FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:欧州政治リスクを嫌気した売り優勢

イタリアやスペインなど欧州政治リスクに前日の欧州株式市場の下落などリスク回避の円買いに1ドル=109円割れの円高を嫌気して先物主導で下げ幅が拡大した。そのため、一時241円に下げ幅を広げたが個人投資家の押し目買いに下げ渋った。結局、前日比122円安の2万2358円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下を嫌気したドル売り優勢

ドル/円は、米長期金利の低下や日経平均株価の下げ幅拡大をながめて108.92円まで下落し、約3週間ぶりの安値をつけた。国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いが観測された。ただ、下値ではドルの押し目買いが入り下げが一服した。午後は、日経平均株価が下げ幅を縮小すると、持ち高調整などのドル買い・円売りに109.10円台へ値を戻した。しかし、ブラード・米セントルイス連銀総裁が都内で行われた講演で『政策金利はすでに中立に近い水準であり、FRBはさらなる利上げに慎重になるべき』と発言したことからドルの上値が重くなった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台前半で方向感に欠いた値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

混迷深めるイタリア政局:ユーロの重石に

イタリアの次期首相に指名されていたフィレンツェ大法学教授のジュセッペ・コンテ氏は27日、財務相人事でマッタレッラ大統領と合意できなかったとして、首相就任断念を表明した。コンテ氏を首相候補に推薦した新興政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」(旧北部同盟)はマッタレッラ氏に猛反発し、3月に続く総選挙の再実施を求めている。マッタレッラ大統領は28日、国際通貨基金(IMF)元高官の経済学者コッタレリ氏と面会した。再選挙を念頭に、コッタレリ氏を首相とするテクノクラートによる暫定内閣設置を目指すとみられている。ただ、五つ星と同盟が多数派を占める議会の信任を得られる可能性は低い。選挙管理内閣にとどまり、秋にも議会解散・総選挙となる可能性が高い。 

 

トルコ中銀の金利引き上げを好感:一旦トルコリラの買い材料

トルコ中銀が28日に新たな金融政策の枠組みを発表した。1週間物レポ金利を現行の8.00%から16.50%に引き上げ、6月1日から新たな主要政策金利とした。同時に翌日物借入金利(下限金利)を15.00%、翌日物貸出金利(上限金利)を18.00%とすることも明らかにした。今回の発表は金融政策の簡素化が目的とされている。今回の発表は実質的な政策金利とされていた後期流動性貸出金利の16.50%と同率であるため引き締めを行ったというわけではないが、金融政策の簡素化と今後も引き締め策を講じていく姿勢を市場に示した形となったため、リラ相場にとってはポジティブな材料となった。ただ、この措置を受けてエルドアン政権からの見解はまだ示されておらず、引き続き政府の対応を注視する必要がある。

 

ブラジルでは原油高とドル高でリスク回避の動きに

ブラジルの運転手組合による大規模ストライキが国内経済に甚大な被害をもたらしている。国営石油会社ペトロブラスが国際原油価格やレアルの対ドル為替に応じて燃料価格を変動する方針へ昨年7月に変更したが、足もとで原油高やドル高が進んだため、同社が燃料費を値上げしたことが事の発端となっている。値下げや連邦税減免を求めてトラックやバスの運転手組合が今月21日から主要幹線道路をトラックで封鎖したため、全国的に物流が停滞。ブラジルは鉄道網が発達しておらず、物流の60%が道路網を活用した輸送のため影響は深刻で、ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、多くのガソリンスタンドで販売できる燃料がなくなっているほか、燃料不足で航空便は欠航が相次ぎ、病院では医薬品等が届かない状態となっている。今回の騒動でブラジル経済への打撃は必至としてブラジル株は大幅に下落した。週明け28日のボベスパ指数は、3,541.83ポイント下落(▲4.49%)し、75,355.84と昨年12月27日以来の安値を付けた。ブラジルレアルも2.5%近い下げとなった。

 

米国市場では5月消費者信頼感指数が公表

4月実績は128.7で3月実績の127.0を上回った。参考とる5月マークイット総合指数は55.7で4月実績の54.6を上回った。また、5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は98.8で4月実績と同水準であることから、5月は4月実績に近い数値となる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:45   5月仏消費者信頼感指数(予想:101)
○17:00   4月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比3.9%)
○17:30   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○18:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:00   3月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.4%)
○23:00   5月米消費者信頼感指数(予想:128.0)
○30日00:30   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○30日01:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○30日01:00   クーレECB理事、講演

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