FITS エコノミックレポート

★日7月全産業活動指数：市場予想通り

経済産業省が発表した7月の全産業活動指数（季節調整値、平成22年＝100.0）は前月比0.1％低下となり、市場予想通りとなった。

 

★全国百貨店売上高：前年を上回る

日本百貨店協会がまとめた8月全国百貨店売上高は4128億円、前年比+2.0％となった。また、同時は発表された東京地区の売上高は1090億円、前年比+3.6％となった。

 

★日経平均株価：戻り待ち売りに押され上げ幅縮小

米FOMCで12月利上げが示唆され米長期金利先行観から外国為替市場で円安が進むなか、投資家心理の改善を手掛かりにした買いが幅広い銘柄に入った。市場では『海外ヘッジファンドなどの買いが上昇をけん引したようだ』との声も聞かれた。ただ、半月で1000円以上の上昇で高値警戒の戻り待ち売りに押され上げ幅を縮小した。結局、前日比37円高の2万0347円と小幅4日続伸で取引を終了した。連日で年初来高値を更新した。

 

★東京外国為替市場：ドル/円は112.40円台でもみ合い

ドル/円は、日銀が20-21日の金融政策決定会合で、長期金利をゼロ％程度に誘導する現行の金融緩和の維持を決定した。市場では織り込み済みだったことからサプライズはなく、円売りは一旦収束した。午後の日経平均株価は上昇幅を縮小したものの、株価の失速を手掛かりにしたドル売りは限定的となり、112.40円台でのもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1880ドル台での小動きが続いており、欧州勢の参入待ちの様相となっている。

 

★10月1日のスペイン国民投票の行方

スペイン警察当局は20日、カタルーニャ自治州の複数の官庁を始めて捜索し、同自治州の経済担当閣外相を逮捕した。カタルーニャ自治州は10月1日にスペインからの独立の是非を問う住民票を実施する構えだが、スペインの中央政府は住民投票は違法だと指摘している。憲法裁判所が住民投票実施法を停止した。警察当局は禁止された住民投票に関した捜索を実施していることを確認したものの、詳細は明らかにしていない。

 

★ロシアの金融機関は疲弊ぎみ

資産規模でロシア第12位のB&N銀行の株主らが、中央銀行に支援を要請したことが20日、当局の話で分かった。同国では3週間前、大手行オトクリティエが中央銀行に救済されていた。様々な要因が重なってロシアの銀行には圧力がかかっている。経済成長の鈍化による圧力に西側諸国の経済制裁が拍車をかけているほか、過去3年間で不良債権は増加した。当局者や銀行アナリストは、金融セクターの資産の半分以上を保有する国有銀行の財務は強固であるとし、システミックな危機のリスクはないとみる。

 

★米国市場では9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が公表

参考となる8月実績は18.9となり、市場予想の18.0を上回る底堅さを示した。そのため、9月はテクニカル的な反動減速が警戒される。大型ハリケーンの影響や自動車販売の減速、トランプ米関根による減税などの政策知念も悪材料となりやすい。しかし、9月は金利の低下やドル安んが進んだ。同じ9月のNY連銀製造業景況指数は24.4となり、市場予想の18.0を上回る結果となった。世界的な経済回復基調が、米国の製造業には下支え要因となる。20日の米FOMCでも、ハリケーン被害は限定的であることや、米国の先行き経済に前向きな見通しが示されていた。

 

★欧米イベント

○15:30　　　黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○15:55　　　スメッツ・ベルギー中銀総裁、講演
○17:00　　　欧州中央銀行（ＥＣＢ）月報
○17:00　　　ノルウェー中銀、政策金利発表（予想：0.50％で据え置き）
○17:30　　　8月香港消費者物価指数（ＣＰＩ、予想：前年同月比1.9％）
○18:30　　　プラートＥＣＢ専務理事、講演
○21:30　　　7月カナダ卸売売上高（予想：前月比▲0.7％）
○21:30　　　前週分の米新規失業保険申請件数（予想：30万2000件）
○21:30　　　9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数（予想：17.1）
○22:00　　　7月米住宅価格指数（予想：前月比0.4％）
○22:30　　　ドラギＥＣＢ総裁、講演
○23:00　　　9月ユーロ圏消費者信頼感指数（速報値、予想：▲1.5）
○23:00　　　8月米景気先行指標総合指数（予想：前月比0.3％）
○未定　　　南アフリカ準備銀行（ＳＡＲＢ）、政策金利発表（予想：6.50％に引き下げ）
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○日米韓首脳会談（ニューヨーク）