の改善の反動減速も警戒される。米国では住宅価格が値上がりしてきたほか、中古住宅は割安物件の減少や在庫不足なども問題になっている。そのため、中古住宅販売も改善ペースの鈍化は警戒される。

 

欧米イベント

○16:00   11月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○17:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.50%で据え置き)
○18:00   10月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、議会証言
○22:30   10月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○24:00   11月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.9%/年率換算553万件)
○21日00:30   EIA週間在庫統計

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