FITS エコノミックレポート

★中国8月鉱業利益：7月実績を上回る

中国の8月鉱業利益は、前年比+24.0%となり7月実績の+16.5%を上回った。24.0%増加は2013年8月の+24.2%以来の高水準となった。

10月に開催予定の5年に1度の共産党大会を意識したインフラ投資が支えた面もありそうで、党大会終了後は景気減速しやすい。習政権の基盤が再強化できたとなれば、経済の過熱や過剰債務の誇張を抑える警戒が強まる可能性もある既に金融面での引き締めは始まっている。

 

★日経平均株価：波乱なく権利落ち日を通過

本日は9月期末配当権利落ちの影響が130円程度あり自動車や銀行など中間配当企業の株価が表面上下落し日経平均を押し下げた。結局、前日比63円安の2万0267円と続落して終了した。ただ、配当分の130円よりは下げ幅が少額だったことから、実質的には小幅上昇して終了したことになる。

 

★東京外国為替市場：米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、一時112.54円まで上げたが、市場では『本邦輸出勢から売りが観測された』との指摘があり、112.27円まで失速した。ただ、米長期金利が上昇したことや、日経平均株価が下げ渋りを横目に下値も限られた。ユーロ/ドルは、スペイン北東部カタルーニャ自治州が今週末にもスペインからの独立を問う準民投票を健康する見通しとなっている。また、24日のドイツ議会選を受け、メルケル首相の連立協議が難航しているもようで、前週までのユーロ買いは一旦収束していることから、ドル買いにつながっている。

 

★米トランプ政権が税制改革案の骨子公表

今夜ホワイトハウスと共和党が、共同で税制改革案の骨子を発表する。オバマケア見直し新法案が、週内の上院での採決に延期されたが、民主党とどれだけ歩み寄れるかが焦点となる。特に一番の注目は、法人税の税率をどの程度引き下げできるかにある。トランプ米大統領が主張する15%までの引き下げは難しいと言われており、一部に20%程度なら一応好感されると言われている。今回はあくまで骨子であり、実際どこまで議会で合意できるのかは不透明となっている。また、最低税率の10%から12%への引き上げ、子供への税額控除引き上げ、標準控除の倍増などが見込まれているが、本国投資法（HIA）の導入に関して、一定の発表があるか大きな焦点となる。

 

★米国市場では8月耐久財受注が公表

8月のISM製造業景況指数は『新規受注』が57.1となり、7月の55.1から改善した。航空関連の6月急増と7月反動減が一服となったほか、ドル安や米長期金利の低下などが米国の耐久受注の下支え要因となりやすい。しかし、米国では法人税減税や経済対策などが大幅に遅延している。また、米国内では自動車販売に循環回復の息切れ懸念が見られているほか、大型ハリケーンの直撃したことで、改めて受注が伸び悩みとなる可能性もある。

 

★米国市場では8月中古住宅販売成約指数が公表

中古住宅販売の先行指標となるものだが、8月の住宅販売は中古、新築ともに予想を下回る減速となっている。大型ハリケーンが悪影響となったほか、米国の住宅市場は割安物件の減少や売り出し在庫の減少、販売価格の上昇などが販売に打撃となっている。ただ、8月にかけて長期金利が低下したことから、住宅ローン金利が押し下げられ、住宅ローン申請指数は大幅な改善となっている。米国では労働市場の改善やベビーブーマーの子供世代の独立などもあり改めて住宅指標が底堅さを示す可能性も残る。

 

★欧米イベント

○15:10　　　リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁、講演
○15:45　　　9月仏消費者信頼感指数（予想：103）
○17:00　　　8月ユーロ圏マネーサプライＭ３（予想：前年比4.6％）
○20:00　　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
○21:30　　　8月米耐久財受注額（予想：前月比1.0％／輸送用機器を除く前月比0.2％）
○23:00　　　8月米住宅販売保留指数（仮契約住宅販売指数、予想：前月比▲0.5％）
○23:30　　　ＥＩＡ週間在庫統計
○28日00:45　　　ポロズ･カナダ銀行（中央銀行、ＢＯＣ）総裁、記者会見
○28日02:00　　　米財務省、5年債（340億ドル）入札
○28日02:30　　　ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○28日03:00　　　ブレイナード米連邦準備理事会（ＦＲＢ）理事、講演
○28日05:00　　　ニュージーランド準備銀行（ＲＢＮＺ）、政策金利発表（予想：1.75％で据え置き）
○トランプ政権と共和党指導部が税制改革案を発表