FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★日経平均株価:円高一服で下げ幅を縮小して終了

外国為替市場で円高が進行したことを嫌気して70円長安まで売りが先行したが、一巡するとプラス圏に浮上し80円近く上げた。しかし、市場では『海外ヘッジファンドの売りが観測された』との指摘があり、一転して130円近くまで下げるなど、前場は荒い値動きとなった。後場になると円高一服で売りが和らぎ下げ幅を縮めた。結局、前日比51円安の1万9831円と4日続落で取引を終了した。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は小動きで推移

ドル/円は、足もとは109.50-60円内で推移している。前日の海外市場で109円台を割り込んだが、ショート・カバーで短時間で109円を回復した。市場では『108円台は買い戻しが入りやすい』との指摘があった。日経平均株価が引けにかけて下げ幅を縮めると109.73円まで上げる場面もあった。ユーロ/ドルは、1.1215ドル前後で欧州勢の参入待ちの様相となっている。

 

★15-16日の日銀金融政策決定会合:市場見通しは現状維持

前週8日にブルームバーグが『日銀が異次元緩和の出口をめぐる議論について、時期尚早としていた姿勢を改め、より丁寧な説明を行う必要あるとの認識を強めている』と報じ、出口の地ならしの思惑が円高材料となった。今週の会合では景気判断の上昇修正が見込まれており、会合にかけては当座の緩和後退や先行き出口戦略への警戒感が円高要因となりやすい。一方で、黒田日銀総裁は8日の英国での講演で『物価安定の目標である2%の達成になお距離がある』と語り、『われわれのintellectual journey(知性の探究)はまだ終わっていない』と緩和工夫努力の継続姿勢を示した。総裁は来年4月の任期に向けて2%の目標接近に執念を燃やしており、会合後の定例記者会見では改めて円の戻り売りとなる可能性もある。

 

★GMの夏季休暇の延長:米WSJ紙

米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は低調な販売と在庫の拡大を踏まえ、毎年設定している夏季の休業期間を一部の国内工場で延長する計画している。好調だった自動車市場の成長が頭打ちとなった可能性を示唆している。全米自動車労働組合の第31地区長を務めるビッキー・へ―ル氏によると、『シボレー・マリブ』を組み立てるカンザスシティー近郊の工場は6月下旬から5週間稼働を停止する。休業期間明けに組み立てラインのペースを減速する必要に迫られれば、人員削減も避けられないという。

 

いよいよトランプ政権への期待だけでは、景気が息切れしてきた面が表れ始めてきたことを示す。また、米FRBが利上げを継続していることから、自動車ローンなどの引き上げも自動車販売の重しとなってきている。

 

★米国市場では6月のNY連銀とフィラデルフィア連銀の製造業景況指数公表

米国の経済指標は減速傾向が目立っており、最新6月指標でも回復ペースの鈍化が警戒されている。自動車販売の息切れのほか、トランプ政権による経済政策の遅延、規模縮小観測などが重しとなった。また、資源エネルギー業界については、原油などの資源価格の下落や過剰生産、過剰在庫などが重しなっている。一方で、米国の製造業では金利低下やドル安一服などが下支え要因となってきた。ITハイテク関連は活況を維持させているほか、中国や欧州など世界経済の回復もプラス要因となる。6月は地政学リスクや欧州の政治リスクも一服となっており、3-5月にかけての減速からの反動回復となる可能性も残る。

 

★欧州イベント

○15:45   5月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%)
○16:15   5月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.1%)
○16:30   スイス国立銀行(SNB)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30   5月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.8%/前年比1.6%)
○18:00   4月ユーロ圏貿易収支(季節調整前、予想:285億ユーロの黒字)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.00%で据え置き)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.25%で据え置き、 資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○20:00   MPC議事要旨
○21:30   4月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.9%)
○21:30   6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:5.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:24万1000件)
○21:30   6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:24.9)
○21:30   5月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%)
○22:15   5月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
設備稼働率(予想:76.8%)
○23:00   6月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:70)
○16日05:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○16日05:00   4月対米証券投資動向
○ユーロ圏財務相会合(ルクセンブルク)

 

 

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