FITS エコノミックレポート

★日10月の景気ウオッチャー調査：市場予想を上回る

内閣府が発表した10月の景気ウオッチャー調査によると、街角景況感を示す現状判断指数は52.2となり、市場予想の50.8を上回る結果となった。また、前月の51.3から改善傾向にある。

 

★中国10月物価指数：市場予想を上回る

中国10月生産者物価指数（PPI)は、前年比+6.9％となり、市場予想の+6.6％を上回った。また、10月消費者物価指数（CPI)は、前年比+1.9％となり、市場予想の+1.8％を上回った。

中国北部で環境汚染が最悪のレベルに達することも多い冬季を前に、当局は製鉄所やアルミニウム工場に対する規制を強化したのこが背景となっている。

 

★日経平均株価：午前高から午後は株価乱高下

市場では『海外勢から継続的に買いが持ち込まれた』との指摘があり、一本調子で値を上げ470円近くまで上昇し、節目2万3000円越えたところでCTA（商品投資顧問）等の先物買いに1992年1月以来約26年ぶりの高値を付けた。しかし、その後利益確定売りに押され下げ幅は一時400円に迫ったが、急速に下げ渋り反転した。結局、前日比45円安の2万2868円と続落して終了した。

 

★東京外国為替市場：株価につれて為替も乱高下

ドル/円は、『CTA（商品投資顧問）から日本株にまとまった売りが持ち込まれた』との指摘があり、日経平均株価が390円超安まで急落するとリスク回避の売りが優勢になった。そのため、一時113.44円まで下げ足を速めた。ただ、前日安値の113.39円が目先サポートとして意識されたほか、日経平均株価が引けにかけて20円超安まで急速に下げ幅を縮めると113.60円台まで下げ渋った。ユーロ/ドルは、ドル/円の下落や米長期金利の低下を背景に1.1604ドルまで上昇した。

 

★ユーロが底堅い理由：ドイツからの現状の金融政策への不満

ドイツ政府の助言機関である経済諮問委員会（5賢人委員会）は、ECBが資産購入を速やかに縮小し、金融政策の正常化に向けた戦略を示すべきだと指摘した。同委員会は報告書で、ECBの拡張的な金融政策は金融安定性を損ね、市場にボラティリティを引き起こすリスクがあるとの見解を示した。『マクロ経済の動向からみれば、ECBは購入の規模は速やかに減らし早期に終了すべき』とした。また、市場の金利の流れは『マクロ経済動向に対応するため、ECBが金融政策を大幅に引き締めるべきであると示唆している』との考えを示した。

 

★米州知事選で共和党敗退：税制改革の早期実施が不可欠

2018年11月の中間選挙を占ううえで注目されていた7日実施のニューヨーク、ニュージャージー、バージニア州の市場選で民主党が大勝利となった。リベラルなニューヨーク、ニュージャージー州は常に民主党が主流の州と知られ民主党の勝利が事前から織り込まれていた。しかし、共和党と民主党の接戦州として知られるバージニア州選挙の結果に注目が集まっていた。支持率が低迷するトランプ大統領と距離を置く方針ととった共和党候補であったが敗戦した。中間選挙に向け共和党、トランプ政権にとり税制改革案を年内にまとめ実施することは不可欠となる。米上院税制改革法案を9日午前11時30分（日本時間10月1日1時30分）に発表することを明らかにしている。

 

★欧米イベント

○15:45　　　10月スイス失業率（季節調整前、予想：3.0％）
○16:00　　　9月独貿易収支（予想：223億ユーロの黒字）
○16:00　　　9月独経常収支（予想：235億ユーロの黒字）
○18:00　　　10月欧州中央銀行（ＥＣＢ）月報
○19:00　　　クーレＥＣＢ理事、講演
○19:00　　　欧州委員会、秋季経済予測発表
○22:15　　　メルシュＥＣＢ専務理事、講演
○22:30　　　9月カナダ新築住宅価格指数（予想：前月比0.2％）
○22:30　　　前週分の米新規失業保険申請件数（予想：23万2000件）
○22:45　　　コンスタンシオＥＣＢ副総裁、講演
○24:00　　　9月米卸売在庫（予想：前月比0.3％）
○24:00　　　ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○10日01:30　　　ジョーダン・スイス国立銀行（中央銀行、ＳＮＢ）総裁、講演
○10日03:00　　　バイトマン独連銀総裁、講演
○10日03:00　　　米財務省、30年債（150億ドル）入札
○10日03:20　　　ラウテンシュレーガーＥＣＢ専務理事、講演
○10日04:00　　　メキシコ中銀、政策金利発表（予想：7.00％で据え置き）