FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

南アフリカGDPは市場予想を大幅に下回る

南アフリカ統計局が発表した1-3月期の南アフリカGDPは前期比年率2.2%減となり、市場予想の0.5%減を大きく下回った。また、前年同期比も0.8%増と市場予想の1.9%増を下回った。
 南アフリカ準備銀行(SARB)が5月24日、6.50%の政策金利据え置きとともに発表した声明では『鉱業や製造業のマイナス成長を受けて第1四半期のGDPは縮小する可能性があるが、2018年のGDP見通しを前年同期比1.7%増に据え置き、2019年を1.5%増から1.7%増に上方修正、2020年を2.0%増に据え置く』『景気先行指標の継続的な上昇が経済の上向きの勢いを裏付ける』などの見解が示されていた。
 SARBが指摘する景気先行指標は、5月22日発表の3月分が107.4となり、約7年ぶりの高水準となった2月の108.3からは低下したものの、高水準を維持している。9年ぶりの低水準となった1-3月期GDPとのかい離が目立っているが、SARBの見通しに沿えば4-6月期以降のGDPが大きく反発する可能性もある。

 

日経平均株価:米ハイテク株高と原油高を好感した買い

小安く始まったが、前日の米ハイテク株の上昇を受けて京セラやソニーなどに買いが入り、指数を押し上げた。また、NY原油先物の続伸などを受けて、資源エネルギー株の上昇がけん引した。結局、前日比86円だかの2万2625円と3日続伸して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:110円台の高値目処が意識される展開

ドル/円は、日経平均株価をにらみながら109.80円台を中心とした狭いレンジ相場となった。来週予定されている米朝首脳会談やFOMCなどの重要イベントを控えて様子見ムードが強く、積極的な売買は手控えられた。午後は日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利が上昇したことに支えられ、109.97円付近まで上げた。ただ、前日の戻り高値110.01円に接近すると利食い売りも見られ、109.95円を挟んでのもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台前半で方向感を欠いた値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

色々出てくるリスク回避要因:短期トレードが良さそう

イタリアの政局不安は、コンテ伊首相の就任の可能性で収まっているが、一方で通商問題などが、リスク回避要因となりやすい。20日にも、EUが米国産の果物、鉄鋼、医療品の一部に25%の報復関税を賦課する方針を示しており、メキシコ経済省も『米国への報復措置として、米国産の鉄鋼、豚肉、ウィスキーなお広範な品目に関税をかける』としている。また、地政学リスクは、米朝首脳会談が12日に開催されることで北東アジアリスクは後退したものの、中東に関しては、メンデルカー米財務次官が『米国はイランに対して前例のない強力な金融制裁を課す』とし、一方イラン原子力庁長官は『イランは、最高指導者ハメネイ師の指示で、濃縮ウランの増産に向けた準備を開始した』としている。目まぐるしくリスク回避要因が出てくることから、しばらくは短期での取引が良さそうだ。

 

米国市場では4月の貿易収支が公表

米国経済の先行指標であるISM製造業景況指数では、『輸入』が2月の60.5をピークとして4月に57.8、5月に54.1と鈍化してきた。米国の内需減速や米トランプ政権による輸入制限策の強化余波、各国の対米輸出自制、ドル高による輸入価格の押し下げ効果などの影響が注視される。参考となる3月実績は▲490億ドルで赤字幅は2月の▲577億ドルから縮小した。また、4月分の前渡し商品貿易収支は▲682億ドルで赤字額は3月実績をわずかに下回った。4月については、商品貿易赤字が3月実績をわずかに下回っていることから、全体の収支は3月実績に近い数字になるとみられる。

 

欧米イベント

○16:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:15   5月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○18:00   インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.00%で据え置き)
○18:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   4月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○21:30   4月カナダ貿易収支(予想:34億カナダドルの赤字)
○21:30   4月米貿易収支(予想:490億ドルの赤字)
○21:30   1-3月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比0.6%)
○23:00   5月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   マカファーティMPC委員、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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