FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米生成改革案の成立期待から買い優勢

米税制改革法案の成立期待から先週末の米国株が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。先行観に伴う値がさハイテク株中心に買いが優勢となり上げ幅を300円超に拡大した。結局、前週末比348円高の2万2901円と5日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:全般薄商いで動意欠いた動き

ドル/円は、週明けは国内外から目立ったフローが見られないなど商いは薄く、112.65円前後でこう着相場となった。日経平均株価が大幅高となったものの、米長期金利が2.36%台でもみ合いとなったことで、積極的なドル買いは仕掛けにくい展開となった。ユーロ/ドルは、前週末安値の1.1749ドル前後を下抜けたが、売り一巡後はショートカバーの動きが強まり1.1764ドル前後まで下げ渋る展開となった。欧州勢参入待ちの様相がとなっており、1.1760ドル前後で動きが細った。

 

日銀の長期国債買入れは来年は縮小の見方:日銀も出口戦略へ

12月20-21日の日銀金融政策決定会合では、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額については、保有残高の増加額年間約80兆円を目処としつつ、金利操作方針を実現するよう運営すると現状維持が決定されると見られる。ただ、市場では来年には40兆円台まで減少すると予想するエコノミストは少なくない。今年は10日時点で約60兆円となっている。また、金融引き締めの手段としてゼロ%を操作目標とする長期金利を引き上げるとの見方もある。

 

米国長期金利は狭いレンジ内

米長期金利は、トランプ氏の大統領選勝利で膨らんだ李振れ期待が勢いを失い、米当局が金利ガイダンスを達成するなかで、1965年以来の狭いレンジで今年を終わりそうだ。米長期金利がなかなか上昇してこないのは、『長短金利のフラットニング』とか『長短金利に逆転の兆し』とか『米経済成長の鈍感の前触れ』といった論調が流れているが、単純に考えれば、『米国へ資金がは入ってきていて止まらない』と考えたほうが、理解しやすい。税制改革案の実現では、米国債の増発が余儀なくされるため、米国への資金流入が止まったときには、米長期金利の暴騰というリスクも徐々に高まっていく。

 

米税制改革案は将来的に赤字の爆発的拡大を引き起こす可能性

米企業が手元に留保する現金は過去最高の2兆3000億ドル(約260兆円)近くに達し、2001年の倍に積み上がっている。膨大な資金が投資に回されていないのは、税率とは全然関係がない。税制改革法案が賃金の急上昇と成長加速につながると共和党は約束してきたが、それは現実的ではないようだ。税制改革法案についての問題点は、①学校や生徒から予算を取り上げる、②インフラ投資の余地を限定する、③実質賃金を押し上げる効果はまったくなく、それどころか医療保険を一段と割高にする、④国防予算などを削減しなければ、メディケア(高齢者向け医療保険)や社会保障のコスト管理は一段と難しくなり、将来に赤字の爆発的拡大を引き起こしかねない。

 

欧米イベント

○19:00   11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.5%)
○22:30   10月対カナダ証券投資
○24:00   12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:70)

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