FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

独9月生産者物価指数(PPI):市場予想上回る

ドイツ連邦統計局が発表した9月のPPIは前月比+0.3%上昇、前年比+3.1%となり、市場予想の前月比+0.1%上昇、前年比+2.9%上昇を上回った。

 

日経平均株価:小幅ながら56年ぶりの14連騰で終了

カタルーニャを巡る懸念がくすぶるなか、外国為替市場での円高進行も背景に80円超安まで利食い売りが先行した。後場では米上院の予算可決を受けた税制改革審議の進展期待と円安を受け上げに転じたものの円安一服とNYダウ先物が上げ幅を一服となって下げに転じた。引けにかけては押し目買いが入りプラス圏を回復した。結局、前日比9円高の2万1457円と56年ぶりの14連騰で終了した。

 

東京外国為替市場:値動きの乏しい展開

ドル/円は、113.20円付近で伸び悩む展開となった。日経平均株価は後場マイナス圏推移が続いたことを受け、円売りは後退した。一方、米長期金利が2.35%台で推移しており、ドル売りに転じにくい状況。ユーロ/ドルは、1.1815ドル前後でのもみ合いが続いたと後、一時1.18042ドルまでじわりと下げる場面があった。

 

9年ぶりにNZは政権交代:手堅い経済政策からの変更に不安

野党労働党のジャシンダ・アーダーン党首が首相に就くことになった。NYファースト党の支持を獲得し、緑の党の協力を得て9年ぶりに政権に返り咲く労働党だが、公約に掲げていた経済政策の変更はまだ市場の信認を得ていない。これまでの与党国民党は手堅い経済運営を目にしてきた投資家は、労働党政権が中央銀行の改革や移民制限、社会保障の拡充を打ち出していることに神経をとがらせている。

 

銀行預金引き出しを呼び掛け:カタルーニャ独立派

スペインのカタルーニャ州独立組織のカタルーニャ国民会議(ANC)は、州外への登記上の本部移転決定に抗議し、銀行大手5行から資金を引き揚げるようカタルーニャの住民要請した。金融機関の資金繰りにどれだけ影響があるかは不明であるが、世界的な金融危機にはならない。そのため、市場でも影響はほとんどない。

 

米上院予算可決:税制改革の審議が本格化

米上院が2018年会計年度(17年10月-18年9月)大枠予算の決議案を51対49で僅差で可決した。10年間で1.5兆ドルの大型減税を柱とする税制改革の審議が本格化する。トランプ政権は法人税35%を20%に引き下げる減税案を公表したが、下院は過半数の賛成で可決できるが、上院は野党・民主党の議事妨害を回避すべく100議席中60表の賛成が必要となる。ただ、予算決議案の通過により、過半数可決の効力が生じて52議席を持つ共和党による単独の税制改革法案の可決へと環境が整ったことになる。

予算決議案通過のハードルは下がったものの、共和党内でも税制改革案に反対派がおり、簡単に可決できるかは困難さと不透明感が残っている。

 

米国市場では9月の中古住宅販売が公表

中古住宅販売成約指数は、最新8月に前月比▲2.6%となり、市場予想の▲0.5%や7月の▲0.8%に比べて大幅な低下となった。1月以来の大幅なマイナスとなった。ハリケーン被害のほか、米国の住宅市場は割安物件の減少や販売在庫の減少、販売価格の上昇といった要因があり、改善ペースの鈍化が警戒される。一方で、9月にかけて、米長期金利は低下した。そのため、住宅ローン金利も連動低下しており、住宅販売には下支え要因となりやすい。

 

欧米イベント

○15:00   9月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○17:00   8月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○17:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○21:30   9月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.7%)
○21:30   8月カナダ小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.3%)
○~22:30   ゼネラル・エレクトリック(GE)第3四半期決算
○23:00   9月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲0.9%/年率換算530万件)
○21日03:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)

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