FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

オーストラリア中銀の政策金利据え置き:市場予想通り

オーストラリア準備銀行は、政策金利を現行の1.50%に据え置くことを決めたと発表した。市場の予想通りの閣下となった。声明では『政策スタンスを変更しないことが経済の持続可能な成長と、時間をかけてインフレ目標を達成することに一致すると判断』『豪ドルは過去2年間にわたるレンジ内のまま』『国内経済に関するデータ中銀の見通しに一致している』などと伝わったが、前回とほぼ同じ内容だった。従来通りハト派寄りのスタンスを維持した。

 

日経平均株価:SQ絡みの売りが上値を抑える

前日にNYダウが178ドル高の続伸やIT比率が高いナスダック指数が3ヵ月ぶり過去最高値更新を受け投資家心理が強気に傾きハイテク株中心に買いが優勢となった。一巡後は売られる展開となった。市場では『今週末に株価指数先物・オプションSQを控えて期先へのポジション移行に伴う売りが観測された』との指摘があった。結局、前日比63円高の2万2539円と反発して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は近くて遠いい110円台

ドル/円は、心理的節目となる110.00円に接近したことで利食い売りなどが持ち込まれ109.76円まで軟化した。日経平均株価がプラス圏から一時マイナス圏に転じたことも、円買いを誘った。しかし、下押しが限られると、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられ109円近辺まで値を戻した。午後は、日経平均株価の底堅い動きを眺めて一時110.00円まで上昇したが、110円台乗せの滞空時間が短かったことからポジション調整などのドル売り・円買いも見られ、109.85円近辺まで押し戻された。ユーロ/ドルは、1.16ドル台後半で方向感を欠いた値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日マネタリーベースの増加はドル高・円安になりやすい

日銀が4日に公表した最新5月のマネタリーベース残高は、前年比で+8.1%となり、前週の+7.8%から増加し、昨年8月以来となる前月からのプラス幅拡大となっている。前月比年率も+17.6%と前月の▲2.5%から急拡大し、昨年8月以来の高い伸び率に増加した。(量的緩和の実質強化)過去実績として日銀のマネタリーベースの前月比や前月比年率のプラス幅拡大局面では、ドル/円で『前月比ドル高・円安』のパターンとなっている。今後で言えば昨年の月間ドル安値は6-9月にかけて107-108円となっている。そのため、円高基調となってもこのレベルが下限ゾーンとなる可能性が高い。

 

南欧リスクは今後も残る:イタリアとスペイン

イタリアではポピュリズム(大衆迎合)政党による連立政権だけに、財政規律の悪化などへの懸念は残る。さらに連立政権内でのEUとの距離についての意見対立や、政権内や国民の間でのユーロ離脱論の高まりといった火種リスクは消えていない。また、スペインでは、サンチェス新首相の勢力は下院で4分の1以下にとどまっていることから、連立政権となる見通し。今後は組閣協議の難航や少数野党中心の政権による政治不安定化、早期の議会選挙リスクといった不透明感への警戒が続く。

 

米国市場では5月のISM非製造業景況指数が公表

5月指標ではコンファレンスボードによる消費者信頼感指数が、3ヵ月ぶりに上昇した。とくに現況指数は、2001年3月以来の高水準になった。5月は雇用統計、失業率、平均賃金も揃って改善しており、米国の非製造業サービス部門は打たれ強い可能性が高い。ただ、5月は米金利上昇やガソリンなど資源価格が上昇した。さらに、米トランプ政権による輸入関税引き上げと貿易戦争への警戒感も高まっている。そのため、景況指数も伸び悩む可能性も残る。

 

欧米イベント

○15:45   4月仏財政収支
○16:50   5月仏サービス部門PMI改定値(予想:54.3)
○16:55   5月独サービス部門PMI改定値(予想:52.1)
○17:00   5月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.9)
○17:30   5月英サービス部門PMI(予想:53.0)
○18:00   4月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比1.7%)
○18:30   1-3月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率▲0.5%/前年同期比1.9%)
○18:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○19:00   カンリフ・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○21:30   1-3月期カナダ労働生産性指数
○22:45   5月米サービス部門PMI改定値(予想:55.7)
○22:45   5月米総合部門PMI改定値
○23:00   5月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(総合、予想:57.6)
○6日02:30   バイトマン独連銀総裁、講演
○5-6日   5月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)

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