FITS エコノミックレポート

★豪中銀政策金利発表：現行に据え置くことを決定

オーストラリア豪準備銀行（RBA)は、政策金利を現行の1.50％に据え置くことを決めたことを発表した。これは市場予想通りとなった。声明では『国内経済成長の中銀予測は概ね変わっていない』『CPIと基調インフレが2％をやや下回っている』『インフレはしばらくの間低水準にとどまる可能性が高い』『経済が強まるにつれてインフレが徐々に上昇していくことを予想』などと伝わった。

発表直後は、政策金利が据え置かれたほか、インフレ見通しも変更なかったことから、一時豪ドル/円は87.70円台まで買われたが、豪ドル/ドルが伸び悩んだことから、87円台半ばで推移している。

 

★日経平均株価：海外勢の継続的な買いに大幅高

市場では『企業業績の業績拡大を期待した海外勢から継続的に買いが観測された』との指摘があり、バブル崩壊後の戻り高値である1996年6月の2万2750.70円を上抜けて目先のストップロスを巻き込みながら上げ幅を拡大した。一時上げ幅を400円超に広げた。結局、前日比389円高の2万2937円と大幅続伸で終了した。

 

★東京外国為替市場：日本株高を好感したドル買い・円売り

ドル/円は、日経平均株価の大幅高や米長期金利の上昇基調を受けてドル買い・円売りが強まった。しかし、114円付近では利益確定などが強く、ドル/円の上昇を阻止した。114円を上抜けしても上値の重い展開が予想される。ユーロ/ドルは、終日1.160ドル近辺でのもみ合いとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

★トランプ大統領は日本訪問を終え韓国入り：北朝鮮は核実験準備

トランプ大統領は韓国到着後、ソウル南方にある米陸軍基地キャンプ・ハンフリーズを訪問。文在寅大統領と昼食を共にした。7日午後に文大統領との首脳会談を行い、北朝鮮による核・ミサイル開発問題や、米韓FTA再交渉などについて協議する。また、8日に韓国国会で演説。朝鮮半島の非核化に向け、北朝鮮への圧力強化で国際社会に連携を呼びかける。

一方、北朝鮮問題研究グループ『38ノース』は、最新の衛星写真をもとに、北朝鮮の核実験場で9月に実験が行われたとは別の坑道に、機材や採鉱用貨車などが集められているとの分析結果を発表している。新たな核実験の可能性があるとしている。

北朝鮮がトランプ大統領が韓国訪問中に核実験をすると、火に油を注ぐことになりかねず、地政学リスクが高まる可能性がある。一方で、トランプ大統領が日韓訪問中に挑発行動を実施しなければ、その後のトランプ大統領の北朝鮮に対する発言が、より厳しいものになる可能性もある。

 

★原油価格の上昇でドル上値重くなる可能性も

週末に報じられたサウジアラビアの汚職撲滅運動、権力闘争による政情不安、月末のOPEC総会に向けたロシアやサウジの協調原産への前向き姿勢などを背景に原油高が進行している。原油だかの流れを受けてロシアルーブル、ノルウェークローネ、カナダドルなど資源通貨が買われる一方、原油高を受けてドル/円は上値が重くなりやすい。

 

★2018年からトランプ大統領がFOMCに影響力も

ダドリーNY連銀総裁が2018年中旬に早期退任することを発表した。ダドリー総裁は2019年1月に任期終了する予定だったことから、6ヵ月ほど早まる。同総裁は特に、金融危機対応でカギとなる任務を遂行した。現在のところ、FRB理事7席のうち3席が空席となっている。そのため、イエレン現議長が議長職の任期満了をもって退任することなになると、4席が空席となる。ただ、イエレン議長の理事としての任期満了となるのは2024年であるため、理事にとどまることは可能である。しかし、イエレン議長が退任すると、今までFOMCに影響力が強かった3高官が2018年に交代することになる。そのため、2018年以降トランプ大統領はFRB理事等の指名でFOMCに間接的な影響を与える可能性も出てきた。

 

★欧米イベント

○16:00　　　9月独鉱工業生産（予想：前月比▲0.9％）
○16:45　　　9月仏財政収支
○18:00　　　ドラギＥＣＢ総裁、ラウテンシュレーガーＥＣＢ専務理事、講演
○19:00　　　9月ユーロ圏小売売上高（予想：前月比0.6％／前年比2.8％）
○8日01:00　　　ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○8日02:55　　　ポロズ･カナダ銀行（中央銀行、ＢＯＣ）総裁、講演
○8日03:00　　　米財務省、3年債（240億ドル）入札
○8日04:30　　　イエレン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長、あいさつ
○8日05:00　　　9月米消費者信用残高（予想：176億ドル）
○欧州連合（ＥＵ）財務相理事会（ブリュッセル）