FITS エコノミックレポート

★独4月輸入物価指数：市場予想下回る

ドイツ4月輸入物価指数は前月比0.1%低下、前年比で6.1%上昇した。市場予想では前月比0.1%上昇、前年同月比6.3%上昇をいずれも下回った。

 

★ブレイナードFRB理事が講演：金融政策に関しては超ハト派

もともと同氏は金融政策にはハト派とみられており、6月の利上げに強気な発言が出てくると、一旦ドル買いの動きにつながりやすい。また、その後の利上げスケジュールや指標減速などを受けた景気判断が焦点となる。

 

★日経平均株価：後場から買い戻しで小幅安

日経平均株価は、イタリア政局不安やハード・ブレグジット（強硬なＥＵ離脱）への懸念、ギリシャ問題の再燃などを背景に投資家心理が悪化し、持ち高を調整する売りが広がった。ただ、日銀による日本株ETF購入の思惑などで、先物主導によるア午前の売りに買い戻しが見られ一時プラス圏まで回復する場面もあった。結局、前日比4円安の1万9677円と3日続落で終了した。

 

★東京外国為替市場：主要通貨に対して円買い優勢

ドル/円は、クロス円の下落につれたほか、日経平均株価が110円超下落したことを横目に110.77円と18日以来の安値を付けた。ただ、市場では『下サイドには本邦長期資金のドル買いが並んでいる』との指摘があり、一旦下げ止まった。ユーロ/ドルは、レンツィ伊首相が『秋の総選挙が好ましい』と述べて欧州政治リスクやギリシャ問題の再燃を背景にユーロの重石となり、ユーロ/ドルは短期筋のストップロスを巻き込み下落した。

 

★米国市場では4月の個人支出が公表

4月小売売上高が前月比+0.4%の増加となり、市場予想の+0.6%を下回ったが、2月の▲0.2%から改善している。内訳では、家電や建築・園芸資材を扱う店の売上が伸びた。雇用の回復や株高による資産効果、ガソリン価格の低下などにより、米国の消費は打たれ強さが注目される。ただ、米国では自動車販売が減速に転じてきた。昨秋からの長期金利上昇の累積効果のほか、長期回復からの息切れなどが重しとなっている。

 

★米国市場では4月PCEコア指数が公表

参考となる3月実績は前月比+1.6%となり、前月比では予想外の▲0.1%だった。3月のコアPCEの下落は例外とみられており、上昇率は次第に上向く見込みだが、2%のインフレ目標の早期到達は難しくなっている。また、4月については個人消費がある程度回復すると予想されている

 

★米国市場では5月消費者信頼感指数が公表

5月ミシガン大学の調査分が9．1となり、市場予想の97.5を下回ったが、4月の97.0から改善した。米国企業の1-3月決算発表と4-6月育夫の収益見通しは、小売関連企業の良好さが目立っている。5月以降には小売大手ウォルマート、家電販売大手ベスト・バイなどが良好な決算を示してきた。一方で、トランプ政権の経済対策に対し、過度な期待はく落や実行の遅延懸念、規模縮小の観測が浮上している。経済指標は循環的な頭打ち警戒感も高まっていることから、改めて指標の減速が示される可能性もある。

 

★欧米イベント

○15:00　　　4月独輸入物価指数（予想：前月比0.1％／前年比6.3％）
○15:00　　　4月南アフリカマネーサプライＭ３（予想：前年比5.70％）
○15:45　　　5月仏消費者信頼感指数（予想：101）
○15:45　　　4月仏消費支出（予想：前月比0.8％）
○15:45　　　1－3月期仏国内総生産(ＧＤＰ)改定値（予想：前期比0.3％）
○16:00　　　5月スイスＫＯＦ景気先行指数（予想：105.8）
○18:00　　　5月ユーロ圏消費者信頼感指数（確定値、予想：▲3.3）
○19:15　　　リーカネン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:00　　　5月独消費者物価指数（ＣＰＩ）速報値（予想：前月比▲0.1％）
○21:30　　　1－3月期カナダ経常収支（予想：120億カナダドルの赤字）
○21:30　　　4月カナダ鉱工業製品価格
○21:30　　　4月カナダ原料価格指数
○21:30　　　4月米個人消費支出（ＰＣＥ、予想：前月比0.4％）
個人所得（予想：前月比0.4％）
ＰＣＥコアデフレータ（予想：前月比0.1％）
○22:00　　　3月米ケース・シラー住宅価格指数（予想：前年比5.6％）
○23:00　　　5月米消費者信頼感指数（予想：119.8）
○31日02:00　ブレイナード米連邦準備理事会（ＦＲＢ）理事、講演
○中国、香港（端午節）、休場