FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

5月20-26日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は、対外中長期債は7170億円の売り越しとなり、売り越しは3週間ぶりとなった。対外株式は2558億円の買い越しとなり、買い越しは9週連続となった。また、海外投資家は、対内株式は3800億円の売り越しとなり売り越しは3週間ぶりとなった。対内中長期債は2167億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。対内短期債は1兆4205億円の売り越しとなり、売り腰は2週間ぶりとなった。

 

国内投資家は、22日から円高傾向が強まったこともあり、早めに外国債券売りを持ち込んだものと思われる。海外投資家が国内株式を大幅に売り越しとなったことで、日本株の上値が重くなった。外国人投資家はSell in Mayで5月に高値を付けた後、6月は陰線引けとなりやすいこともあり、早めに日本株の売却に向かった可能性がある。また、5月16日前後からラマダン入りしており、この時期はオイルマネーが滞り日本株が下落しやすい時期となる。

 

日経平均株価:欧州に対する過度な警戒感が後退

欧州政局不安に対する過度な警戒感が後退し、欧米株式市場が買い戻された流れに沿って上げ幅を広げた。ただ、外国為替市場で円が底堅く推移したことから、さらに買われる展開にはならなかった。後場には海外短期筋の先物買戻しに一時上げ幅を200円超に広げた。しかし、欧州政治の先行き不透明感にユーロ/円の上げ渋りなどから上値追いの買いは手控えられた。結局、前日比183円安の2万2201円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:月末絡みで実需筋の売買が交錯

ドル/円は、米長期金利が小幅に低下したことや日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことで、利食い売りなどに押されて108.54円近辺まで軟化した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。ただ、イタリアの政局をめぐる過度な懸念が後退していることもあり、下押しは限られた。午後は国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅拡大から108.80円台まで上げた。ユーロ/ドルは、月末に絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが持ち込まれ、一時1.168ドル近辺まで上げた。

 

欧州では5月ユーロ圏消費者物価指数が公表

参考となる4月実績は前年比+1.2%となった。5月についてはエネルギー価格が上昇していることから、総合指数は4月実績を上回る可能性が高い。ただし、域内の需要増に伴う物価上昇は限定的とみられる。なお、5月のコアインフレ率は4月実績の前年比+0.7%をやや上回る可能性が高い。

 

米国市場では4月の個人支出が公表

4月の小売売上高は、自動車などを除いたコアが伸び悩んだ。金利上昇を受けた各種ローン金利の切り上がりや、ガソリンなどの資源価格上昇、賃金回復ペースの鈍化などが個人支出にはマイナスとなりやすい。一方で、米国では4月にかけて税還付が進んだ。減税政策の影響や雇用改善の持続などもあり、改めて米国の個人支出が底堅さを示す可能性もある。

 

米国市場では5月のシカゴPMI(購買部協会・製造業景況指数)が公表

5月分の製造業景況指数では、NY、フィラデルフィア、リッチモンドなどの地区連銀調査で打たれ強さが示された。減税や在しえ出動の累積効果のほか、米トランプ政権による輸出振興策、米国内外の企業に対する米国内投資の促進策などもあって、景況指数は底堅さが持続する可能性がある。しかしながら、5月は米長期金利上昇とドル高、資源価格などの上昇が進んだ、いずれも製造業にとっては、マイナス要因となる。また、米国ではトランプ政権による貿易戦争への警戒感も根強く、シカゴPMIが期待ほど伸びない可能性もある。

 

米国では4月の中古住宅販売成約指数が公表

米国では4月にかけて金利が上昇したことで、連動して住宅ローン金利も上昇した。そのため、住宅市場には悪材料になりやすい。中古住宅は割安物件が減少してきたほか、供給不足や在庫不足なども販売にはマイナスとなる。

 

欧米イベント

○15:00   5月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○15:45   4月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   5月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%)
○16:00   4月トルコ貿易収支(予想:67億ドルの赤字)
○16:15   4月スイス小売売上高
○17:30   4月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30   4月英マネーサプライM4
○18:00   4月ユーロ圏失業率(予想:8.4%)
○18:00   5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.6%)
○18:30   4月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.7%/前年比4.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○20:30   5月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:00   4月南アフリカ貿易収支(予想:47億ランドの黒字)
○21:00   1-3月期インドGDP(予想:前年同期比7.4%)
○21:30   3月カナダGDP(予想:前月比0.2%)
       1-3月期カナダGDPP(予想:前期比年率1.9%)
○21:30   4月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
         個人所得(予想:前月比0.3%)
         PCEコアデフレータ(予想:前月比0.1%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万8000件)
○22:45   5月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.3)
○23:00   4月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.4%)
○24:00   EIA週間在庫統計
○1日01:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○1日02:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(カナダ・ウィスラー、2日まで)

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