FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日5月景気ウォッチャー調査は予想を下回る

 内閣府が発表した5月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は47.1と市場予想平均の49.2を下回った。先行き判断指数は49.2と市場予想平均の50.3を下回った。
 調査は景気に敏感なタクシー運転手など約2000人を対象に毎月実施。判断指数は3カ月前と比べた景気の状況を「良くなっている」から「悪くなっている」まで5段階で評価する。全員が変わらないと答えた場合には指数は50になる。

現状判断も先行き判断も共に市場予想を下回り、節目となる50を下回っていることから、景気に敏感な職業についている人は景気鈍化を実感していることになる。

 

中国5月貿易統計:輸入の増加と市場下回る貿易黒字を嫌気

中国の4月貿易統計では、貿易収支が1565億元の黒字となり、市場予想の2220億元の黒字額を下回った。人民元ベースで輸出が前年同月比3.2%増となり、市場予想の1.6%増を上回った。輸入は前年同月比15.6%増となり、市場予想の8.6%増を上回った。輸入が増加する一方、年との貿易黒字は市場予想を下回った。初期反応は、豪ドル売りが優勢となった。

 

日経平均株価:利益確定売りに押され5日ぶり反落

前日まで4日続伸したことから、目先の過熱感が強まり利益確定売りの動きが強まった。米ナスダック指数も5日ぶりに反落したことが嫌気されてハイテク株中心に売られる展開となった。一旦内需株を中心に押し目買いが入りプラス圏を回復する場面もあったが、上値も重かった。結局、前日比128円安の2万2694円と5日ぶり反落して終了した。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強くドルじり安

ドル/円は、本邦実需勢などのドル買い・円売りや日経先物がマイナス圏から一時プラス圏に転じたことに支えられ、109.85円近辺まで上げた。しかし、今日から始まるG7首脳会議を前に、米国の通商問題を巡る警戒感から上値を追う動きは限られた。午後は、日経平均株価がさえない動きとなったことで、小幅値を下げて109.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。来週の重要イベントを控えていることで様子見ムードが強く商いは薄かった。ユーロ/ドルは1.1800ドル前後で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀は市場予想を上回る利上げを実施

トルコ中銀は7日、政策金利を16.50%から17.75%へ引き上げることを決めたと発表した。事前の市場予想は利上げと据え置きが拮抗し、最大で17.50%への利上げを予想する声も出ていたが、結果は市場予想を上回る利上げ幅だった。また、声明では『インフレ見通しが大幅に改善し、中銀目標と一致するまで断固として引き締めスタンスを維持する』との文言のほかに『必要ならばさらなる金融引き締めを実施する』と一段の利上げを示唆したことで公表後はトルコリラが急伸した。対円・対ドルともに3%近くの大幅高となった。
 トルコ政府内で唯一、中銀の政策に賛同しているシムシェキ副首相も同日、『引き締め策を継続する予定』と述べるなど見解は変わっていないが、肝心のエルドアン大統領からは今回の利上げに対する発言は現在のところ出ていない。

 

米6月FOMCの注目点:年内の利上げ回数に変更があるのか

FRBは来週12-13日にFOMCを開催する。この会合で現行の1.5%-1.75%の政策金利であるFF金利誘導目標を0.25%引き上げ1.75%-2.00%にすることがほぼ確実視されている。そのため、注目点はパウエルFRB議長の会見、声明や四半期に一度公表されるメンバーの予測に集まる。その中でも、金利予測で本年の利上げ予測が3回にとどまるのか、それとも4回に引き上げられるかが焦点となる。米国内の労働市場は完全雇用にある中、インフレ圧力も強まる兆候が見られている。ただ、過熱する状況にはない。そのため、3月から経済環境が大幅に改善されたとも思えず、依然不透明感も強い。よって、今回も年内3回の利上げ予想にとどまる可能性が強い。しかし、4回となった場合は、市場に織り込まれていないことから、米長期金利上昇とドル高になりやすい一方で、米国株が大幅下落するとリスク回避の円高になりやすい。

 

欧米イベント

○15:00   4月独貿易収支(予想:202億ユーロの黒字)
○15:00   4月独経常収支(予想:200億ユーロの黒字)
○15:00   4月独鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○15:45   4月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
○16:15   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   5月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.29%)
○21:15   5月カナダ住宅着工件数(予想:22万件)
○21:30   1-3月期カナダ設備稼働率(予想:86.4%)
○21:30   5月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2万3500人/失業率5.8%)
○23:00   4月米卸売在庫(予想:前月比横ばい)
○23:00   4月米卸売売上高
○主要7カ国(G7)首脳会議(サミット、カナダ・シャルルボワ、9日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ