FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:短期筋の買戻しで小動き

米朝首脳会談中止を嫌気して120円近く下げたものの、北朝鮮が会談に引き続き前向きな姿勢を示していることもあり、買い戻しが入った。市場では『米系短期筋などから買い戻しが観測された』との指摘もあり、70円超高まで一転上昇。もっとも、前引けにかけては伸び悩むなど方向感が定まらなかった。結局、前日比13円高の2万2450円と小幅4日ぶり反発で取引が終了した。

 

東京外国為替市場:地政学リスクの円買いは一服

ドル/円は、本邦実需勢のドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、109.74円までじり高となった。また、日経平均株価がプラス圏へ転じたことも、円売りを誘った。ただ、予定されていた米朝首脳会談が中止になったことで、北朝鮮情勢を巡る先行き不透明感が強まり、ドルの上げも一服した。午後は、日経平均株価をにらみながら103.50円前後での狭いレンジ取引に終始した。英米市場の3連休を前に様子見ムードが強く、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは1.1710ドル台前半で方向感の欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

為替市場では地政学リスクよりも新興国通貨安を懸念

米朝会談中止をネタにした円高は終了した模様。市場でも『過激な発言や脅しで駆け引きするのがトランプ流の「交渉術」となっているが、市場もそれに慣れてきた。むしろ、為替市場で関心が高いのは米長期金利の上昇に伴う影響の広がり。地政学リスクよりも、新興国の資金流出リスクの方がはるかに注目されている。巨額の経常赤字を抱えるトルコでは、、通貨のリラが過去最低水準まで下落している。トルコ中央銀行は緊急利上げに踏み切ったものの、リラ売りの動きが収まっていない。アルゼンチンやマレーシア、ブラジルなども通貨安は波及しており、目が離せない状況となっている。

 

米国市場では4月耐久財受注が公表

同じ4月のISM製造業景況指数では『新規受注』が61.2となり、3月の61.9から鈍化した。昨年12月の67.4をピークに減速傾向にある。減税効果期待の一服のほか、4月の貿易戦争懸念や米長期金利上昇、ドル高などが悪材料となっている。参考となる3月実績は前月比+2.6%となり、市場予想を上回った。民間航空機・同部品が44.5%増え、全体を押し上げた。変動の激しい輸送関連を除くと、新規受注額は横ばい。4月については3月に増加した反動で減少する感応性が高い。ただし、輸送関連を除く受注額はやや増加する可能性がある。

 

米国市場では5月ミシガン大学消費者信頼感指数が公表

米国では4-5月にかけて、原油などの資源相場が上昇した。ガソリンなどの価格も連動上昇しており、米国の家計には打撃となりやすい。米国では長期金利上昇や株価の上げ渋りなども家計マイナス要因となる。雇用改善の持続や緩やかな賃金上昇などもあり、改めて前向きな消費者心理が示される可能性も残る。

 

欧米イベント

○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:15   1-3月期スイス鉱工業生産指数
○17:00   5月独Ifo企業景況感指数(予想:102.0)
○17:30   1-3月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.1%/前年比1.2%)
○21:30   4月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.3%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○22:15   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○22:20   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ストックホルムで講演
○23:00   5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:98.8)
○26日00:45   カプラン米ダラス連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○未定   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、リーカネン・フィンランド中銀総裁、スウェーデン中銀の会合でパネリストとして参加
○米債券市場は短縮取引(メモリアルデーの前営業日)

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