FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:地政学リスクが重しに

米国株価の上昇を背景に150円超高まで買いが先行したが、一巡すると次第に方向感が出なくなった。北朝鮮ミサイル発射の地政学リスクが重しとなった。また、後場には半導体需要鈍化見通しに東エレクや信越化学など半導体銘柄が一段安となり相場全体の上値を抑えた。結局、前日比110円高の2万2597円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は111円台半ば付近でもみ合い

ドル/円は、111.66円まで上昇する場面があったものの、次第に上値が重くなった。『北朝鮮が日本時間12時30分に重大発表を行う』との報道が伝わるとリスク回避の売りも進み、一時111.43円付近まで下げた。午後は北朝鮮問題を受けた過度な懸念は後退し、日経平均株価のプラス圏推移を背景にリスク海浜円買いは一旦収束し、111円台半ば付近でもみ合う展開が続いた。一方で、中国株安や欧米株安観測に関しては、警戒が続き円買いが再燃する可能性も残る。ユーロ/ドルは、終日1.185ドル前後での動きとなり、欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州勢の北朝鮮情勢の地政学リスクの反応に注視

北朝鮮の弾道ミサイルの発射が、週中に実施されたが今までは週末早朝や週明け早朝が多かった。また、発射時間もNY市場クローズ後日本時間早朝6時前後が常となっていた。しかし、今回は日本時間早朝の3時過ぎと時間的にも異例となった。いつでも発射できることを証明したかったのか、それとも何か意図があるのは分からない。次は核実験となるが、韓国当局も北朝鮮の核実験の可能性の否定はできないという見解を示している。市場では北朝鮮情勢の地政学リスクを意識せざるを得ず、本日はドルの上値を抑えたほか、日本株も上値が重い展開となった。欧州時間を迎え、欧州勢の反応が注目される。

 

末尾7の付く年のアノマリーはあと2日で途切れる

1887年から過去13回、1度の例外もなく8月から11月にNYダウが強烈な下落を演じてきた西暦『末尾7の付く年』の株価波乱アノマリーはあと2日間で途切れる。1987年10月の1日で22%の暴落となった『ブラック・マンデー』、1997年のタイ・バーツ暴落に端を発したアジア通貨危機とよく円のLTCM破綻、2007年のパリバ・ショックに端を発した米住宅バブル崩壊と例外なく過去13回の『末尾7の年』は暴落相場が現出してきた。

 

米議会は12月8日までにつなぎ予算が必要:政府機関閉鎖の可能性も

トランプ政権による税制改革案実現への前進として米国株は大幅上昇したが、目前には重要な暫定予算と債務上限引き上げ期限が迫っている。米下院の関係者の話として12月8日までに2017-18会計年度(17年10月から18年9月まで)の予算法案を可決することが難しい状況で、法案を巡る議論は来年にずれ込む見通しと報じている。議会では共和党、民主党両党の指導部が今年度予算の全般的な水準を巡り、依然として対立しており、12月8日に政府機関の一部閉鎖を回避するためにはつなぎ予算が必要となる。

 

米国市場では7-9月期GDPの改定値が公表

7-9月にかけては企業による在庫の積み増しがあったほか、雇用改善や金利低下、ドル安の効果などで個人消費、設備投資などが底堅く推移している。ハリケーン被害対策などによる州政府、地方政府の財政支出もあり、小幅な上方修正が焦点になっている。速報値は前期比年率+3.0%だった。4-6月期に続いて3.0%台の成長を達成した。個人消費と企業設備投資は順調に推移し、全体の成長率を押し上げた。改定値については、速報値+3.0%から上昇修正される可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:45   10月仏消費支出(予想:前月比▲0.1%)
○16:45   7-9月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.5%)
○18:30   10月英消費者信用残高(予想:15億ポンド)
○18:30   10月英マネーサプライM4
○19:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:0.1)
○19:00   コンスタンシオ欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   11月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%)
○22:30   7-9月期米GDP改定値(予想:前期比年率3.2%)
○22:30   ダドリー米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○23:45   ラムスデンBOE副総裁、講演
○24:00   10月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比1.1%)
○24:00   イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長、議会証言
○30日00:30   EIA週間在庫統計
○30日02:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○30日02:45   ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○30日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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