FITS エコノミックレポート

★独4-6月期GDP速報値：前期比は市場予想を下回る

ドイツの4-6月期の国内総生産（GDP、季節調整済み）速報値は実質で前期比0.6%増、前年同期比2.1%増となり、市場予想の前期比0.7%増を下回り、前年同期比1.9%増を上回った。

発表後はややユーロ売りの動きとなった。

 

★日6月鉱工業生産確報：前月から上昇

経済産業省が発表した6月の鉱工業生産動向（確報）で、生産指数（2010年＝100、季節調整済み）は前月比で2．2%上昇した。

 

★日経平均株価：地政学リスク後退で買い戻し優勢

北朝鮮問題の外交的解決を目指すとの米政府高官の発言や、北朝鮮の金委員長がグアム周辺へのミサイル発射計画について『米国の行動をもう少し見守る』とし攻撃に対して慎重な姿勢を示した。そのため、1ドル＝110.40円近辺への円安を受けて輸出関連株の上昇に海外投資家の先物ショートの買い戻しなどに大幅反発となった。結局、前日比216円高の1万9753円と5日ぶりに反発して終了した。

 

★東京外国為替市場：ドル/円はショートカバーの買い戻し

ドル/円は、本日の高値を更新し、一時110.28円まで上値を切り上げた。米長期金利が2.25%台まで上昇しており、ドル買いがやや強まった。また、NYダウ先物もプラス圏で推移しており、今晩の米株続伸を見込んだドル買いも観測された。ユーロ/ドルは、ドル/円や米長期金利の上昇が重しとなり売りに押される展開となった。

 

★フィリピンペソが約11年ぶりの水準まで低下

14日にドル/ペソが1ドル＝51.276ペソと2006年8月30日以来の安値を付けた。ペソが下落する背景としては同国でのイスラム過激派との紛争が続いていることや貿易収支が統計以来、最大の赤字水準となったうえ経常収支も赤字に転じている状況が挙げられる。また、10日のフィリピン中銀の金融政策会合の声明で、『ペソは下落を続ける可能性』との見解を示し、現状のペソ安を容認したことも材料視された。市場では『ドル/ペソは史上最高値56.50ペソ水準を目指すのではないか』との指摘もある。ただ、タイバーツやインドルピーなどアジア通貨が堅調推移しており、現在のところはアジア通貨危機につながる可能性は低い。

 

★地政学リスクの高まりから金に資金流入

ヘッジファンド運営会社ポールソンの14日の米政府への届け出によれば、同社は6月末時点で『SPDRゴールド・シェアーズ（ETF』436万口を保有しており、、1-3月と変わらずだった。10日の規制当局への届け出によると、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツは4-6月にSPDRをポートフォーリオに加え、57万7264口（6810万ドル）相当を購入した。テンプルトン・グローバル・アッドバイザーズはカナダの三基会社バリック・ゴールドの保有株式を増やした。SPDRへは4-6月に8億7000万ドルが流入し資産残高は340億ドルになった。

 

アジアにおける地政学的リスク増大に対する警戒感はやや低下していること、ユーロ高・米ドル安が一服していることから、目先的には安全逃避的な金買いはやや減少する可能性がある。

 

★米国市場では7月小売売上高が公表

参考となる6月実績は前月比▲0.2%となり、2カ月連続でマイナスとなった。ガソリンスタンド、衣料品店、スーパーでの売上高が減少した。7月については反動増が予想されるが、雇用や所得環境は特に変わっていいないこと、オンラインの売上高に大きな変化はないとみられていることから、小幅な増加にとどまる可能性が高い。

 

★欧米イベント

○15:00　　　4－6月期独国内総生産（ＧＤＰ）速報値（予想：前期比0.7％／前年同期比1.9％）
○16:15　　　7月スイス生産者輸入価格（予想：前月比横ばい）
○17:30　　　7月英消費者物価指数（ＣＰＩ、予想：前月比横ばい／前年比2.7％）
小売物価指数（ＲＰＩ、予想：前月比0.1％／前年比3.5％）
○17:30　　　7月英卸売物価指数（ＰＰＩ、食品とエネルギーを除くコア指数、予想：前年比2.5％）
○21:30　　　7月米輸入物価指数（予想：前月比0.1％）
○21:30　　　8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数（予想：10.1）
○21:30　　　7月米小売売上高（予想：前月比0.3％／自動車を除く前月比0.3％）
○23:00　　　8月全米ホームビルダー協会（ＮＡＨＢ）住宅市場指数（予想：64）
○23:00　　　6月米企業在庫（予想：前月比0.4％）
○16日05:00　　　6月対米証券投資動向