FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アラバマ州補欠選で共和党候補敗北でリスク回避の動き

前日の米国株式市場でハイテク株が下落したことを嫌気し、半導体関連株の下落が指数の下げを主導した。もっとも連日で銀行株が堅調推移した影響から下値も限られた。後場にはアラバマ州補欠選挙で共和党候補が敗北しトランプ政権への求心力低下を懸念した売りに下げ幅を160円超に広げた。結局、107円安の2万2758円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米補選の結果受け総じてドル売り優勢

ドル/円は米アラバマ州の上院補選で民主党が予想に反して共和党候補に勝ち、今後のトランプ政権による政策運営の不透明感からリスク回避的な円買いが強まった。ただ、その後は113円前半で下げ渋っているが、海外市場では補選の結果を消化する動きとなりそうだ。ユーロ/ドルは、米アラバマ州の補選結果が伝わると全般にドル安が進んだ流れに一時1.1762ドルまで上昇した。その後も底堅い展開となった。

 

欧州中銀(ECB)も量的緩和の早期打ち切り案が浮上

ECBでは欧州景気の堅調と購入国債の品薄を背景に国債大量購入の量的緩和早期打ち切り案が浮上してきた。これまでドラギ総裁は『期日を定めないオープンエンド』としてきたが、来年中の終了が良いとする理事会メンバーが増えている。債務を抱える南欧諸国のハト派とドイツなど北欧のタカ派のせめぎ合いが激化しつつある。クーレECB専務理事は『今回が最後の延長であってほしい』と11月下旬に独ハンデルスブラット紙に早期量的緩和終了の考えを打ちあけた。ドラギ氏の最側近のクーレ氏の突然の『反乱』だけに金融市場は動揺した。

 

FOMCを控えて:日本時間14日午前4:00発表

FRBはFOMCで本年最後の利上げを決定することがほぼ確実視されている。FOMCの材料となる最新のベージュブックでは全米の経済の成長が広範にわたり拡大していることが明らかになっている。また、11月雇用統計で、雇用が順調に伸びたことも確認済みとなっている。今回のFOMCでは、イエレンFRB議長が議長としての最後の会見を予定している。また、四半期ごとのFRBスタッフ予想も公表される。予想から2018年の利上げ軌道を探る。パウエル次期議長が率いる2018年のFOMCはタカ派に傾斜すると見られている。そのため、エコノミストのなかには、4回または5回の利上げ予想している。市場では、利上げに関しては織り込み済みとなっていおり、2018年の利上げペースも3回がコンセンサスになっている。そのため、4回以上の利上げとなると、サプライズ的な米長期金利上昇とドル買いにつながりやすい。

 

米国市場では11月の消費者物価指数(CPI)が公表

11月の生産者物価指数(PPI)は前年比+3.1%の上昇となり、2012年1月以来の大幅な伸び率となった。米国では11月にかけて、資源相場が上昇した。年初からのドル安の累積効果や、世界経済の回復などにより、CPIについても過度な物価の下振れは抑制される可能性がある。10月は前年比+2.0%、コア指数は同+1.8%とFRBの目標をほぼクリアしており、金利正常化の方針への期待は維持される見通しとなっている。

 

欧米イベント

○16:00   11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%)
○17:00   11月南アフリカCPI(予想:前月比0.1%/前年比4.7%)
○18:00   黒田東彦日銀総裁、あいさつ
○18:30   11月英雇用統計
○18:30   8-10月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比5.3%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   11月米CPI(予想:前月比0.4%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○14日00:30   EIA週間在庫統計
○14日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.25-1.50%に引き上げ)
○14日04:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○14日04:30   イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○英中銀金融政策委員会(MPC、14日まで)

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