FITS エコノミックレポート

★中国経済指標：好不調入り混じる結果

・5月小売売上高は前年比＋10.7%となり、市場予想通りとなった。

・5月鉱工業生産は前年比＋6.5%となり、市場予想の前年比＋6.4%を上回った。

・5月固定資産投資（除農村部/年初来）は前年比+8.6%となり、市場予想の前年比+8.8%を下回った。

 

★日経平均株価：様子見ムード強く小幅な値動き

米国株式市場の上昇を背景に110円超上昇し2万円台を回復したが、滞空時間は短かった。次第に上値が切り下がりマイナス圏に沈んだ。結局、前日比15円安の1万9883円と小幅続落して終了した。

 

★東京外国為替市場：ドル/円は終日110円を挟んでの値動き

ドル/円は、日経平均株価が一時マイナス圏に沈んだことを受けて109.95円まで下げたものの、直ぐに110円台を回復するなど売りの勢いも限定的となった。今晩の米FOMCの結果公表など重要イベントを控えているため、総じて様子見ムードが強かった。ユーロ/ドルは、ドル/円が下落した場面で1.1219ドルまで上げたものの、昨日高値の1.1224ドルが意識されれると上値が重くなった。

 

★米国市場では5月の消費者物価指数（CPI)が公表

5月分の生産者物価指数（PPI)は食品とエネルギーを除いたコア指数で前月比＋0.3%となり、市場予想の＋0.1%を上回った。米国では景気の減速やインフレの最低化が懸念されているものの、ドル高一服などもあってPPIは過度な下振れが抑制された。参考となる4月実績は前年比＋1.9%、前月比では＋0.1%、携帯電話サービスや医療費、自動車、衣類の値下がりによってインフレ率は鈍化した。5月については、住居費、帰属家賃の上昇が予想されるが、医療費や自動車保険の値上がりは予想されていないことから物価上昇率は4月実績と同水準になるとみられる。

 

★米国市場では5月小売売上高が公表

5月分では自動車販売が予想ほど悪化せず、3月以降の急減に歯止めがかかった。メモリアルデー連休中の契約増加やレンタカー会社などの大口顧客向けの値引き販売が寄与し自動車販売が下支えされている。ただ、5月に雇用統計や平均賃金が伸び悩んだ。ガソリンの価格の下落は全米のガソリンスタンドの売上減少要因にもなり、改めて濃売り統計が減速を示すリスクも残っている。

 

★米国市場ではFOMC会合最終日：15日午前3時

5月開催分のFOMC会合議事録要旨によると、メンバーの大半は近く追加利上げが適切になるとの判断をしていた。5月失業率は4.3%まで低下しており、労働市場の需給は引き続きひっ迫している。そのため、追加利上げ実施の環境は整備されたとみられる。ただ、インフレ加速の兆候は表れていないことから、FOMCの経済・金利予測で2017年と2018年の金利見通しが下方修正される可能性がある。下方修正されると、利上げペースの鈍化思惑からドル売りが強まる可能性が高い。

 

★欧米イベント

○15:00　　　5月独消費者物価指数（ＣＰＩ）改定値（予想：前月比▲0.2％）
○16:15　　　コンスタンシオ欧州中央銀行（ＥＣＢ）副総裁、講演
○16:30　　　クノット・オランダ中銀総裁、講演
○17:00　　　ハンソン・エストニア中銀総裁、講演
○17:00　　　バイトマン独連銀総裁、講演
○17:30　　　5月英雇用統計
○17:30　　　2－4月英失業率（ＩＬＯ方式、予想：4.6％）
○18:00　　　4月ユーロ圏鉱工業生産（予想：前月比0.5％）
○19:00　　　4－6月期南アフリカ経済研究所（ＢＥＲ）企業信頼感指数（予想：39.8）
○20:00　　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
○20:00　　　4月南アフリカ小売売上高（予想：前年同月比0.6％）
○21:15　　　ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○21:30　　　5月米ＣＰＩ（予想：前月比横ばい）
エネルギーと食品を除くコア指数（予想：前月比0.2％）
○21:30　　　5月米小売売上高（予想：前月比横ばい／自動車を除く前月比0.1％）
○23:00　　　4月米企業在庫（予想：前月比▲0.2％）
○23:30　　　ＥＩＡ週間在庫統計
○15日02:30　　　リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁、講演
○15日03:00　　　米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）、終了後政策金利発表（予想：1.00－1.25％に引き上げ）
○15日03:00　　　ＦＯＭＣ、経済・金利見通し発表
○15日03:30　　　イエレン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長、定例記者会見
○英中銀金融政策委員会（ＭＰＣ、15日まで）