FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

豪準備銀行政策金利発表:市場予想通り据え置き

オーストラリア準備銀行(RBA)は5日、市場の予想通り政策金利を現行の1.50%に据え置くことを決めたと発表した。声明文では『低水準の政策金利が豪経済を引き続き支えている』『為替の上昇が現在の見通しよりも経済活動やインフレを鈍化させると予想』などの見解が示された。公表後は豪ドル売りが優勢となったが、『インフレは徐々に加速する見通し』との見解もでたことで、豪ドルも下げ止まった。

 

日経平均株価:マザーズ市場が大幅下落で大型株へ波及

北朝鮮情勢への警戒感が根強くリスク回避の売りが優勢となった。『北朝鮮が9日以前の発射の可能性に備えICBM移動開始』との報道も嫌気された。特にマザーズ指数の4.5%超の大幅安が東証一部上場株にも波及し一時下げ幅を拡大した。結局、前日比122円安の1万9385円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避的なドル売り・円買い継続

ドル/円は、北朝鮮情勢に対する警戒感が根強いなか、109.20円近辺まで下げた。ただ、日経平均株価が150円超安から下げ渋ったことでドル売りも一服となり、109.30円前後で方向感が出なくなった。ただ、NYダウ先物がマイナス圏で推移しており、リスク回避的なドル売り・円買いの流れが継続している。また、米長期金利が2.13%台に低下して推移しており、ドル買いが入りにく展開となった。ユーロ/ドルは、ドル/円の下落を横目に1.1911ドルまでじわりと上げたが、総じて1.1905ドル前後でのもみ合いとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

ノルウェーの政府系ファンドが円建て国内債券から撤退

ノルウェーの政府系ファンド (SWF)、政府年金基金グローバル(運用資産額9800億ドル=約107兆円)は、3330億ドル相当の債券ポートフォリオの全面的な見直しを政府に提案した。株式の保有高を拡大するなど流動性の高い資産への投資を強化する中で、円建て債と新興市場債、社債については減らすよう勧告した。
政府年金基金グローバルはノルウェー財務省に宛てた書簡で、同基金の債券指数の構成を現在の23通貨から減らし、ドルとユーロ、英ポンド建て債に限定するよう提言。新興市場債と社債をベンチマーク指標から外すべきだとした上で、これらの債券への投資には『システマチックな戦略』の導入が必要だと指摘した。
政府年金基金グローバルの今年6月末時点の日本国債保有額は、1690億クローネ(約2兆3700億円)。今回の提案は政府の承認が必要だが、市場に大きな影響を与える可能性がある。直近の問題点として、日本長期金利が上昇しやすくなり、日米金利差縮小から円高・ドル買いとなる一方で、年金基金からの円売り・ドル買いが持ち込まれ為替市場が乱高下しやすい。

 

北朝鮮対応に変化が:中露の態度硬化

核実験というレッドゾーンを越えてしまった北朝鮮に対して、これまで優柔不断な態度を取っていた中国やロシアが明らかに態度を硬化してきている。新たな国連安保理においても『石油の禁輸』などを含むライフラインにかかわる兵糧攻めに入る可能性も出てきている。今回は欧州先進国も加わって、G7首脳声明も出るなど、これまでとは完全に違う対応となっている。水面下では外交的な折衝が続いているはずだが、暫くはこれらの動向には目が離せない。もし、在韓米国人や在韓邦人の国外退去などが始まった場合は、それなりの準備が必要となるかもしれない。

 

米国市場では7月の耐久財受注が公表

ISM製造業景況指数では、『新規受注』が4月の57.5をボトムとして、6月が63.5、7月が60.4、8月が60.3と回復ペースは鈍いものの持ち直し傾向にある。自動車販売の急減一服のほか、航空機やハイテク関連の根強い需要、ドル安や金利低下などもあり、耐久財受注は復調が期待される。しかし、米国では政治と政策に不透明感が漂っている。7月には原油価格の低迷により、資源エネルギー関連会社による減産や設備投資の抑制が見られている。米国では自動車や住宅などについて循環的な急回復のピークアウトが懸念されており、改めて受注の伸びの鈍さが示される可能性も残る。

 

欧米イベント

○16:15   8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
○16:50   8月仏サービス部門PMI改定値(予想:55.5)
○16:55   8月独サービス部門PMI改定値(予想:53.4)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:54.9)
○17:30   8月英サービス部門PMI(予想:53.5)
○18:00   7月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.3%/前年比2.6%)
○18:15   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○18:30   4-6月期南アフリカGDP(予想:前期比年率2.3%/前年同期比0.5%)
○20:30   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:00   7月米製造業新規受注(予想:前月比▲3.3%)
○6日01:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

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