FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:終日不安定な展開

前日の米国株が堅調に推移したことを背景い買いが先行した。海外投資が主力株に買いを入れ一時400円超高まで上げ幅を広げたものの、一巡後は1ドル=112円台半ばへの円高を嫌気して、海外短期勢の利食い売りが優勢となり急速に上げ幅を縮めた。一時マイナス圏まで下落する場面があったが、引けにかけては買い戻しが入った。結局、前日比45円高の2万2396円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:引けにかけてはドル買い戻し

ドル/円は、午前中に急ピッチでドルが売られた反動が出たほか、対オセアニア通過を中心にドルの買い戻しが入ったことを支えに112.60円台まで持ち直した。なお、日経平均株価は不安定な値動きとなったが、株価に対する為替相場の反応は限定的だった。ユーロ/ドルはお昼前に1.1821ドルまで上昇したが、その後は全般ドルの買い戻しが強まり上値が重くなった。

 

ロシアゲート報道を嫌気:ドル売りに反応

米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、2016年米大統領選へのロシア干渉疑惑を捜査しているモラー特別検察官の捜査チームが10月半ば、トランプ大統領の選挙陣営の幹部十数人に対し、ロシア関連の文書の提出を命じたと報じた。

この報道を受け短期勢がドル売りを始めた。市場では『別に今更』との印象をうけるものの、東京勢と海外勢の受ける印象がかなり違うのかもしれない。そのため、日経平均株価の大幅上昇にもかかわらず、早朝のオセアニア市場から戻りの鈍かったドル/円は一気にドル売りに振れた。

 

米リパトリ減税期待にリスク:2005年のようにはならない可能性も

トランプ政権の税制改革案は米下院で可決され前進は見られたものの、未だに不透明感が漂っている。特に為替市場ではレパトリ減税の行方が大きな焦点となる。2005年に、一年に限った時限立法で本国投資法が実施されたときに、一気にドル高となったイメージが先行している。現状では、この決定も、2018年からなのか、2019年からなのか、共和党の上下院で意見が分かれている。税率でも、下院は14%(現金・流動性資産)と7%(固定資産)、上院は12%(現金・流動性資産)と5%(固定資産)となっており、決定すれば一定のドル買いとなるとの思惑がある。ただ、2005年では、この税率は5.25%であり、上下院の案ではこの税率よりかなり高い。また、同時に20%の法人税減税が行われるなら、米企業が敢えて海外にある余剰・利益金を国内に持ち込むメリットは薄い。そうなると、2005年のようなリパトリ減税によるドル高は期待出来そうにない。

 

米国市場では10月の住宅着工件数が公表

参考となる9月の実績は前月比▲4.7%の113万戸となり、市場予想の118万戸を下回った。2つの大型ハリケーンを受けた被害などもあり、1年ぶりの低水準となった。その分だけ10月に関しては、テクニカルな反動回復が注目される。米国の10月指標では、年末商戦に向けた期待感などもあり、小売売上高や鉱工業生産などが予想を上回る強さを見せている。しかし、ハリケーン被害からの復興需要については、実際の動向に不透明感も強い。米国では金利の低下が一服となっているほか、建築労働者の人手不足、建設資材や住宅着工価格の上昇による住宅か買うの割高警戒などが覆っている。

 

欧米イベント

○17:30   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18:00   9月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○19:00   9月ユーロ圏建設支出
○22:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○22:30   10月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:119万件、前月比5.6%)
建設許可件数(予想:125万件、前月比2.0%)
○北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第5回会合(メキシコ、21日まで)
○欧州連合(EU)財務相理事会(ブリュッセル)

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