FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★日経平均株価:好業績銘柄に買いが入り続伸

5月分の米FOMC議事要旨で予想より利上げに慎重姿勢が示されたことで、1ドル=111円台半ばへの円高を嫌気し朝方は輸出関連株に売りが先行した。しかし、好業績銘柄中心に本邦機関投資家の買いが入った。また、米半導体株の取得報道が伝わったソフトバンクが4%超上昇し、指数を40円ほど押し上げたほか、ファナックも堅調推移するなど値がさ株が相場をけん引した。結局、前日比70円高の1万9813円と続伸して取り引いを終了した。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は111円半ばでこう着相場

ドル/円は、日経平均株価がプラス圏を維持したことから、一時111.70円まで上げた。しかし、原油価格の上昇を受けて対資源通貨中心にドル売り圧力が高まったためやや伸び悩んだ。112円近辺には顧客筋のドル売り注文、111円近辺には短期筋のドル買い興味が残されており、目先的にはドルは111円半ば前後でもみ合う展開が予想される。ユーロ/ドルは、原油価格の上昇を受けた豪ドル/米ドルなどの上昇につれて1.1243ドルまで強含んだ。

 

★不評の米予算教書

米トランプ政権は、23日に2018年の予算教書(17年10月‐18年9月)を議会に提出した。しかし、市場関係者からは、歳出削減計画が確実に履行される保証はないとの見方が浮上しており、予算教書に対する評価は良いとは言えない。歳出削減が不十分だった場合、将来的に財政赤字は増大し、金利上昇の要因になるとの声も聞かれている、そうなった場合、3%レベルの経済成長の達成は難しくなる。また、2017年4月時点で失業率が4.4%まで低下しているにも関わらず、賃金の上昇率は2%台にとどまっていることを勘案すると、雇用情勢の改善によって税収が増えるとの予断を持つことは避けるべきかもしれない。

 

★米家計債務残高が増加

今年1-3月期末の家計債務残高が再び増加、12.73兆ドルと2008年のピーク12.68兆ドルを上回ったことが指摘される。約10年前、米消費者の債務は爆発的に増加し、バブルが弾けて金融危機を引き起こした。その後、消費者は債務を解消したが、NY連銀が先週発表した今年1-3月期末の米家計債務残高は、11兆6500億ドル(約1190兆円)に達し、昨年12月末に比べ1290億ドル(約13.2兆円)増加した。

2016年10-12月期の自動車ローンの延滞(30日以上)が232.7億ドルと金融危機の2008年7-9月期(234.6億ドル)以降で最大となった。90日以上の延滞は82.4億ドルに急増し、2016年7-9月期以降で最高となった。

 

★米国では週間の新規失業保険申請件数が公表

米国では労働市場の改善が継続しており、失業保険申請件数も前週まで記録的な低水準への減少傾向となった。金利上昇やガソリンなどの資源相場の上昇が抑制されていることもあり、米国では緩やかな内需回復と失業者の減少持続が期待される。ただ、最近の米経済指標では、政策停滞の懸念などから息切れぎみの悪化傾向が表面化してきた。そのため、反動調整的な増加と悪化を示す可能性の残る。

 

欧米イベント

○17:30   1-3月期英GDP改定値(予想:前期比0.3%/前年比2.1%)
○18:30   4月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比4.9%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:23万8000件)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:7.00%で据え置き)
○23:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○26日02:00   米財務省、7年債(280億ドル)入札
○26日02:00   コンスタンシオ欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(ブリュッセル)
○石油輸出国機構(OPEC)定例総会(ウィーン)
○米仏首脳会談(ブリュッセル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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