FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は上昇:円安進行を好感して底堅い展開

外国為替市場で3週間ぶりの円安進行を背景にトヨタなど自動車株への買いが優勢となり、100円近く上昇した。ただ、週末にかけて日欧米の金融政策会合を控える中、積極的に上値を試す展開にもならなかった。結局、前日比88円高の2万2966円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:FRBによる利上げ加速の思惑からドル買い

ドル/円は、FRBによる利上げが加速するとの思惑からドル買い・円売りが進み110.60円近辺までじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルを下支えした。午後も流れは続き、日経平均株価の上げ幅拡大にも支えられて110.68円まで値を上げ、約3週間ぶりとなるドル高・円安をつけた。FOMC結果発表を見極めたいとの雰囲気からドルの上げは一服し、110.60円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ大統領選と総選挙のダブル選挙に注目:6月24日実施

トルコでは24日に行われる大統領選と総選挙のダブル選は、最後まで大接戦になる可能性があり、エルドアン大統領は権力掌握のためにより厳しい闘いを強いられ、番狂わせの敗北を喫することもあり得る。f-サイト・ダニスマンリクが7-11日に500人を対象に実施した調査の結果によれば、エルドアン大統領は第1回投票で50.8%の票を得て当選し、議会で過半数の支持を獲得できる情勢だった。ただ、野党勝利という予想外の事態も誤算の範囲で起こり得る。

世論調査結果で示された総選挙での予想得票率は、与党構成発展党(AKP)が46%、AKPと事実上の連立している民族民主主義(MHP)が4.5%で両党合わせて50.5%となっている。野党となる共和人民党(CHP)が27.5%、国民民主主義(HDP)が11.7%となっている。

 

米国の自動車に25%の輸入関税を課した場合:約200万台の販売喪失の可能性

予想をまとめた調査会社LMCオートモーティブによると、この試算は自動車メーカー各社が輸入関税をのコストの半分以上を吸収することを想定している。メーカーが輸入関税25%を全て消費者に転嫁した場合、米国内の年間販売台数の1割強に相当する約200万台の販売喪失の可能性があるという。もし、25%の関税が導入された場合、米消費者の反応として3つのシナリオが考えられる。①中古車の購入、②比較的低価格の国産車への乗り換え、③関税を一時的な政治的争いがもたらした措置と受け止め新車購入を先送りする。

 

FOMCを控えて米市場調査

FRBは12-13日にかけて2日間にわたりFOMCを開催する。FOMCを控えて、経済センコン極CNBCが市場エコノミスト、マネーマネジャーなどを対象に実施した恒例のFED調査では、市場参加者はこの6月FOMCでFRBが追加利上げを行うことを100%織り込んでいることが明らかになった。9月の利上げも81%織り込んだ。ただ、2018年の利上げペースでは、平均3.5回と、依然3回と4回予想に、真っ二つに分かれた。2019年も同様に2.6回となった。2回と3回の利上げ予想に分かれた。FOMCメンバーの予測でも、2018年の利上げペースが、前回3月に開催されたFOMC時の予想で、3回と4回見通しが拮抗した。6月FOMCでは、最新の見通しが発表される。FOMCが果たして、金利見通しを引き上げたかどうかに引き続き焦点が集まる。

 

米国市場では5月のPPI(生産者物価指数)が公表

5月分の物価指標では、ISMの製造業景況指数の『仕入れ価格』が79.5となり、4月の79.3から上昇した。非製造業景況指数でも『仕入れ価格』は64.3となり、4月の61.3から大幅上昇した。ガソリンなど資源価格の上昇のほか、賃金改善や携帯電話料金などの前年比下落の剥落などもあって、緩やかな物価の上昇が注目される。一方で、米国では5月にかけてドル高が進んだ。欧州や中国など世界経済の成長鈍化も含めて、物価上昇の度合いを抑制させる。また、IT革命やAI、ロボット化、ネット通販の拡大普及などもあって、改めて物価の伸び悩みが示される可能性も残っている。

 

欧米イベント

○16:00   4月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.7%)
○16:15   5月スイス生産者輸入価格
○16:15   1-3月期スイス鉱工業生産指数
○17:30   5月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比2.4%)
       小売物価指数(RPI、予想:前月比0.4%/前年比3.4%)
○17:30   5月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.5%)
○18:00   4月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.7%)
○19:00   4-6月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   4月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比4.4%)
○21:00   4月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比▲0.5%)
○21:30   5月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比2.8%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○14日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.75-2.00%に引き上げ)
○14日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○14日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

 

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