FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外勢の買いで大幅上昇

前日の米国株が下落や新興国金利上昇を嫌気した影響から小安く始まり、節目2万2000円を半月振りに下回った。ただ、25日移動平均線(2万1994円)を下値目処とみた、『海外勢から先物に買いが観測された』との指摘があり、一転して上昇基調となった。また、ドル/円が113円台回復の円安も好感され買い優勢となり上げは幅を広げた。結局、前日比322円高の2万2351円と7日ぶりに大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高と米長期金利上昇で円売り優勢

ドル/円は、仲値後はドル買い圧力が後退し113.03円から112.86円まで伸び悩んだ。しかし、トランプ大統領が『下院で明日重要な採決。減税に近づきつつある』と述べたことが買いを誘ったほか、日経平均株価の上げ幅を広げると113円台を回復した。日経平均株価が360円超高まで上げ幅を拡大したほか、米長期金利の上昇も相場を支えた。ユーロ/ドルは、終日1.1777-82ドル近辺でもみ合い相場となり、欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

中国から世界へ再びデフレ輸出か

15日の中国市場では、商品先物が大幅安となった。最大の消費国である中国の景気減速への懸念が背景にある。公式統計によると、10月の中国の鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高を下回った。大連商品取引所の鉄鋼石先物が4.2%安の1トン=446元で、5月24日以来のおおはあ安で取引を終了した。また、上海のニッケルは6%下落しリミット安となった。

 

11月30日のOPEC総会結果次第では下落リスクも

11月30日に開かれるOPEC総会が15日後に迫っている。原油価格を2年ぶり高値に押し上げる一因となった減産の延長について協議される予定だが、結果に不透明感が出ている。何故なら、サウジアラビアと共に産油国間の歴史的な協調の立役者となったロシアは、減産の期限が来年3月末であることを理由に、決定を急ぐ必要性について納得していないとされる。減産により余剰原油在庫がここ数ヶ月間に減少した点については市場関係者の間で同意があるものの、2018年の予想については大きく見方が分かれている。北海ブレント原油価格はようやく1バレル=60ドル上回ったものの、それが市況の改善によるものか、あるいは投機的投資の大幅増加によるものかについては不透明となっている。OPECとロシアの減産合意は今後4ヶ月間は継続するが、変動性の高い市場で期待が高まった状態で決定を先延ばしにすれば、下落リスクにつながる可能性もある。

 

米国では10月鉱工業生産が公表

前月にかけては、ハリケーン復興需要期待などで改善した。前月までは金利低下やドル安なども米国経済を下支えしたが、最新指標はテクニカルな反動減速が警戒されやすい。参考となる9月実績は前月の改定値から0.3%上昇した。10月については、ハリケーンの影響が消えて鉱業の上昇が予想されることや製造業も順調であることから、前月比プラスとなる可能性が高い。

 

欧米イベント

17:45   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   10月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比▲0.5%)
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.4%)
20:00   プラートECB専務理事、講演
○22:30   9月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.5%)
○22:30   9月対カナダ証券投資
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:23万5000件)
○22:30   11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:24.6)
○22:30   10月米輸入物価指数(予想:前月比0.4%)
23:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、カンリフBOE副総裁、ブロードベントBOE副総裁、ラムスデンBOE副総裁、講演
23:10   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
23:15   10月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
設備稼働率(予想:76.3%)
23:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○24:00   11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:67)
17日03:10   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
17日05:00   コンスタンシオECB副総裁、講演
17日05:45   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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