FITS エコノミックレポート

★日9月景気動向指数：一致指数は市場予想を下回る

内閣府が発表した9月の景気動向指数（CI、速報）は現状を示す一致指数が115.8となり、市場予想の115.9を下回った。先行指数は106.6となり、市場予想通りとなった。

 

★中国の10月貿易収支：市場予想を下回る

中国の10月貿易収支は381億7000万ドルの黒字となり、市場予想の391億ドルの黒字額を下回った。しかし、9月の286億1000万ドルの黒字額は上回った。

10月対米貿易黒字額は266億ドルとなり、1-10月では2230億ドルの黒字になっている。

中国10月貿易収支は、2544億7000万元だった。内訳は輸出額は前年比+6.1％、輸入額は同比+15.9％でいずれも市場予想を下回った。

 

★日経平均株価：円高と利益確定売りに押され反落

米税制改革の先行き不透明感から外国為替市場で円高・ドル安が進んだことを受け売りが先行した。利益確定売りも強まり、一時180円近く下落したが、一巡後は押し目買いが優勢となり下げ幅を縮めた。結局、前日比23円安の2万2913円と5日ぶりに反落して終了した。

 

★東京外国為替市場：ドルは113.80円前後でもみ合い相場

ドル/円は、トランプ政権の本丸である税制改革に遅れが生じる見通しとなり、NYダウ先物が弱含んだ。このため、今晩の米株安を警戒したドル売り・円買いに振れやすかった。東京市場では本邦機関投資家の押し買いで下値は堅かった。なお、布野日銀審議委員は『現政策を物価2％まで全く変更しないわけではない』『現在の株価は過熱状態にはない』などと述べたが、目だった動きは見られなかった。ユーロ/ドルは、1.1595ドル前後の動きに膠着した。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

★サウジアラビア国家予算並みの銀行口座凍結

前日のWSJによると、『60人近い拘束者の資産が8000億ドルに上る』が、この資産が凍結されたことによる市場の影響は誰にも分からない状態となっている。日本円に換算すると約91兆円となり、国家予算並みの巨額資金という想像出来ないほど大きな額となっている。影響が分からないだけに、市場でも『何のアクションも取りようがない』というのが本音のところ。ただ、しばらくは極めて慎重に対応するしかなく、今後の行方を見ていく必要がありそうだ。

欧州時間帯からサウジアラビアについてのニュースが入りやすいので、警戒しておく必要がある。サウジアラビアのタダウル株価指数の動向にも注意。

 

★米共和党の上下院議員が相次いで引退を表明

来年11月の中間選挙を控えて、ボブ・コーカー上院外交委員長を皮切りにジェフ・フレーク上院議員、ジョン・マケイン元上院国防委員長の引退表明が続き、さらにジョン・ダンカン下院議長を始め下院議員10人がすでに引退を決断している。こうした相次ぐ共和党議員の引退表明で憂慮されるのは他でもない、トランプ政権が目指す看板政策の一つ税制改革案の審議難航である。実際、税制改革法案に批判的な3人の上院議員が反落を起こし、ランド・ポール上院議員も反対に回る可能性が高く、上院が過半数割れとなり否決されかねない。トランプ政権は発足後、オバマケア（医療保険制度改革）改廃法案など主要法案を1本も成立させていない。つまり、共和党の議会運営が問われると共にホワイトハウスと議会の不協和音がより明確となるリスクがある。

 

★欧米イベント

○16:45　　　9月仏貿易収支（予想：46億8000万ユーロの赤字）
○16:45　　　9月仏経常収支
○未定　　　ポーランド中銀、政策金利発表（予想：1.50％で据え置き）
○21:00　　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
○22:15　　　10月カナダ住宅着工件数（予想：21万1000件）
○22:30　　　9月カナダ住宅建設許可件数（予想：前月比1.0％）
○9日00:30　　　ＥＩＡ週間在庫統計
○9日03:00　　　米財務省、10年債（230億ドル）入札
○9日05:00　　　ニュージーランド準備銀行（ＲＢＮＺ）、政策金利発表（予想：1.75％で据え置き）
○欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会（金利発表なし）