★中国経済指標:ほぼ予想通りで過度な悲観は後退
中国国家統計局が発表した11月鉱工業生産は前年同月比6.1%増となり、市場予想通りとなった。また、11月小売売上高は前年同月比10.2%増となり、市場予想の10.3%増を下回った。
景気動向は悲観するものではなかった。しかし、中国人民銀行は、オペ金利を引き上げるなど、中国での信用バブル抑制のための引き締め強化への懸念などから、今後の先行き景気動向は不透明感が漂っている。
★日経平均株価:円高を嫌気した売り優勢
外国為替市場で円高・ドル安が進んだことで、自動車株など大型株中心に売りが優勢となった。一方で、ハイテク株などには押し目買いも入ったため下値も限られた。結局、前日比63円安の2万2694円と3日続落で終了した。
★東京外国為替市場:ドルは終日小幅な動き
ドル/円は、112.60円付近で小動きの展開となった。FOMCが前日終わり、ECB定例理事会や英国中銀金融政策委員会があることで、やや模様眺めムードになっている。日経平均株価が軟調地合いだったが、米株式先物はプラス圏で推移し、米長期金利は2.36%台で横ばいとなるなど一方的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、午前に上値の重さを確認すると1.1824ドル付近まで小幅に値を下げた。英・欧中銀の金融政策会合を控えて様子見ムードが広がった。
★イタリアでは3月に総選挙を実施する可能性が高い
イタリア議会はクリスマスから新年を迎える間に解散され、来年3月4日に総選挙を実施する可能性が高い。関係筋によると選挙は3月11日の可能性もある。近く最終的な決定が下される予定。ジェンティローニ首相が年末恒例の記者会見を終えた後、マッタレッラ大統領は両院を解散することが確実視されている。首相会見は12月28日予定。議会は28日までに18年予算案を可決する見通し。新政府発足までジェンティローニ首相が職にとどまる。
再びイタリアの政治リスクが高まる可能性が高くなってきている。総選挙では、極右政党の動向がカギを握りそうな情勢となっており、同国で過去に台頭したファシズムの清算をめぐる議論も呼んでいる。
★欧州市場では英国中銀の金融政策委員会とECB定例理事会開催
英国中銀金融政策委員会では、11月に10年ぶりに利上げをしたことから、今会合では金融政策は据え置かれるとの見方となっている。声明ではEU(欧州連合)離脱に向けた先行き不透明感が与える影響や2018年の金融政策の展望が注目される。ECB定例理事会でも、背策金利は据え置きとなる見込みとなっている。また、10月の理事会で量的緩和である資産購入プログラムの規模縮小を決定している。2018年1月以降、国債や社債の購入額を付き600億ユーロから、月300億ユーロへと縮小する。ユーロ圏ではドイツやイタリアなどで政治的な不安感が残っている。そたのめ、中銀会合後の声明や会見などは、改めて慎重なペースでの出口戦略が協調される可能性がある。英欧中銀イベント終了という一旦の材料出尽くしもあり、ポンドやユーロに調整売りが入る可能性もある。
★米国市場では11月の小売売上高が公表
米国では11月の後半から年末商戦がスタートし、出足の好調さが報じられている。雇用のさらなる改善や株高による資産効果、米長期金利の低下による各種ローンの上昇抑制などにより、米国の消費には底堅さが期待される。また、11月はガソリン価格が上昇しており、全米のガソリンスタンドの売り上げにも下支え要因となっている。ただ、米国では根強い安売り競争が続くなか、年末商戦での消費を『年末年始までの値下げ待ち』まで後ずれさせるムードもあり、期待ほどには伸びない可能性も残る。
★欧米イベ/ント
○16:45 11月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%)
○17:00 7-9月期南アフリカ経常収支(予想:900億ランドの赤字)
○17:00 12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:57.2)
○17:00 12月仏サービス部門PMI速報値(予想:60.0)
○17:15 11月スイス生産者輸入価格
○17:30 スイス国立銀行(SNB)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30 12月独製造業PMI速報値(予想:62.0)
○17:30 12月独サービス部門PMI速報値(予想:54.6)
○18:00 12月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:59.7)
○18:00 12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○18:00 ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○18:30 11月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比0.3%)
○18:30 11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比4.9%)
○20:00 トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.00%で据え置き)
○21:00 英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00 MPC議事要旨
○21:45 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:政策金利を0.00%で据え置き)
○22:30 ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30 10月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数(予想:23万6000件)
○22:30 11月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.6%)
○22:30 11月米輸入物価指数(予想:前月比0.7%)
○24:00 10月米企業在庫(予想:前月比▲0.1%)
○15日02:25 ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○15日04:00 メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.25%に引き上げ)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、15日まで)
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