FITS エコノミックレポート

★日経平均株価：日経ＶＩ上昇とともに売り膨らむ

前日の米国株が売られた流れを引き継いことや、日本7-9月期ＧＤＰ（速報値）が予想を下回ったことも重荷となったほか、外国為替市場での円高を背景に輸出関連株を中心に売りが広がった。後場に入ると日経平均ＶＩ上昇を契機にヘッジファンドなどの売りが膨らみ一時下げ幅を375円超まで広げ2万004円と節目とされる2万2000円割れ寸前まで迫った。結局、前日比351円安の2万2028円と大幅6日続落で終了した。

 

★東京外国為替市場：日経平均下落でリスク回避の円買い

ドル/円は、日経平均株価は前日比300円超下げ、リスク回避的な円買いに振れやすい地合いが続いた。また、米長期金利が2.360％付近で横ばい推移が続き、ドル買いは仕掛けづらい展開となった。9日安値の113.09円を下抜け113.03円まで下げ足を速めた。しかし、113.00円手間では押し目買いを動きも見られた。ユーロ/ドルは、円絡みの取引が中心となり1.1795ドル前後で動意を欠く動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

★米ＦＲＢ副議長人事の行方：ハト派なのかタカ派なのか不透明

一時議長ともうわさされたテイラー教授の就任も取り沙汰されていたが、現在は未定となっている。また、直近の報道では、モハメッド・エラリアン氏が有力との報道が出ている。同氏の経歴は、オバマ大統領のグローバル開発諮問会議議長、ドイツ保険会社アリアンツの首席経済顧問、ＰＩＭＣＯのＣＥＯ・共同ＣＩＯ、ＩＭＦ副議長、ソロモン・スミス・バーニー社マネージング・ディレクター、ハーバード大学基金ＣＥＯなどを歴任している。また、ＣＮＮ，ＣＮＢＣ、ブルームバーグや米金融紙などに常時寄稿しており、著書に『市場の変相』、『世界経済、危険の明日』などがあるが、『市場の変相』は、エコノミスト誌の年間ベストビジネス書、インディペンデント紙により『史上最良のビジネス書』とたたえられている。相当の知識人ではあるが、金融政策に関してタカ派なのかハト派なのか分からず、市場参加者の見方は一致していない。

 

★米国市場では10月のＣＰＩ（消費者物価指数）が公表

前日に公表された10月生産者物価指数（ＰＰＩ）は前月比＋0.4％となり、市場予想の＋0.1％を上回った。前年比では2.8％の上昇と、2012年2月以来5年ぶりの高い伸び率となっている。っ参考となる9月実績は前月比＋0.5％、前年比＋1.7％だった。帰属家賃はやや上昇したが、8月実績を下回った。新車は在庫整理目的で値引きを行った影響でやや下落した。医療サービス、衣料、家庭用雑貨も下落した。10月については9月に下落した新車価格はやや上昇するが、医療サービス価格の低下が予想されており、物価上昇率は9月実績と同水準となる可能性が高い。

 

★米国10月小売売上高が公表

9月の実績はハリケーンの影響が概ね消え去ったことから、前月比＋1.6％の大幅な伸びを記録した。自動車の買い替えが進んだほか、ガソリンの値上がりでガソリンスタンドの売上高が拡大した。総合小売売上店や無店舗小売り、衣料品店でも売上高が増えた。10月については、自動車の販売は減少するものの、総合小売店の販売はやや増加するとみらｒており、前月比プラスとなる可能性が高い。

 

★欧米イベント

○16:00　　　レーン・アイルランド中銀総裁、講演
○16:45　　　10月仏消費者物価指数（ＣＰＩ）改定値（予想：前月比0.1％）
○17:00　　　エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○17:00　　　ハンソン・エストニア中銀総裁、講演
○18:30　　　10月英雇用統計
○18:30　　　7－9月英失業率（ＩＬＯ方式、予想：4.3％）
○19:00　　　9月ユーロ圏貿易収支
○19:00　　　プラート欧州中央銀行（ＥＣＢ）専務理事、ホールデン英中銀金融政策委員会（ＭＰＣ）委員、講演
○20:00　　　9月南アフリカ小売売上高（予想：前年同月比4.5％）
○21:00　　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
○22:00　　　ブロードベント・イングランド銀行（ＢＯＥ）副総裁、講演
○22:30　　　10月米ＣＰＩ（予想：前月比0.1％）
エネルギーと食品を除くコア指数（予想：前月比0.2％）
○22:30　　　10月米小売売上高（予想：前月比横ばい／自動車を除く前月比0.2％）
○22:30　　　11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数（予想：25.1）
○24:00　　　9月米企業在庫（予想：前月比横ばい）
○16日00:30　　　ＥＩＡ週間在庫統計
○16日06:00　　　9月対米証券投資動向
○ブラジル（共和制宣言記念日）、休場