FITS エコノミックレポート

★日経平均株価：地政学リスクを嫌気した売り

日経平均は高く始まったものの、買い一巡後は徐々に上げ幅を縮小した。『北朝鮮の対抗措置は太平洋での水爆実験を意味する可能性』との報道が伝わると、地政学リスクの高まりを背景にした売りに押されてマイナス圏に沈んだ。結局、前日比51円安の2万0296円と5日ぶりに反落して終了した。

 

★東京外国為替市場：地政学リスク強まり円買い

ドル/円は、朝方は112円半ば近辺で推移していた。ただ、アジア時間に入って『北朝鮮は太平洋で水爆実験を実施して米国に対抗する可能性がある』との北朝鮮外相の発言が報じられた。そのため、地政学リスクが再燃したことをきっかけとしたドル売りの流れが継続した。米長期金利が低下したことも売りを促し、一時111.65円近辺まで下げ足を速めた。市場では『112.00円割れはかなりビッドが集まっている』との声も聞かれており、FOMC後に急騰して以来の初めての112.00円割れを試しているといったところとなっている。ユーロ/ドルは、ユーロ/円の上昇につれて一時1.1974ドルまで上げるなど底堅く推移した。

 

★北朝鮮外相の国連円前が延期に

北朝鮮の李容浩外相が米NYの国連本部で行う国連総会一般討論演説が、当初予定されていた22日から23日に延期されたと、韓国の聯合ニュースが21日に伝えた。延期の理由は不明となっている。李氏の演説では、北朝鮮が強行した6回目の核実験や弾道ミサイル発射についいて、米国の核の脅威に対する自衛的措置だとして正当化するとみられいる。

演説する明日のアジア時間午前中は警戒が必要となりそうだ。北朝鮮による対抗措置に対しての演説内容となる可能性もある。

 

★ドイツ連邦議会下院選挙：投票日24日

ドイツのメルケル首相は連邦議会（下院）選挙の投票を24日に控えて、難民の受け入れ反対を唱える『ドイツのための選択肢（AfD）』の主張を拒否するよう有権者に強く呼びかけた。首相が率いるキリスト教民主・社会同盟（CDU、CSU)の支持率の低下傾向にある。CDU・CSUの伝統的な連立パートナーで、市場経済を重視する自由民主党（FDP)は、4年ぶりに連邦議会で議席を獲得する見通しとなっている。調査会社フォルザが19日公表した週間世論調査の結果によれば、CDU・CSUの支持率は36％と8月初めの40％を下回る状態が続く。一方、SPDの支持率は23％と安定し、AfDとFDP、緑の党、左派党は8-10％となっている。

 

★カタルーニャの独立を問う住民投票決行予定

スペイン北東部カタルーニャ自治州のプチデモン首相はテレビ放映された演説で、スペインからの独立を問う住民投票を予定通りに10月1日に決行すると表明した。一方、中央政府はこのような投票は違法として阻止する意向を示している。

スペイン憲法では、中央政府は自治州に介入する権限を持っており、警察による介入や自治政府の統治権限停止も可能となる。

強引に住民投票が行われると、その後の波紋が欧州内に広がる半面、警察による介入などがあると、その後のカタルーニャと中央政府との関係悪化が懸念される。

 

★欧米イベント

○15:45　　　4－6月期仏国内総生産(ＧＤＰ)確定値（予想：前期比0.5％）
○16:00　　　9月仏製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）速報値（予想：55.5）
○16:00　　　9月仏サービス部門ＰＭＩ速報値（予想：54.8）
○16:15　　　クーレ欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事、講演
○16:30　　　9月独製造業ＰＭＩ速報値（予想：59.0）
○16:30　　　9月独サービス部門ＰＭＩ速報値（予想：53.7）
○17:00　　　9月ユーロ圏製造業ＰＭＩ速報値（予想：57.2）
○17:00　　　9月ユーロ圏サービス部門ＰＭＩ速報値（予想：54.8）
○17:30　　　ドラギ欧州中央銀行（ＥＣＢ）総裁、講演
○19:00　　　ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○20:15　　　コンスタンシオＥＣＢ副総裁、講演
○21:30　　　8月カナダ消費者物価指数（ＣＰＩ、予想：前月比0.2％／前年比1.5％）
○21:30　　　7月カナダ小売売上高（予想：前月比0.2％／自動車を除く前月比0.4％）
○22:30　　　ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、講演
○未定　　　メイ英首相、欧州連合（ＥＵ）離脱について重要演説
○23日02:30　　　カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○23日　ＮＺ総選挙
○23日　北米自由貿易協定（ＮＡＦＴＡ）再交渉第3回会合開幕（カナダ・オタワ、27日まで）
○24日　独総選挙（連邦議会選挙）
○24日　ＮＺが夏時間に移行